John HancockとStarbucks(スターバックス)のキャンペーンから学ぼう!PRにおけるソーシャルメディア活用術

コンテンツマーケティング
「パブリックリレーションズ(Public Relations)は、20世紀初頭からアメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団・社会)との望ましい関係をつくり出すための考え方、および、行動のあり方である」(出典:日本パブリックリレーションズ協会)
企業が成功を収めるために欠かせないのは、人々やコミュニティと「良い関係を築く」こと。そのパブリックリレーションズ(以下、PR)の手段の一環として、ぜひ活躍させたいのが、さまざまな方面から多くの人と人を結びつけることのできるソーシャルメディアである。
「関係づくり」という共通の目標を持つことで、相性の良いPRとソーシャルメディア。今回は、実際にPRにおいてどのようにソーシャルメディアを活用させていくべきか、2つの事例から見ていこう。
目次
【実例1】コミュニティとのつながりを大切にするJohn Hancock
ボストンに拠点を置く、大手ファイナンシャル・ソリューション企業の「John Hancock」は、コミュニティや社員の生活、そして、環境をより良いものに向上させることに重点を置いている。
そのなかのひとつとして、ボストン市民の誇りとも言える、世界的に有名なボストンマラソンに力を注いでおり、自社のWebページにも特設ページが設けられているほどだ。
そんなJohn Hancockだが、今年(2014年)のボストンマラソンに向け、「#WeRunTogether」キャンペーンをローンチした。YouTubeやTwitterを活用しながらコミュニティ全体をひとつにまとめて盛り上げていく、中心的存在となっている。
「#WeRunTogether」キャンペーンは、人々が参加する度に$1を寄付する、人々にキャンペーン情報のシェアを呼びかけるなど、ソーシャルメディアならではの情報拡散という利点をうまく使って、PRに成功している好例である。
【実例2】世界をつなげるStarbucks(スターバックス)
世界中に多くの店舗を持つStarbucks(スターバックス)が、「Meet Me at Starbucks」というキャンペーンを打ち出した。28カ国で同時に、1日で撮影されたこのフィルム。「コーヒー屋」ではなく、「人々の集いの場所」としての企業イメージを全面に押し出している。
Meet Me at Starbucks
友人との時間、恋人との時間、家族の時間。Starbucksは、そういった心の安らぎの場を与えられる空間であることを、ミニ・ドキュメンタリー調でアピールした。この動画を観ていると、「こんな場所に行ってみたいな」「こんな時間を過ごしたいな」と思わせてくれる。
いつもはドライブスルーしか使わない人や、コーヒーショップで寛ぎの時間や楽しい時間を過ごすという観念がなかった人にも、店舗に足を踏み入れてもらう、良いきっかけづくりとなっている。
ソーシャルメディアでPRの成功率を上げる6項目
では実際に、ソーシャルメディアを使ってPRを行う際には、いったいどんな項目に注目する必要があるのだろうか? 人と人をつなげていく、情報のシェアと拡散が大きな特徴のこのメディア。これを最大限に生かすために、ぜひ以下の6つの項目は押さえておきたい。
自社に関する投稿のチェック:自社に関する情報が、ソーシャルメディアで取り上げられているかどうかのチェックを日常的に行おう。自社を話題にしてくれた人々に感謝のコメントを残したり、プレゼントしたりと、ブランドイメージの向上にもうまくつなげよう。
ネガティブをポジティブに:ソーシャルメディアを使用する際に、決して忘れてはならないのが、「人々は、ネガティブなコメントや苦情をコメントする権利がある」ということ。コメントを勝手に削除したり、口論に発展させることなく、真摯(しんし)な態度で対応を。ネガティブなイメージを、ポジティブなイメージに生まれ変わらせよう。
じらし効果で期待度アップ:新製品や大きなニュースの発表の前に、プレスや消費者に期待感を与えるような、じらし効果がある短い動画を投稿しよう。噂や評判が拡散しやすいソーシャルメディアの特徴を生かし、大事な発表に向けて、より多くの人からの注目を集めよう。
旬をキャッチ:ソーシャルメディアは、最新情報を求めている専門家や一般人の宝庫。問題や事件が起こった際に、リアルタイムで、専門的な知識や意見を提供できる存在になろう。分野の「エキスパート」の地位が確保できれば、サービスや商品の評判も、信頼度が当然上がる。?短く濃く:プレス・リリースやメールマガジンなどの内容を、そのままソーシャルメディアには使用しないようにしよう。文面も動画も「短く・濃く」を意識し、さっと目を通せる面白い内容に再構成し、詳しい情報が載っているウェブサイトへのリンクを入れておこう。
シェア・シェア・シェア:PRコンテンツを投稿したら、後はシェアあるのみ。「シェアしたい」と思わせるコンテンツをつくり上げるのはもちろん大切だが、投稿後にジャーナリストやファンに連絡を入れ、シェアを促すのを忘れずに。
企業の成長過程に欠かせないもの
人と人をつなげるものとは、いったい何だろうか?
「思いやり」「やさしさ」「感謝」「喜び」「怒り」「情熱」「悲しみ」「驚き」
こういったさまざまな感情を周りと共有することで、仲間意識が生まれる。それが、やがてコミュニティへと成長していくのだ。
消費者と深い結び付きや信頼関係を築き上げることは、常に成長を続ける、どの企業も忘れてはならない過程だ。ソーシャルメディアという素晴らしいツールを最大限に生かして、自社のPRをより効果的に行い、人々に愛され、頼りにされる存在になっていきたいものだ。
参考元:?8 Easy Ways to Use Social Media to Optimize Your PR Campaign?4 Ways to Use Social Media in Public Relations?6 Ways Social Media Has Changed Public Relations?Winning Social Media Strategies For Public Relations?John Hancock?Social Media Impact on Public Relations and News | INFOGRAPHIC?Starbucks?日本パブリックリレーションズ協会?5 of the Most Effective PR Campaigns of 2014?Starbucks Launches First Brand Campaign, ‘Meet Me At Starbucks’
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