【事例】ソーシャルメディアとゲーミフィケーションで、サイトへのアクセスが2倍に!

コンテンツマーケティング

最近注目されている「ゲーミフィケーション」。これは、ゲーム的な要素(「人と競争する」「遊ぶ」など)を「何か」に取り入れることによって、人々が目標を達成するためのモチベーションを高めたり、彼らとのエンゲージメントの向上を図ったりするものである。

ゲーミフィケーションには、社外向けと社内向けの両方がある。

社外向けの場合、Webサイトにポイント制を取り入れて、顧客のロイヤリティを高めるといった例が挙げられる。従来の手法では顧客のロイヤリティを保持するのが難しくなってきたことなどが背景となって、生まれたアイデアだ。

社内向けの場合も、ポイント制などを導入することで、従業員の仕事に対するモチベーションの向上を図ったりする。

今回の話は、後者の「社内向け」ゲーミフィケーションのなかで、B2Bビジネスに関するものである。B2Bビジネスの担当者にとって、社内の情報シェアを高めることは大変重要だ。重要情報をいかに多く持ち、いかにうまく使うかが、商談を有利に進める決め手となるからだ。

そんな、社内情報の有効活用のために、ソーシャルメディアとゲーミフィケーションを用いた実例を紹介する。ソーシャルメディアからWebへのアクセスを倍増させた秘訣を、ぜひ参考にしていただきたい。 

以下、米国のリサーチ会社であるマーケティング・シェルパ社が公開している、ゲーミフィケーション理論の活用法に関する特集記事より、事例をみていこう。

プロジェクト始動

社内向けにゲーミフィケーションを活用できるシーンにはどのようなものがあるだろうか?

例えば、新プロジェクトをローンチする場合。そのようなときには、いかに社内の人々を巻き込んで協力体制を得るかがポイントとなる。そのために、ゲーミフィケーションを利用するのである。

ブルー・ウルフ社は、クラウドから誕生した初めてのグローバルなビジネスコンサルティング会社。同社のマーケティング担当副社長コリーヌ・スカラー氏は、自社の社員同士がフリーに情報を共有する社内体制を構築し、それによって新規顧客開拓に弾みをつけたいと考えていた。

マーケティング会社の特性として、開発からアフターサービスまで、顧客のビジネスフローすべてに関わることができる。だから、社内に蓄積されている情報の量は膨大なはずなのに、実際は自社内の組織の壁に分断されているのが現状だった。

そこで、スカラー氏は新たに情報共有の専任担当者を任命。共有された情報を広く社内外に、ソーシャルメディアを使ってシェアするというプロジェクトに取り組んだ。

キャンペーンの実際

このプロジェクトの担当者に任命されたのがナターシャ・オクエンバーグ氏だ。2012年初頭、プロジェクトは開始された。

ステップ1 社内の基礎調査

まず、社員のソーシャルメディア利用実態を知るために社内調査が行われた。調査内容は、Twitter、Facebook、LinkedIn、Googleトーク、そしてブルー・ウルフ社内のイントラネットなどの利用実態である。

利用頻度、何か面倒に感じる点はあるか、ソーシャルメディアから個人情報が商業利用されることについて、どのような見解を持っているか、ソーシャルメディアを利用しない人は、なぜ利用しないのか……などの内容が調査された。

オクセンバーグ氏は語る。「調査から多くのフィードバックを得ることができました。およそ80%の社員が、個人または仕事上のアカウントを作ることに意欲的だとわかったんです」

ステップ2 ヘルプセンターの設置

しかし、このプロジェクトを進めるにあたって、社員は次のような疑問を持っていた。「多忙な勤務時間内に、本当にしっかりとソーシャルメディアを管理できるのか」「どんなコンテンツにするべきなのか」「どんな人をフォローしたら良いのか」。

そこで、これらの疑問に答えるために、ブルー・ウルフ社は“ソーシャル・ポータル”と名付けたヘルプセンターを開設した。

各種プラットフォームを使う際の詳細なマニュアルや、主要なソーシャルメディアの紹介を、2分程度のビデオにしてアップする。社員はこのビデオによってソーシャルメディアの使い方を理解し、また、社がどのような使い方を理想と考えているのかを理解することができた。

ステップ3 社員一人ひとりのプロフィールページを作る

次に行ったのは、ウルフ社のサイト内に、社員一人ひとりが自分をプレゼンする「パック・プロフィール」ページを作ることだった。

ここに各自が、所属部門、専門分野、担当クライアント、ブルー・ウルフで働くことを選んだワケ、自己紹介、Twitterの最新書き込み、Twitter以外のソーシャルメディアでの最新書き込み(ブログ更新、レポートやケース・スタディーのアップなど)、また、書き込みや発信に対しての反響分析……などの情報を書き込んでいく。

ここでは、ブルー・ウルフ社自体が持つブランドイメージをどう自分のプロフィールに役立てるかも重要な課題となってくる。

これら全過程を通じ、社員一人ひとりが“自分ブランド”を構築しているわけだ。

ステップ4 全体のプロセスをゲーム化する

このプロジェクトへの社員の積極参加を促すために、ブルー・ウルフ社はゲーミフィケーション理論を活用することにした。

まず、社内のツール、例えば「パック・プロフィール」に書き込みをしたり、イントラネットで投稿やコメントを行ったりするごとに、ポイントが付与されるようにした。

また、より広範囲なアクティビティ、例えば、ブログを本にして出版する、一つのブログ記事に200人以上の閲覧があった、ブログやレポートをソーシャルメディアで共有した、Facebookなどで多くの「いいね!」やシェアを得た、といったことも評価ポイントにした。

さらに、「チャレンジ」という評価軸も設定した。例えば、ブログからブルー・ウルフ社本体のサイトへ飛んだ人が50人にも上った、という実績を上げた社員がいた場合、それを「注目度アップ・チャレンジ」と名付けて評価するのだ。チャレンジ達成記念のバッジや25ドルのギフトカードなど、具体的な報酬も贈呈する。

プロジェクトの成果は?

今回のプロジェクトの成果を確認するために、ブルー・ウルフ社は3つの軸で評価を行った。その3つとは、ブルー・ウルフ社サイトへのアクセス数、社内協力体制の向上、Kloutスコア(ソーシャルメディア上の影響力を示すスコア)。ローンチ・プロジェクトは4カ月近く続き、結果は以下のようだった。

・ソーシャルメディアからブルー・ウルフ社のサイトへのアクセス数が2倍に増加 ・ソーシャルメディアのアクセス数が、毎月、前月比20%増 ・社内イントラネットを利用した社員同士のコラボレーションが57%増 ・Kloutスコアが43から45.28にアップ

まとめ

今回紹介したブルー・ウルフ社のゲーミフィケーション活用事例では、「ソーシャルメディアからのアクセスが倍増」という大きな成果が見られた。

その成功要因は何だったのだろうか?

それは、社員からの協力を得るための用意周到なプランが準備されていた、ということだろう。

ビジネスの成長のためには、社員同士が情報を共有したほうが良いということは、誰でも頭の中では理解している。今の時代、ソーシャルメディアを活用すべきだということもわかっている。

ところが実際には、作業を面倒に感じたり、どんな情報をシェアすればよいかを思いつかなかったり、自分にとって得なことはあるのか、と疑問に感じたりしてしまうものだ。

その社員の「おっくう」な気持ちを取り払うために、「社員の聞き取り調査」、「ヘルプセンターの設置」、「プロフィールページ作成」などの段取りを組んだうえで、「ゲーミフィケーション」を本格的に導入し、モチベーションをぐっと引き上げたところが最大のポイントだろう。

社員の本音を探りつつ、うまくその「やる気」を引き出し、「ソーシャルメディアからのアクセス倍増」に至ったブルー・ウルフ社の巧みな技。これは、ぜひ今後コンテンツマーケティングに取り組む際に参考にしてほしい。

参考元: B2B Social Media: Gamification effort increases Web traffic 100%, employee collaboration 57%:marketingsherpa It's Not a Game: It's Gamification:TED WEEKENDS Gartner Redefines Gamification:Gartner

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