犬のトレーニング動画を配信し、ローカルビジネスを全国規模にまで発展させた「Service Dog Academy」

コンテンツマーケティング

Service?Dog?Academyは、シアトルにある犬の訓練学校。介助犬のトレーニングだけでなく、ペット犬のしつけも行う。

子犬から成犬までが対象で、小グループのクラスからプライベートレッスンまで用意されている。また、これまでに はなかった自分の糖尿病警告犬をトレーニングするプログラムを提供しているのもユニークだ。

実はこの学校、初めは生徒がほとんどいないローカルビジネスだったのだが、全国規模にまで発展させることに成功している。

この、コンテンツマーケティングのお手本と言えるような事例を詳しく見ていこう。Service Dog Academy?Service Dog Academy,動画,コンテンツ

犬のトレーニング動画を配信

Service?Dog?Academyの設立者であるMary?McNeightさんが行ったのは、犬のトレーニング動画を作成すること。そして、2010年からシリーズとしてYouTubeで配信し始めた。

YouTubeチャンネルの総再生回数は、現時点(2014年7月)で約5万4000回。ほとんどが10分未満のわりと短いものだが、各動画の内容はとても濃い。

例としてこちらの動画をご覧いただきたい。「Have A Dog With Thunderstorm Phobias?(あなたの犬は雷恐怖症?)」というタイトルだ。約4分の短い動画なのに、雷や嵐を怖がる犬のための対策を3つも教えてくれる。

Service Dog Academy~Have A Dog With Thunderstorm Phobias?

こちらの動画「How?to?easily?teach?your?dog?to?bite?you?softly(飼い主をやさしく噛むようにしつける方法)」はさらに短いが、十分なるほど! と思わせる内容である。

Service Dog Academy~How to easily teach your dog to bite you softly

ちなみに、初期の動画にはほぼコストがかかっていないらしい。

低価格のビデオカメラFlip Videoと、ノートパソコンにインストールされていたソフトを使っていたからだ。確かにService Dog Academyの動画を見ると、手の込んだものは必要ないなと思ってしまう。それだけ、内容のレベルが高いからだ。

人の役に立つ情報を提供できれば予算は関係ないということを再認識させられる例である。

動画以外のコンテンツ

犬のトレーニング法の配信形式は、動画だけではない。

トップページの「Free?Training?Advice」からブログに飛ぶと、犬のトレーニングに関するアドバイスを閲覧できる。テキスト版のコンテンツも用意されているということだ。無料のニュースレターも提供している。

内容は犬のトレーニングについてのアドバイス、新しい動画の告知、イベントやウェビナーの情報などだ。

ちなみに、ニュースレターの登録フォームが設置されているのは各ページの一番下。Webサイト全体にはグレーブラウンの背景、文字色には白とオレンジが使われている。

名前とメールアドレスの入力欄は白なので、登録フォームがとても目立つデザインであることも参考になるかもしれない。

勝因その1:気づき

Service?Dog?Academyの成功要因として第一に挙げられるのは、Mary?McNeightさんによる気づきだろう。

彼女が犬のトレーニング業を始めたきっかけは、地元周辺で愛犬を介助犬に育ててくれるトレーナーを見つけられなかったこと。それで自分でやることにしたわけだが、言い換えるとビジネスチャンスに気づいたわけである。

もう1つは、まだ解決法がオンラインで提供されていない問題に気づけたことだ。つまり、犬のトレーニング法をインターネット上で公開している人は誰もいなかったのである。これは、競合との差別化を可能にするコンテンツの気づきと言えるだろう。

勝因その2:低コスト

前述のとおり、動画コンテンツにはほとんどコストがかかっていない。

予算がないビジネスでも実践可能なコンテンツマーケティングのメリットをフルに活用している。

現在、Mary?McNeightさんは400ドルのHDビデオカメラ、20ドルのマイク、ノンリニア編集ソフトのFinal?Cut?Pro、照明器具を使っているそうだ。しかし、今のところ動画制作にプロを雇って何千ドルもかけるつもりはないようである。

勝因その3:無料で提供

犬のトレーニング業界で他の会社が情報の無料提供を躊躇する中、Mary?McNeightさんはあえて無料で公開した。

価値のあるコンテンツを無料で見込み客に提供する、というコンテンツマーケティングの基本をしっかり押さえている。

勝因その4:ペルソナの定義

コンテンツマーケティングにおいて、見込み客像を定義しておくのが重要であることはご存知のとおりだ。

Service?Dog?Academyがターゲットとするペルソナは、ペット犬の飼い主、介助犬の飼い主、そして自分用の糖尿病警告犬を訓練したい人たちである。

勝因その5:コンテンツマーケティング

Mary?McNeightさんのプロフィールには、数々の認定や経験などドッグトレーナーとしての輝かしい経歴が並んでいる。

また、彼女が使っているメソッドは米動物愛護協会によって認められていることも記されている。

しかし、これらの情報、言葉の羅列だけだったとしたら、見込み客からの十分な信用を得られただろうか?

やはり、最大の勝因はコンテンツマーケティングを取り入れたことだろう。

「見込み客の役に立つ情報を発信して信頼を得る」という、基本を忠実に実践することで成功を手にしたのである。

参考元:?Content marketing and video showcase expertise and drive tons of business?Service Dog Academy

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