商品のストーリーこそが極上のコンテンツになる

EC(Eコマース)
「どんなコンテンツがウケるのだろう」 「顧客が知りたいことって、何だろう」
コンテンツマーケティングを実践する企業では、日々こんな悩みを抱えていることだろうと思う。顧客と良好な関係を築くためには、良質なコンテンツが必要。それはわかっているが、どんな記事がウケるかは、出してみないとわからない部分もある。担当者にとっては頭の痛いところだ。
今回は、とあるECサイトで見つけた、顧客が確実に飛びつくコンテンツをご紹介する。コンテンツ制作に頭を悩ます方は、ぜひ参考にしてほしい。
海外の職人と買い手をつなげるECサイト
ご紹介するのは2013年2月にオープンした「GlobeIn」。衣類やカバン、工芸品など、海外の職人たちが手作りした雑貨を取り扱うECサイトだ。オープン当初はわずか9カ国から集められた雑貨のみを取り扱っていた同サイトだが、今やその国数は40を超え、今も成長を続けている(国数は2014年5月現在)。
Helperと呼ばれるスタッフが世界中から集めてきた商品は、カテゴリや国別に並び替えることができ、自分の好きな雰囲気の雑貨を探しやすい作りになっている。
例えば、ロシアのキッチュで可愛らしい小物、アフリカの素朴でカラフルな小物などを、まとめて一覧表示することができる。海外雑貨が好きな人は、だいたい自分の好きな雰囲気や国・地域が決まっているもの。この辺りはツボを巧妙におさえていると言えるだろう。
しかし、これだけなら紹介するほどのことではない。このサイトには、顧客が飛びつく極上のコンテンツが用意されているのだ。
海外雑貨好きが気になるのは、商品に込められたストーリー
このサイトが他と大きく違う点は、商品紹介の仕方にある。一般的なECサイトでは、商品の寸法や重量などの基本情報や、商品を売るためのコピーがメインの情報になるだろう。しかし「GlobeIn」の商品ページでメインに紹介されているのは、商品を制作する職人にまつわる情報なのだ。
紹介される商品は職人ごとにページが分けられており、どんな職人が、どんな場所で作ったかが、顔写真と地図入りで紹介されている。また、素材や製法にどのようなこだわりをもっているのか、その商品を生んだ地域にどのような文化があるのか、といった、商品にまつわるストーリーが一人ひとり丁寧に描かれている。文字情報だけでなく、動画や写真がふんだんに使用されている点も印象的だ。
例えば、上記で紹介したMarina Lopez Antonioさんのページでは、以下のように紹介されている。
「Marina Lopez Antonioさんは、メキシコのSt. Tomaso de Oaxacaに暮らしており、綿の織物を25年間作り続けてきた。彼女の作る織物は、この地方の伝統的なパターンと現代的なモチーフをミックスして作られている。Marinaさんの一家は、代々この綿織物を作って暮らしており、彼女も両親からこの技術を教わった。この商品を通して、Oaxacaのクラフト文化が世界中に広まってほしいと願っている」
(http://globein.com/artisan/marina-lopez-antonioより抜粋・意訳)
こうした海外雑貨は、商品そのものの魅力もさることながら、異文化の雰囲気が気に入って購入されるケースも少なくない。どこか懐かしく、暖かみのある現地の空気を、生活の中に取り入れたい。「GlobeIn」は、そんな購入者にとって最良のコンテンツを提供しているのだ。
コンテンツマーケティングの基本的な手法
商品にまつわるストーリーを丁寧に描き、顧客が求めるコンテンツを提供する。
「GlobeIn」が実践するこの手法は、コンテンツマーケティングの基本でもある。自社で取り扱う商品やサービスにまつわるストーリーを描くと考えれば、応用できるケースは多いのではないだろうか。コンテンツに頭を悩ます方は、ぜひ参考にしてほしい。
参考元: GlobeIn Online Marketplace GlobeIn’s Network Of Artisans Has Grown To Nearly 30 Countries
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