今、インドでチェックすべきスタートアップ 9選

経営・ビジネスハック

2014年も終わりに近づき、2015年にビジネス界が注目すべき国のリストが様々なメディアで発表されるなか、必ずといって良いほどランクインしているのがインドだ。人口12億を超すこの国では現在ミドルクラスの人口が急成長を見せており、多くの企業が参入のタイミングをうかがっている。

なかでも自動車、IT、Eコマース、食品の各分野の成長には多くの期待がかかっており、インドのマーケットが秘めた可能性に挑戦すべく、多くのスターアップが生まれてきている。

今回はそんなスタートアップのなかから、現在注目しておきたいビジネスを紹介していこう。

自動車

これまでのインドの自動車は、「燃費が良い」「経済的である」が売れる理由のトップに上がっていた。しかし、経済が成長を見せ、より多くの人々の暮らしにゆとりが出てきた今、大型のハッチバック車やSUVなどが注目されてきているようだ。

・Zoomcar

インドの自動車関連事業において注目を集めているのが、David Back氏、Greg Morgan氏、元米国財務長官であるLawrence Summers氏が投資をしてスタートアップした、Zoomcarというレンタカーサービスである。David氏とGreg氏はいずれもアイビーリーグを卒業した20代の若者で、市場に秘められたビジネスチャンスに惹かれ、インドへ移住した。

現在このサービスでは、250台のレンタカー(電動自動車も含む)を、Webサイトやスマートフォンアプリから簡単に予約ができる。そして、ここから1年の間にレンタカーを2,000台まで増やし、サービスエリアも4~5都市にまで広げる予定である。

経済の成長によってますます普及が広がる自動車。「駐車する場所が限られている」という大都市の悩みを解消するレンタカーは、注目度の高いサービスだ。消費者の求めるものをうまく供給し成功している、目の付け所の良さを見習いたい好例である。

IT

米Amdocs社、西南アジア地域責任者であるSanjay Sharma氏によると、インドでの2015年のIT分野は、ハイスピードインターネットとスマートフォンのさらなる普及に伴い、「ビックデータ分析」「モノのインターネット(IoT)」「モバイルファイナンシャルサービス」「ネットワーク機能の仮想化(NFV)」の4分野が、大きなインパクトを与えると予想されるそうだ。

また、IT関連の支出も大幅にアップする予想で、2014年の約670億ドルから、2015年には約730億ドル、そして2016年には約790億ドルにまで増えるとされている(出典:Gartner Says India IT Spending to Reach $73.3 Billion in 2015)。 では以下に、IT分野で注目されているスタートアップ企業をいくつか紹介していこう。

・Hike

2012年12月にローンチされたこのメッセージアプリは、現在2,000万人のユーザーが登録されている。ユーザーの6割をインドに、4割を中東とヨーロッパに持つこのサービスは、全モバイルプラットフォームでの使用が可能だ。現在までに、すでに2,000万ドルを超える投資を2回受けている。

・Exotel

クラウド型電話サービスを提供する企業。バーチャル電話番号やSME向けの電話アプリケーションの提供により、維持費のかかるコールセンターの設置を省くことを可能にした。

・Druva

NASA、Tesla、KMPG、Xeroxなど大手を含む3,000以上の企業に、ハイレベルのデータプロテクションを使いやすいプラットフォームで提供している。すでに4回にわたり、総計6,000万ドルを超える投資を受けており、2014年8月には2,500万ドルの利益(プロフィット)を生み出している企業だ。

また、ITの一環として常に大きな利益を生み出しているゲーム業界にも注目しておきたい。

・Reliance Entertainment

Reliance Entertainmentは2015年初旬より、北米やヨーロッパのモバイルゲーム制作会社の買収を開始する予定。3年以内に5000万ドルの利益を、5年以内に1億ドルの利益を想定している。今後、インドのゲーム業界発展の大きな足がかりとなることは間違いないだろう。

Eコマース

経済が好調になれば、消費者のショッピングに対する意欲も当然上がる。なかでも多くの人々を対象として販売を行えるEコマースの秘める可能性は高く、すでにそのベネフィットを受けているスタートアップ企業も多い。

・Flipkart

Eコマース企業のFlipkartは、7年前に設立された。。2013年の資金調達額が2億ドルだったのに対し、2014年は7月までに10億ドルを調達。ここから5年で、売上高(流通総額)が1,000億ドルになると見られている。

・WebEngage

Eコマース企業を対象に、オンラインプロモーションやサーベイを通じてカスタマーエンゲージメントを行うためのツールを提供している。40カ国以上に数千を超える顧客を有する。

食品

生活の豊かさを測るものさしとして、食の豊かさや食への興味も欠かせないものである。ここでは、インド初の、食に関するスタートアップ企業を2つ紹介しておこう。

・Cucumbertown

料理好きのためのソーシャルネットワーク。世界中のシェフ、著名なブロガーやグルメな一般人から募った数千のレシピをキュレートして、提供している。本拠地はバンガロールだが、モバイルプラットフォームの管理を目的にしてカルフォルニアにも拠点を持っている。

・Zomato

11カ国、35都市に存在する20万店舗以上のレストランの情報をキュレートして発信するサービス。最近、北米へのサービス拡大のために3,700万ドルの投資を受けた。

カギとなるのは人々の豊かな暮らしを支えるビジネス

今回挙げた新進企業9社。全てに共通しているのは、インドの暮らしの豊かさを象徴するサービスということだ。

テクノロジー、エンターテイメント、コンビニエンス。成長を続けるインド経済のなかで、需要が確実に伸び続ける項目であることは間違いない。

インド市場への参入を考えているスタートアップ企業はこれらのこのコンセプトを忘れず、その大きな可能性に向けてチャレンジしよう。若きマーケットが熟してしまう前の「今」こそが、インドマーケットの「旬」なのだから。

参考元:?Hot Markets 2015?5 gorgeous hatchbacks that will hit Indian roads in 2015?5 hot SUVs coming to India in 2015?Gartner Says India IT Spending to Reach $73.3 Billion in 2015?10 Startups to Watch in India’s Tech Boom?Exclusive: India’s Reliance Entertainment plans to acquire Western game studios in 2015?Cucumbertown?Flipkart?In India, No Chauffeur Is A Status Symbol. Why ZoomCar Just Raised $8 Million

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