アメリカの小売業界を揺るがすショールーミングとは?

EC(Eコマース)

先日の記事(オンラインに顧客を奪わ続けるリアル店舗)で紹介したように、世界的にEコマースの市場が成長し、 EC化率 (小売全体に占めるEコマースの割合)が高まってきている。これは一方で、リアルの小売店の売上をネットが奪っているという事でもある。この背景にあるのは、Showroomingと呼ばれる、消費者の購買行動の変化である。

ショールーミングとは?

今や、消費者が、リアルの店舗で買い物をする前に、モバイルを使ってネットの価格をチェックする、リアル店舗で買わずにネットで購入する事がますます増えている。これはショールーミング(Showrooming)と呼ばれていて、特にアメリカの小売業界において、大きな問題となっている。

スマートフォンで検索する消費者

Pew社の調査によると以下のような調査結果が出ており、ますます、ショールーミングが深刻化している。

リアル店舗を訪問しスマートフォンで検索をする消費者は全体の52%

リアルのショップで購入せずにネットで購入する消費者は、全体の19%

米国の小売事業者が大苦戦

米国のディスカウントストア大手のTargetは、クリスマスシーズンの売上が不振だったことにより利益の下方修正を余儀なくされた。特に、不振が深刻だったのは、家電、DVD、本、CDなどの分野である。これらは2010年は全体の売上の22%を占めていたが、現在は20%に止まっているという。約2%の減少だが、2011年のTargetの年間売上が5.2兆円なので、売上の減少は1000億円規模に及ぶ。さらに、小売全体で見た場合、Eコマースの売上が対昨年度比で15%も増加したのに対して、リアル店舗での売上は、対昨年度比でわずか4.1%の増加に止まっており、リアルの小売事業者が全般的に大苦戦している様子がわかる。

価格競争力で売上を伸ばすAmazon

米国でもAmazonの価格競争力は、圧倒的である。一般的に、Amazonは、Walmartより11%安く、家電量販店大手のBestBuyよりも、8%安いという。これは、Amazonのようなオンライン専業の小売店は、人件費や店舗の運営コストが低く、その分を値下げに回す事が出来るからである。消費者の心理として、安い所で買うというのは自然な行動だと言えるだろう。

まとめ

世界的にEC化が進むなかで、リアルの小売事業者はオンラインに売上を奪われつつあり、特に、米国ではその動きが顕著である。 日本はEC化率が2.5%と、アメリカやイギリスなどに比べると低いものの今後どんどんEC化が進んで行くことが予想される。 日本の小売業にとって、ショールーミングは本当に大きな問題になるだろう。更には、消費者がスマートフォンを使うようになり、QRコードやバーコードで簡単に価格比較ができるスマートフォンアプリなども登場し、ますます小売店にとっては、頭の痛い状況が生まれていくと予想される。

皆さんがリアルの小売事業者だったら、この状況にどのように対応するだろうか?あるいは、このトレンドを利用してビジネス展開をするチャンスが考えられるのではないだろうか?