いいものはシンプルに訴求しよう!ストレートなメッセージが効くプロモーション2例【万年筆・ビール】

デジタルマーケティング
「いい商品なんだけど、思うように売り上げが伸びない」。もしも、そんな悩みを持っているなら、シンプルに商品力を訴求するアプローチはいかがだろうか。
顧客のハートをがっちりとつかむ、ストレートなメッセージが成功した事例をご紹介したい。
「ただ書くだけ」が美しい、万年筆のバズ動画
最初にご紹介したいのは、文具メーカーのパイロットが海外で販売している万年筆、「Namiki Falcon」の事例だ。日本でも、「エラボー」という名前で発売されているので、もしかしたら、愛用している人もいるかもしれない。
同社は、この「Namiki Falcon」の魅力を最大限に訴求するために、以下のような動画を制作した。「いい商品は、何も言わなくても魅力が伝わる」を実感するために、まずは、動画をご覧いただきたい。
Custom Namiki Falcon Resin Fountain Pen HD
動画の尺である4分51秒が、あっという間に終わった人もいるのではないだろうか。
見ての通り、万年筆を使って、「ただ書くだけ」の動画である。ペン先の尖った部分を使ったり、腹を使ったり、ペン先を2つに分けたりしながら、ただ、線や文字を書くだけだ。
しかし、その「ただ書くだけ」の行為が、この動画を見ると非常に美しく、魅力的なものとして映るから不思議だ。文字の形もさることながら、カリカリという書き音までが心地よい。
この動画は、2012年5月に公開されてから世界中で注目され、2014年9月現在で、410万回以上も再生されるというバズを引き起こした。
動画のコメントを見ても、「見ているとリラックスする」「セクシーだ」など、万年筆を訴求したコンテンツとは思えないようなものばかり。いかに、影響が強かったかがうかがえるのではないだろうか。
「銘柄なんか関係ない。とりあえずビールだ!」
次にご紹介するのは、アメリカの飲料メーカーAustin Beerworksが発売する、「Anytime」というビールの訴求事例だ。
このビールの特徴は、名前の通り、「いつでも誰でも、おいしく飲める」万人向けのテイストであること。これを効果的に訴求するために、同社は、以下の写真のようなプロモーションを考え出した。
出典:Newsday/Austin Beerworks, Texas brewery, introduces 99-packs of Peacemaker Anytime Ale
「どこにビールが写っているんだ?」と、思った人もいるかもしれない。なんとこれ、長い箱に収められた、99缶パックのビールなのだ。
ビールは、他のアルコール飲料や嗜好品と同じように、こだわりの銘柄がある人も多い。しかし、バーベキューやパーティなど、大人数でワイワイ飲む場合は、「銘柄なんか関係ない。とりあえずビールだ!」となるのではないだろうか。
そんな時こそ、この商品の特徴である、「万人向けテイスト」の出番だ。同社は、ここに目を付け、大人数専用の商品を開発したのである。
99缶となると、重さも大きさも相当なもの。1人ではもちろん持てないうえに、持ち帰るにしても、相応の車が必要になる。しかし、その労力を差し引いても、この99缶パックに、ニヤニヤしてしまうような魅力があることは、説明するまでもないだろう。
ビールという商品が持っているワクワク感を、シンプルに引き出した好事例と言えるのではないだろうか。
商品力だけで売れる時代は、本当に終わった?
商品力だけではモノは売れない。マーケティングの世界では、そんな風に言われることもある。
しかし、だからといって、商品力がもう役に立たなくなったかと言われると、もちろんそんなことはないのだ。
商品に自信があるなら、ストレートに魅力を訴求するのも立派な宣伝手法のひとつ。あなたの企業でも、今回ご紹介した事例を参考に、シンプルなプロモーションを実践してみてはいかがだろうか。
参考元:?Creative Inspiration: Namiki Falcon Calligraphy?Austin Beerworks, Texas brewery, introduces 99-packs of Peacemaker Anytime Ale
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