サブスクリプション・コマースの特徴とは?

EC(Eコマース)

前回の記事で、米国のサブスクリプション型のEコマースを紹介したが、さまざまなバリエーションが登場している。主なものをリストアップだけでも、以下のようになる。

サブスクリプション・コマースの特徴とは?

従来の頒布会、定期購入と何が違うのか?

最近流行のサブスクリプション・コマースが、従来型の毎月お届け型の頒布会、定期購入と何が違うのかというと、その対象にしている商材の多様さである。従来であれば、スーパーやデパートなどで買うのが当たり前だった商品をサブスクリプション型にする事で、ネット通販で販売しようとしているのである。一例をあげると以下の通りだ。

下着・生活用品  Manpacks.com、Panty by Post、MeUndies、Hoseanna

化粧品      Birchbox

男性アパレル    Trunkclub、Hendricks Park、Doyle Mueser、Bombfell

女性向けの靴   Shoedazzle、Sole Society、Just Fabulous

アクセサリー   Jewelmint

女性向けアパレル StitchFix、Style Mint、StylistPick

育児用品     Citrus Lane

食品       Foodzie、Wine.com、Craft Coffee、Blismobox、

Healthy Surprise、Doorstep Dairy、Kiwi Crate

総合       Eco Emi 、NetPlenish

ペット      Toys4Tails

デジコン     Audible

このようにざっとリストを上げただけでもこれだけある。実際には、アメリカ、ヨーロッパなど世界中で類似のサービスが立ち上がっているので、数十のサービスがあると考えていいだろう。

どのような付加価値を提供しているのか?

サブスクリプション・コマースが様々な商材へと広がっており、ブームになっているが、全ての会社が成功している訳では無い。消費者が付加価値を感じるようなビジネスモデルを組み立てられるかどうかがポイントになるだろう。

1 キュレーション型(ShoeDazzle)

よそに売っていない良いものを買いたい。そして、買ったものを友人に自慢したいというのは、昔からある消費者の心理だ。この例はShoeDazzleだ。ユーザー数が300万人に達し大成功している。このモデルがターゲットとしているのは、富裕層の顧客で、キュレーションを付加価値と認め、プレミアムを支払う顧客である。

このモデルは、キュレーションが命なので、強力なキュレーターチームの組成が必須である。米国ではセレブや業界の第一人者がお墨付きを与えるパターンが多い。また商材的には、消費者がリピート購入する商材であり、かつ、小規模のブランドが多数存在するもの(キュレーションの価値があるもの)が向いている。

2 コンビニエンス型(Manpacks)

自分で買い物をするのは面倒くさい、買い物を代行して欲しいと思う消費者をターゲットにしているのがこのモデルである。男性の下着を販売するManpacksは、セレクトされた生活必需品を選んで郵送する事で、時間を節約するのを売りにしている。

この場合は低価格が重要で、キュレーションの要素は重要ではない。こちらは、 頻繁に買い換えを行う生活必需品などが向いている。

3 トライアル型/試供品型(Birchbox)

実物を購入する前に商品サンプルを入手したいという消費者向け。Birchbox(化粧品EC)がこのモデルの代表例。化粧品を買う女性には、同じ化粧品をずっと買い続ける人と、短い期間でスイッチングをする人がいる。多くの商品を試してみたいと感じるような商材には、向いていると言える。

参考資料:US E-Commerce Landscape and Trends

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