次世代マーケティングのキーワード!ソーシャルセリングとは何か

コンテンツマーケティング

「ソーシャルセリング」という言葉をご存知だろうか?

何か聞いたことがあるな、と思う方もいるかもしれないが、注意していただきたい。SNSをはじめとするソーシャルツールを使った「ソーシャルビジネス」のことではないのだ。

ソーシャルセリングは、その一歩先の概念である。

この言葉は、コンテンツマーケティングのエバンジェリストの1人、Michael Brenner氏の説明によれば、「ウェブ上で強力なブランドイメージを構築し、信頼関係を得たカスタマーに直接的に訴えかける手法」を指している。

そこで、今回はこの言葉にフォーカスし、次世代のマーケティング戦略を考えてみよう。

ソーシャルセリングは「感情移入である」?!?

ソーシャルセリングは、ソーシャルビジネスのさらに先にある具体的な手法である。注目すべきは、前述のBrenner氏が、そのキーワードを「感情移入(Empathy)」だと述べている点だ。

彼は、企業内部でコンセプトを固めウェブで客を「探す」だけという、旧来の「内向き」 なマーケティングを批判している。

そして、ウェブ上のカスタマーに直接働きかけ、パーソナルブランドを確立することで信頼関係を築く「カスタマー中心のマーケティング」こそが、ソーシャルセリングであると指摘する。

その際に重要なことは、カスタマーがどのような心理状態にあって、どのようなコンテンツを欲するのか――要するに、よりヒューマンなレベルで顧客を把握し、ブランドを作り上げていくこと。これが、「感情移入」というキーワードの示すところなのだ。

ソーシャルセリングを可能にする組織とは?

上で述べたように、ソーシャルセリングはブランドの確立を前提にしている。したがって、マーケター1人がどうこうすれば良いという問題ではない。

その点、アナリストのBernie Borges氏の「マーケティングは『部門』ではない」という言葉はたいへん興味深い。多くの企業は、マーケティングを1部門に任せているが、マーケティングに大切なのは企業に「マーケティング文化が根付くかどうか」だというのだ。

彼はさらに、「5 Signs Your Business Is Ready For Social Selling」の中で、こうした文化が根付いていることを示す5つの指標を説明している。

ここでは、彼の話を簡単に要約しよう。実は、5つの指標は1つの方向性に集約される。

それは「従業員の一人ひとりに動いてもらう」ことに尽きる(これは、「エンプロイー・ブランディング」とも呼ばれている)。この指標で印象的な点は、従業員それぞれが1つの「ウェブサイト」であるかのように見るように推奨していることだ。

従業員が、プライベートのFacebookやTwitterのアカウントを使用している場合、炎上を恐れて過剰に監視するのではなく、彼らのクリエイティビティを最大限に活用することが重要だ。

炎上の危険は、ガイドラインを作成し徹底することで防げるだろう。

ソーシャルセリングはヒューマンな戦略である

近年のリサーチでは、ネットショッピング体験者の82%は、商品に関する「個人的なおすすめ」を決め手として購入しているという。

このことからも、企業内の「人財」を生かすことこそが、ソーシャルセリングの有効な方法と言える。
BtoCというカテゴライズを越えて、ソーシャルセリングはPtoP(人から人へ)をウェブ上で実現する。

あなたの企業に眠っている「人財」も、発掘されるのを待っているのではないだろうか?

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