ソーシャルメディアの効果測定で知っておくべきポイントとは?

コンテンツマーケティング
TwitterやFacebookなど、企業マーケティングにおいてソーシャルメディアの活用は、当たり前のように行われている。
しかしその反面、SNSでは拡散した後のユーザーのコメントがどうなっているか、また、どこで話題になって広がっているかなど、明確に収集できる数値だけでは測れない効果もある。これらをどのように測定するかは、マーケティング担当者にとって頭の痛い話だ。
そして、ソーシャルメディアのマーケティング担当者の仕事は、マーケティング、ブランドマネジメント、口コミ、バイラルマーケティング、ネガティブな発言への対応、広告、異なるメディアチャネルのアカウントの管理など、複雑化している。
つまり、ソーシャルメディアの効果測定には、数字での裏付けが難しい、高レベルな課題が山積している。そこで、「20 Reasons Why Social Analytics Is A Nightmare - And What To Do About It」の記事を基に、ソーシャルメディアの効果の有無を検証する際の課題と、それに対処する際のヒントを紹介しよう。
1.ソーシャルメディアでのデータ収集・管理は複雑化する一方
まず、ソーシャルメディアでのデータ収集が複雑化する主な理由には、以下がある。
・どんどん増加するソーシャルメディア 平均で7つ、15%の企業では10個以上のソーシャルメディアを利用している(※)。利用しているソーシャルメディアが多ければ多いほど、データ収集は困難になる。(※出典:Social Platforms 2013)
・複数のソーシャルメディアのアカウント管理
ソーシャルメディア担当者は、複数のソーシャルメディアのアカウント管理が必要になる。
・ソーシャルメディア全体を貫く測定基準の欠如
例えば、Facebookの「いいね!」・コメント・シェアと、Twitterのお気に入り・リプライ・リツイートでは、何がどのくらいの価値を持つのかなどの基準が曖昧だ。
こういった課題には、自動的に複数のソーシャルメディアからデータを取り込めるツールやプラットフォームを利用して、膨大な作業量を緩和することを試みよう。
2.ソーシャルメディア担当者では制御しきれない内部要因・外部要因
ソーシャルメディアにおいては、さまざまな内部要因・外部要因によって左右される面があり、担当者が適切な対策を行うことを困難にしている。
・コンテンツにまつわる全てを管理するのは無理がある
製品ニュース、プロモーション、ブランド表現など、コンテンツにまつわる全てをソーシャルメディア担当者が管理するには限界がある。
・外部イベントによる影響が無視できない
例えばワールドカップのように、ソーシャルメディアはニュースやイベントなどの影響を受けやすい。その結果、時系列でのデータの比較などが行いにくくなる。
・並行して行っているキャンペーンやイベントの効果測定の困難さ
複数のキャンペーンやイベントが同時に行われている場合、ソーシャルメディアがそのキャンペーンやイベントに与えた結果を分離して効果測定することは、きわめて困難。
・ネガティブ発言がもたらす影響
否定的なコメントは、相互作用しやすいーシャルメディアに影響を及ぼすので、効果測定をさらに複雑化する。
これらのことに対処するためには、コンテンツに基づいてメッセージをタグ付けし、分類する自動化ソリューションなどが必要になる。そして、データ内で潜在的に影響力のある変数を特定しなければならない。
3.エンゲージメントの分をどう見積もるか
ユーザーが共感をし、ネット上でその共感が広まる「エンゲージメント」活動の効果を簡単に測る方法がないため、ソーシャルメディアの影響を実証するのは困難だ。
・エンゲージメントへの影響の追跡
最初の投稿は追跡できるが、一方で、サイトを離れてからのエンゲージアクティビティは追跡できない。「いいね!」やコメントは、ポストのフィードランキングを高め、上位に上がりやすくなるが、要因を明確に分析するのは難しい。
・エンゲージメントごとに定量化する難しさ
シェアやリツイートが、実際にビジネスにとっての価値がどの程度か見積もることは非常に難しい。
・正確なROIを実証することが困難
投資した資本に対して得られる利益の割合を表す、ROI(Return On Investment)をソーシャルメディアで実証することは容易ではない。
これらの課題に対しては、人口統計データに基づく顧客プロファイル化や、販売データと外的要因や顧客動向を掛け合わせたパターン化など、従来にはないアルゴリズムを確立することなどが、今後期待される。
ソーシャルネットワークを利用した分析の未来
ソーシャルメディアは、もっとも複雑なマーケティング・チャネルのひとつといえる。それはまた、複合的なマーケティングやその戦略に向けて、高い可能性があることを意味する。
上記のように、現状ではさまざまな課題があるが、ソーシャルマーケティングはますますデータ駆動型になりつつあり、技術やツールの進歩により、これら課題が解決するのも時間の問題といえるだろう。
まずは、ソーシャルメディアの効果をより正確に導き出すため、ソーシャルメディアの効果に関わる多数の問題を整理することから始めよう。そして自社で解決できることとそうでないこと、自前のツールでできることと新規のツールが必要なものとに選り分けていくところから取り組んでみてはいかがだろうか。
参考元: 20 Reasons Why Social Analytics Is A Nightmare — And What To Do About It
関連記事: ソーシャルメディアのマルチ利用:マーケターはどう対応すべきか、データから読み解こう! 炎上してからでは遅すぎる!必ず知っておきたいソーシャルメディアのリスクマネジメント
人気記事
関連記事