昔はSEOで見かけたブラックハットSEO対策、ワードサラダとは?

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以前は有効だったものの、検索エンジンの進化に伴い今では効果のなくなってしまったSEO対策は多々ありますが、ワードサラダもそのなかのひとつです。現在はあまり見かけなくなった手法ですが、ワードサラダとはどういったものなのか、そしてSEO対策としてワードサラダがNGである理由について考察していきます。

意味がわかるようでわからないワードサラダとは?

SEO対策の一つとして多くの外部リンクを集める施策があります。現在は質の低いWebサイトからどんなにリンクを得たとしても、それが評価につながることはほぼなくなりつつあります。むしろ短期間で大量の外部リンクを集める行為は違反行為となるケースもあります。しかし以前はとにかく大量の外部リンクを集めれば検索結果の上位に表示されることも少なくありませんでした。

もちろん質が低いとはいえ外部リンクを大量に集めることは簡単ではありません。そこで考えられたのが自前で大量にコンテンツを作成し、そこから外部リンクを貼る方法ですが、ここでコンテンツを大量につくる手段として用いられているのが文章の自動生成ツールです。これであればそれほど手間をかけることなく、自前で短時間に大量のコンテンツ作成し、そこから外部リンクを貼ることが可能になります。

ただし自動生成ツールで作成したコンテンツは、文法自体は間違っていないものの文章としては支離滅裂で、人間が読んでもまったく意味がわかりません。この人間が読んでも意味が通じない支離滅裂な文章が、統合失調症や認知症患者に見られる言語障害を意味するワードサラダに似ていることから、自動生成ツールで作成されたコンテンツをワードサラダと呼んでいます。

ワードサラダをつくりだすマルコフ連鎖と形態素解析

自動生成ツールで作成されるコンテンツの文章が支離滅裂なものになる主な原因は、マルコフ連鎖と形態素解析という仕組み、思考を使用して生成されていることにあります。それぞれの特徴は次の通りです。

マルコフ連鎖

過去の内容は問わず、現在の値のみで未来の挙動を決定する確率統計モデルです。これにより現在の値を一定の出現率で並び替えるアルゴリズムを作成できます。

形態素解析

ある文章を単語のまとまりの最小単位まで分割する技術を形態素解析といいます。例えば「私は明日学校を休みます」という文章を形態素解析してみると次のようになります。

私|は|明日|学校|を|休み|ます

自動生成ツールの多くはこの2つの仕組み、思考を使って文章を作成します。具体的な例を見てみましょう。

  1. 私は明日学校を休みます
  2. 休日は海へ遊びに行きます
  3. いつかアメリカに行くのが夢です

この3つの文章をそれぞれ形態素解析すると次のようになります。

私|は|明日|学校|を|休み|ます

休日|は|海|へ|遊び|に|行き|ます

いつか|アメリカ|に|行く|の|が|夢|です

そしてこれをマルコフ連鎖で並び替えると、例えば次のような文章ができあがります。

私はアメリカに休みます

休日は明日行くのが学校です

いつか海へ夢を遊びに行きます

このように一見、おかしくないように見えていざ読んでみるとまったく意味の通じない文章ができあがります。これこそがワードサラダです。

ワードサラダがSEO対策としてNGな理由

ワードサラダがSEO対策としてNGになる大きな理由は次の2点です。

人間が読んでも意味が通らず、無益なWebサイトが増えるから

そもそも検索エンジンは、ユーザーにとって有益な情報を提供することが第一義です。人間が読んでも意味が通らないワードサラダが増えても無益なだけで何の価値もありません。

システムを使い大量にワードサラダを生成することで意味のない外部リンクを増やすから

ワードサラダが生成される最大の要因は、大量の外部リンクの獲得です。1つのWebサイトが検索上位に表示されるため、数千数万のワードサラダが生成されます。さらに場合によっては生成されたワードサラダのコンテンツが検索結果の上位に表示されてしまうこともありえます。これは検索エンジンにとっても、ユーザーにとっても不利益でしかありません。そうしたことから、ユーザーが検索を行った際、無益なWebサイトを表示することを避けるため、ワードサラダはNGになっています。

自身がワードサラダの被害に遭わないためには?

前項でも触れたように以前であれば、ワードサラダのコンテンツであっても外部リンクとして認められ、検索結果の上位に表示されることも少なくありませんでした。なぜ意味が通じない文章ばかりのコンテンツがページとして評価されていたのかといえば、以前の検索エンジンが文章の意味までを完全に理解できていなかったことにあります。しかし最近では技術の進化により、以前に比べ100%とはいえないものの、そうしたページが評価されるケースはほぼなくなっています。

通常、コンテンツ作成が内製であれば、ユーザーにとって有益なコンテンツを作成するほうが、わざわざ大量に意味のないコンテンツを作成し、外部リンクを貼るよりも手間もかからず効率的です。そもそも質の高いコンテンツをつくれば必然的に質の高い外部リンクがつく可能性も高まるからです。であれば、わざわざ検索エンジンからスパム判定されてしまうリスクを冒してまでワードサラダを生成する理由はないように思われるかもしれません。ただそれはあくまでもWeb制作からSEO対策までそのすべてを内製で行っている場合で、問題はSEO対策を外部に依頼している場合です。

SEOを専門に行っている業者は、SEO対策においては専門的な知識を持っていますが、依頼された企業の業務や商品に対しては必ずしも専門的な知識があるわけではありません。もちろん多くのSEO業者は、依頼された企業の業種や商品の性質を調査、確認しユーザーにとって有益なコンテンツを作成することに注力します。しかしなかにはいまでもブラックハットSEOを当たり前のように使っている業者も存在します。

そのため、SEO対策を外部に依頼している場合は、知らない間に自社のWebサイトがブラックハットSEOを使ってしまっているケースも考えられます。これを避けるには、業者選定の際に周囲の評判を確認することももちろんですが、依頼後もGoogleのSearch Consoleを使い、自社のWebサイトにおかしな外部リンクが貼られていないかのチェックは定期的に行うようにしてください。そしてもしそうした外部リンクを見つけたら、すぐにそのリンクを外すよう、手配することが重要です。

SEO対策を外部に依頼する場合でも任せっきりにしないことが重要

自社にSEO対策を行う専門の部署や担当者がいればNG行為が起こるリスクも少ないかもしれません。しかしSEO対策は外部に依頼しているといった場合は注意が必要です。多くの場合、外部に依頼するということは、自社のリソースが足りないからこそであり、当然ながら依頼した部分にかんしては、任せっきりになってしまいがちです。

現在、多くの企業にとってWebサイトは自社の顔ともいえる存在であることが多く、そこで問題が起きてしまい、検索結果に表示されなくなってしまっては、大きな損失となってしまいます。そうしたことを防ぐためには、できるだけ自社内でSEO対策を行うこと、それがどうしても無理な場合は、SEO会社の選択をしっかり行い、そのうえで定期的にワードサラダを始め、NG行為がなされていないかのチェックを怠らないことがポイントといえます。