Amazonプライムのライバル: ShopRunnerが絶好調

EC(Eコマース)

ショップランナーというサービスをご存じだろうか?年会費を払うと、加盟しているEコマース事業者から、送料無料で商品が買えるサービスだ。このサービス、大変好調が伝えられているので、ご紹介したい。

Amazonプライムのライバル: ShopRunnerが絶好調

以下は、2011年11月30日付のForbes.comの記事の翻訳である。

ShopRunnerは、創業1年目の会社で、加盟しているEコマース事業者に対して、Amazonプライムと同様に、送料無料で注文から2日以内に商品を届けるというサービスを提供している。。2010年の10月にβ版のサービスを開始したばかりだが、すでに初年度の取扱高は、1億ドル以上(約80億円)を超える勢いであるという。(実際、Forbesの有望な米国企業ベスト100のリストにおいて、35位にランクされている。)

ShopRunnerは、世界最大のEコマースのアウトソーシング会社GSIコマースの一部門としてスタートした。そして、eBayがGSIを買収した際に、他の数社とともにスピンオフし、独立の会社となった。現在はGSI創設者マイケル・ルービン氏が設立したキネティック社の一部である。(eBayは極めて少ない数の株式を保持している。)

サービスの訴求ポイントはいたってシンプルだ。消費者に対して、Amazon以外のサイトでも、Amazonプライムと同等のサービスを提供するというものである。すなわち、Amazonに無いブランドの商品が送料無料で買う事が出来るものだ。79ドルの年会費がかかるのは、Amazonプライムと同様だ。しかし、Amazonと異なるのは、このサービスは、様々なサイトで利用可能であるとう点だ。現在対応しているのは、約90サイトで、トイザらス、Lord & Taylor、GNCといった有名ブランドや、Drugstore.comやShoes.comなどのネット専業の企業が含まれている。

同社の戦略担当役員のフィオーナ・デービス氏は、ShopRunnerのビジネスモデルはシンプルであると説明する。現在、小売の10%はオンラインショッピングが占めており、Amazonはその中の約10%(小売全体では1%)を占有している。Amazonは、米国のEコマース会社の上位100社の商品を取り扱っていない。

「ShopRunnerは、消費者がお気に入りのブランド商品を諦める事がなく、より簡単にオンラインショッピングを楽しめるようにしているのです」と彼女は今週のインタビューに応えた。また便利な配送サービスに加え、もう1つポイントがある。返品のしやすさだ。ShopRunnerは、USPS(米国郵便サービス)、及び、宅配会社のUPS と新会社を設立し、ReturnRunnerという返品サービスを提供している。消費者は、ウェブサイトで返品ラベルを印刷し、商品を郵便局、もしくは、UPS経由で、小売店に返送する仕組みだ。

ShopRunnerの会員数、売上、利益などの数字は非開示だが、毎月の成長率は、二桁台の後半であるとの事だ。

このビジネスモデルは単純明快だ。ShopRunnerは79ドルの年会費を取り、小売業者の配送コストの一部を補填する。彼らは消費者の購買データを把握できるので、情報が蓄積されると、新たな収益源を生み出すことができるだろう。

Dias氏は今回のクリスマス商戦についてこう語る。

「Eコマースの事業者は、それはもう大忙しですよ。リアルの小売店は、残念な事に余裕が出来るでしょうね」

彼女にによるとクリスマス商戦では、小売全体では前年比3%アップが見込まれているが、Eコマースは、対前年比10%代後半の成長で、大手のEコマースの会社では、対前年比の伸びは、20%半ばに達する見込みだという。

「明らかにオフラインからオンラインへとシフトが進んでいます」

彼女によると、今年オンラインショッピングの急成長を促す要因がいくつかある。まず、タブレット製品の急速な拡がりがある。彼女は、サンクスギビングが、「タブレットの木曜日」に変わると見ている。消費者が、ショッピングモールで買い物をするのではなく、テレビを見ながら、ソファで買い物をするのだ。もう一つの要因としては、近年小売業者が自身のオンラインストアに必要な投資を行い、販売力を付けてきているということだ。O2O(オンラインとオフラインの間で相互送客をする事)も対応が進んでいる。三つめは送料無料サービスが一般的になったということである。

ShopRunnerは、消費者が送料無料サービスに強いニーズを持っていて、79ドルの対価を支払うと考えて、事業展開をしている。

まとめ

どうだろうか?消費者としては、なかなか便利なサービスだと思う。安い商品を探して買おうとしたら、送料が高くて諦めた経験は皆さんもあるのではないだろうか?このサービスが広がるとそのような問題が解決される事になる。一方、加盟店に対しては、送料の一部が補助されるだけではなく、加盟店相互間で相互送客するサービスもあり、売上アップにつながる仕組みがあるようだ。近い将来、日本でも、このようなサービスが出てくるかもしれない。要注目である。

また、米国では、Eコマースの売上が伸び続けているという数字も見逃せない。日本もこのような新しいEコマースのサービスが登場するなどして、Eコマース市場が更に盛り上がっていくのではないだろうか?

出典:ShopRunner: Amazon Prime Rival Sees $100M+ In 2011 Sales

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