ツイートを本として公開!新スマホアプリsortbookの開発秘話インタビュー!

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ツイッターのつぶやきをまとめて、「本」「写真集」「日記」を作ることができるアプリ、sortbookがリリースされた。今回、開発者の高萩さんにインタビューする機会があった。アプリの特徴や開発の苦労話などをお伺いした。
目次
ツイートを本として公開!新スマホアプリsortbookの開発秘話インタビュー
sortbook画面イメージ
つぶやきから本を作れるアプリ
宗像:今回高萩さんが満を持してリリースされるsortbookとはどんなサービスなんでしょうか?
高萩(敬省略):sortbookは、自分の考えや作品を「本」の形にしてを出したいけど面倒くさいと思ったときに、ツイッターへの投稿をまとめて自分オリジナルの「本」「写真集」「日記」をスマートフォンで作ることのできるサービスなんです。
宗像:なるほど。簡単に自分の本を作れるというのはいいですね。でも、どうして、ツイッターのつぶやきから本を作る必要があるんですか?
高萩:自分を表現する主な方法として、従来は、本を書いて出版するということとSNSに自分の考えていることを投稿するという方法がありました。
ところが、本は自分の世界観や主張を実際に形あるモノとして表現できる一方で、誰もが気軽に作れるというわけではありません。同時に、SNSは、誰もが気軽に自分の考えを表現できる反面、そこでの発言をまとまった形にして体現する術を持たなかった。
そこで、両者が持つ長所を掛け合わせてSNSへの投稿のように手軽に作れて、「本」のように読み応えのある全く新しい形のメディアを作ろうと考えたわけです。コンセプトは、「SNS」以上「本」未満の新しいメディアです。
宗像:それはすごく良く判ります。本を出したい、自分を表現したいって思っている人って結構いますよね。Twitterが日本で流行ったのも、自己表現欲求の延長のような気もします。
ちなみに、sortbookを作ろうと思い立ったきっかけは何だったんでしょうか?
誰でもがアイディアを形に出来るようにしたい
高萩:私はもともと経営コンサルやメーカー、ベンチャーなど様々な業界で仕事をしてきました。そのキャリアの中で一番苦労したのはその業界・会社における明文化されていない「暗黙知やノウハウ」がわからないことでした。こういった暗黙知は、組織内の個々人の中にあってなかなか共有されていないことが多いんです。
これが形式知として共有されれば社会がもっと円滑になり、そのノウハウや知識を持っている人の価値も上がるのでは?と思いました。そのためにはもっと「表現」が簡単で、かつ読み応えのある形でまとまっているメディアが必要だと思いました。
そこを突き詰めて考えた結果、一から考えたり書いて表現するのではなく既にあるものを並べるだけなら簡単で、誰もが気軽にできるようになるのではと考え、sortbookのアイデアを思い立ちました。
宗像:暗黙知を形式知にして共有するというアイデアは本質的でとてもおもしろいですね。
仲間と一緒に作り上げたアプリ
高萩さんは、sortbookを全部自分で開発したんですよね?これまでプログラミングやアプリの開発経験はあったんでしたっけ?
高萩:いいえ、sortbookを何とかして作りたいと思ったんですが、なにしろ典型的な文系ビジネスマンのど素人だったもので。(笑)
初めは全然作れないし、何から始めて良いかわかりませんでした。せめてUIのところだけ作ってみようと思い、HTMLとCSSの入門者用の書籍を買って独学で勉強を始めました。
同時に色々な方からデザインについて指導やアドバイスを貰いながらUIデザインをなんとか作成していきました。なかなか満足のいくUIができず試行錯誤を繰り返して今のレベルにやっと到達しました。
そうこうしている間に実装の部分は、幸運にも大学時代の友人達が引き受けてくれました。彼らが仲間になってくれたおかげでこうやってリリースまでこぎつけることが出来たので、彼らには本当に感謝しています。
宗像:そうだったんですか、全くの未経験から実際にアプリのリリースにこぎつけたのはすごいですね。僕もプログラミングは出来ないので、時々勉強しようかなと思いますけど、続いた事は無いです。(笑)
では、このアプリは具体的にどんな人たちに使って頂きたいですか?
高萩:自分の経験、アイデア、作品を発信したい人、個人で活動をしているような社会人の方や意識の高い学生さんなどに使ってほしいですね。
宗像:なるほど、自分だけの経験を共有するためにも幅広い人が利用できるようになればいいですね。
ソーシャルメディアと本の真ん中にあるメディア
先ほど、sortbookのコンセプトは、「SNS」以上「本」未満の新しいメディアだとおっしゃっていましたが、今後sortbookをどのような形で使って欲しいと思いますか?ツイッターやフェイスブックとの差別化は何ですか?
高萩:sortbookはツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアと本や電子書籍などのリッチコンテンツの中間的な存在になると考えています。
概念的には、ソーシャルメディアの「現在性」や「フロー」とは対極的に、「過去性」、「ストック」のイメージです。
sortbookの主な特徴とは?
宗像:新たなメディアとしての展開が期待出来そうですね。では、sortbookを初めて使う人のために、主な特徴を教えていただけますか?
高萩:はい、まず1つ目の特徴としてあげられるのは、公開されるコンテンツがツイッター上に投稿されたツイートをもとに構成されるという点です。単なるツイートも、テーマ毎に集め・まとめればそこに一つのストーリーが生まれ「本」になります。また、写真付きの投稿を集めればメッセージ付きの「写真集」「作品集」になりますし、日々の出来事を集めれば「日記」へと生まれ変わります。
次に挙げられるのは、「本」のようなユーザーインターフェースを採用している点です。作者の世界観を表現しやすくなるよう、本のような表紙と題名・目次をつけることができます。読者は実物の本を読むのと同じようにページをめくってsortbookを読むことができます。
そして最後に挙げられる特徴が、sortbookでコンテンツを制作したり、それを読む作業がすべてスマートフォンで行えるという点です。いつでもどこでも気持ちがノッた時に、オリジナルの「本」「写真集」「日記」を作ったり、他の人のsortbookを読んで楽しむことができます。
宗像:とても美しいUIで、本を読んでいるかのような疑似体験が楽しめそうですね。他には、どんな機能があるんでしょうか?
高萩:はい、まず、ツイート選びの楽々サポート機能があります。これは単なる「つぶやき」やリンクの共有ツイートを除いて、「本」「写真集」「日記」にふさわしい長文または画像付きツイートのみを表示させる機能があるため、ツイート選びを簡単にする機能です。
次に、片手ドラッグで簡単に章分けが出来る機能です。これを使えば、ストーリー性を高めるために章分けがドラッグ&ドロップで簡単にできます。
最後に本棚へお気に入り登録が出来る機能があります。気に入ったsortbookを本棚にお気に入り登録すれば、「本」のように何度でもすぐに読み返すことができます。
宗像:機能的にもユーザー目線でとても充実しているんですね。
sortbookは、本日9月18日にリリースされました。iPhone, Androidの両方のアプリがダウンロードできます。
ご興味のある方は、下記URLをスマホでクリックして見て下さい。
sortbookのホームページ
では、高萩さん、今後のご健闘を期待しております。ありがとうございました。
高萩:頑張ります!ありがとうございました。
【高萩昭範さんプロフィール】
外資系経営コンサルティング会社、A. T. カーニーに勤務後、ダイムラー・クライスラー株式会社にてメルセデス・ベンツのマーケティング担当・教育系ベンチャーでのマーケティング責任者としての参画を経て、新たなメディアの実現に向け、この度「sortbook」の立ち上げに至る。京都大学法学部卒。
まとめ
どうだろう?本とソーシャルメディアの中間の存在というのは、面白いアイディアではないだろうか?ツイッターやフェイスブックが生まれたおかげで、誰でもが気軽に発信をできる様になった。しかし、ツイッターやフェイスブックを使っていて、もったいないと思うのは、情報がどんどん過去のものになり、埋もれていってしまうこと。
sortbookは、古くなって埋もれてしまう情報をユーザー主導でまとめる事ができる便利なサービスだ。情報をまとめて価値を出すという意味では、スマートフォン版のNAVERまとめのような存在かもしれない。しかし、NAVERまとめと違うのは、電子書籍のようなインターフェースで、本をめくるような感覚で、sortbookを読む事が出来る点だ。このインターフェースには、高萩さんが本に対して感じている思いが込められていると感じた。ぜひ、sortbookを手に取って試してみてほしい。
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