マーカーメーカーならではのカラフルでクリエイティブなコンテンツに若者世代が大注目!~「Sharpie」の事例

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングにおいて、ターゲットをティーン世代に絞る場合、どのような戦略が成功するだろうか。

今回ご紹介する事例は、アメリカの最大手マーカーメーカー「Sharpie(シャーピー)」。マーカーメーカーならではの、カラフルでクリエイティブなコンテンツが、今、若者世代にウケている。

Sharpieと言えば、マーカーの代名詞になっているほど、アメリカでは最も使われているマーカーのメーカーである。

ティーン世代をターゲットにする場合:恐るべき敵は、「退屈さ」と「平凡さ」

Sharpieの親会社であるニューウェル・ラバーメイド社のソーシャルメディア・PRディレクター/スーザン・ワッセル氏は、このように話している。「ティーン世代の反応はとても俊敏。ソーシャルメディア上において、彼らをターゲットとする場合の最も恐るべき敵は、「退屈さ」と「平凡さ」」。

Sharpieがソーシャルメディアに投稿する画像は、ほとんどが手書きのイラストだ。

紙以外にも描ける強みを生かして、クッションに「ダイダイ染め」風に色を塗る、iPhoneケースに幾何学模様を描くなど、「ペンは、紙に描くもの」というイメージを払拭し、「ペンでこんなこともできるのか!」と、ユーザーに思わせる。

手軽にチャレンジできそうなアイデアに添えられたSharpieのマーカーを見ていると、「Sharpieのペンさえあれば、私にもできるかもしれない」と、潜在的なクリエイティブ精神を刺激する。

また、新製品のネオンカラーのマーカーも多く取り上げている。

蛍光ペンと言えば、学校の教科書に線を引くものというイメージだった。しかし、イラストに使ってみれば、流行のネオンカラーは、何ともポップでカラフルな色使い。見ていて楽しくなってくる。

ティーン世代, Instagram, Facebook, ソーシャルメディア,Sharpie?出典:SharpieのFacebookページに投稿された画像

自分の作品が、カバーフォトになるかもしれない? Facebookの参加型のキャンペーン

さらに最近、SharpieのFacebookページでは、「ファン・オブ・ザ・ウィーク」キャンペーンを行っている。

Sharpieのマーカーを使用した作品と、その作品をつくった「Sharpieの新しいファン」である若者の顔写真を、週替わりで、公式アカウントのカバーフォトにするというものだ。

これはFacebookか公式サイトに作品の写真と顔写真を送るだけで、アーティストではなくても、だれもが参加できる企画だ。

ティーン世代, Instagram, Facebook, ソーシャルメディア,Sharpie?出典:SharpieのFacebookページより「ファン・オブ・ウィーク」キャンペーンのカバーフォト

ニューウェル・ラバーメイド社のSharpieマーケティングディレクター/ライアン・ラウス氏は、「その創造性とエンゲージメントは、自社の市場において、予想以上の反響だった。ティーン世代は、我が社の製品をカスタマイズし、自分なりの使い方をして楽しんでくれている。それが、コンテンツを生み出している」と語る。

SharpieのFacebookページにおいて、フォロワーの86%が13~24歳の若者世代。2014年8月末時点で、「いいね!」は、400万件を超えている。

Instagramのフォロワー数が、19カ月で2.3倍に

かつて、ティーン世代にとって、「一番大事なソーシャルメディア」だったFacebook。

しかし、アメリカのティーン世代(13~17歳)のFacebookユーザー数は、2011年に比べ、300万人減少したという調査結果が2014年1月に発表された。「新たな10代が、Facebookに登録しなくなった」といわれている。

そこでSharpieが次に目をつけたソーシャルメディアは、Instagramだ。

2013年1月に、4万9966人だったInstagramのSharpieのフォロワー数は、2014年8月には、2.3倍以上の11万8459人になっている。

ティーン世代, Instagram, Facebook, ソーシャルメディア,Sharpie?出典:SharpieのInstagram

PR・ソーシャルメディア・アソシエート・マネージャー/Instagram担当のホイットニー・ケリー氏は、このように話している。「有機的に、フォロワー数が増えている。コンテンツを通して若い世代のファンに、Sharpieとはどんなブランドなのか、また、Sharpieの社員が、いかにマーカーや製品に情熱を持っているかを知ってもらう、きっかけになっている」。

動画コンテンツにも力を入れる

Sharpieが、もうひとつ力を入れているのが「動画」である。前述のラウス氏は、「ティーン世代が高くエンゲージメントしているため、動画のコンテンツを重視している」という。

Sharpieのマーカーを使用したことのある若手のアーティストのインタビューや、Sharpieのマーカーを使用して簡単にできるDIYのレクチャー動画など、さまざまな視点から動画を作成しており、再生回数は、着実に伸びている。

Sharpieのマーカーを使用して紙コップに作品を描く若手アーティストのインタビュー(Sharpie Presents: Coffee Cup to Canvas)

2012年の「バック・トゥ・スクール」キャンペーンでは、シカゴ出身のロックバンド、カルフォルニア・ワイブスの「パープル」とのタイアップでミュージッククリップも作成し、その年のMTVビデオ・ミュージック・アワードの「60秒スポット」にも採用された。

このキャンペーンによって、マーケットシェアは、全体の89%にも上った。ティーン世代が、ソーシャルメディアに反応した証だ。

シカゴ出身のロックバンド、カリフォルニアワイブスのミュージッククリップ(Sharpie Presents: Sharpie Music Video ft. California Wives《FULL Version》)

まとめ

Sharpieのコンテンツは、マーカーメーカーだからこそできる、さまざまなアプローチで、ティーン世代を中心に多くのファンを魅了していることがわかった。

掲載画像や動画の多くには、こんなフレーズが書かれている。「Sharpieをつかんで何かを始めよう」。

今のティーン世代に必要なことは、このような、突き動かされるようなメッセージなのかもしれない。

参考元:?3 Ways Sharpie is Engaging Teens With Social Media?How Sharpie Is Making Its Mark on Social Media?Facebook Sharpie?Instagram Sharpie

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