WordPressはその構造上、SEOに強いと言われ、個人だけではなく企業や団体での利用も増えています。しかし、WordPressを活用すれば必ずSEOに強いWebサイトが構築できるかといえばそうではありません。むしろ利用者が多いからこそ、しっかりとしたSEO対策を行わなければWordPressの強みを生かせないでしょう。そこで今回は、WordPressでWebサイトを構築する際のSEO対策についてお伝えします。これからWordPressでのWebサイト構築を検討している企業担当者の方はぜひ、参考にしてください。
WordPressとは?
WordPressとは、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の一つで、Webサイトやブログの構築を行えるソフトウェアです。WordPressは、オープンソースでつくられているため、基本無料で利用できる点、HTMLやCSSの知識が少なくても記事の更新が容易にできる点などが大きな特徴といえます。
2022年2月3日現在、全世界のWebサイトにおいてWordPressで制作されたWebサイトの割合は43.2%。CMSだけのシェア率では61.5%と圧倒的なシェアを誇ったCMSです。
参照:Usage statistics of content management systems|W3Techs(2023年2月3日現在)
WordPressのシェアが高いもう一つの理由は、SEOが強いと言われている点にあります。具体的には、検索エンジンのクローラが巡回しやすい構造である点、SEOを強化するプラグインが豊富に揃っている点が挙げられます。まったくゼロからWebサイトを構築するのに比べ、つくりやすくSEOに強い点などが評価され、世界中で多くのユーザーが利用しているのです。
SEOに強いWordPressがSEO強化をするべき理由
そもそもSEOに強いのであれば、それ以上に強化する必要はないと思われるのではないでしょうか。しかし、単純にWordPressを導入すればSEOが強化され、検索結果で上位表示されるわけではありません。ここではWordPressでSEOの強化がなぜ、重要なのかについて解説します。
- 競合との差別化につながるため
前述したように、全世界の40%を超えるWebサイトの構築にWordPressが使われています。これだけ多くのWebサイトでWordPressが使われているとうことは、競合も使用している可能性が高いといえるでしょう。そのため、WordPressを使っているだけでは、SEO対策において競合に対する優位性はほぼなく、差別化を図るにはさらなるSEOの強化が必要といえます。
- 「SEOに強い」と「検索結果上位表示」はイコールではないため
検索エンジンのクローラが巡回しやすい構造であることやSEO対策につながるツールが多いことは、SEOに強いことの理由です、しかし、それが必ずしも検索結果上位表示につながるわけではありません。
たとえば、WordPressはHTMLの知識に乏しくともブログを書く感覚で記事の更新が可能です。ただ、書き方によっては、検索エンジンのクローラが理解しにくいHTMLになっている場合もあります。画像のALT属性を入れずに公開しているかもしれません。
一つひとつが検索結果に大きく影響するわけではありませんが、重なっていけば評価が下がってしまう可能性もありえます。
WordpressにはSEOに対応する機能やプラグインがあるものの、実際の運用では自分で意識してさらなるSEOの強化を行わなければ、検索エンジンの上位表示は難しいといえます。
SEOを強化するためのプラグイン
SEOを強化するのは、さまざまな施策が考えられますが、WordPressを使うのであれば、プラグインの活用は欠かせません。ここでは、SEOを強化するためにおすすめのプラグインを紹介します(下記で紹介している機能は基本的に無料版のものです)。
All in One SEO
All in One SEOとは、2007年にリリースされ、2023年3月時点ですでに300万以上のユーザーが利用している人気のSEO対策プラグインです。
タイトル・ディスクリプション・キーワードの設定、XMLサイトマップの作成・登録といった基本的な機能に加え、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールの設定・登録、TwitterやFacebookなど各種SNSとの連携設定などもすべてWordPress上で行えます。
Yoast SEO
Yoast SEOとは、主にWordPressの内部SEO強化を目的としたプラグインで、2023年3月時点で500万以上のユーザーが利用しています。
主な機能としては、コンテンツのSEO解析、XMLサイトマップの作成・登録、パンくずリスト、構造化データ、内部リンクの可視化などです。もちろん基本となるタイトルタグやメタディスクリプションの設定も行えます。
より詳細なSEO対策を求めている人にとっては、All in One SEOよりもYoast SEOがおすすめです。
SEOPress
SEOPressは、利用者数自体は20万と上記2つのプラグインほどではありませんが、WordPressでSEO対策を行うには十分な機能を有しています。
主な機能としては、基本機能のほか、GoogleやBingへのインスタントインデックス化のサポート、特定のキーワードでのコンテンツ分析、モバイル/デスクトップのGoogleプレビュー表示、投稿・固定ページ、カスタム投稿でのリダイレクトなどがあります。
UIがシンプルなため、初心者の方でも操作しやすいのもメリットで、わずか数ステップで基本的なSEO対策が可能です。
Rank Math SEO
Rank Math SEOとは、All in One SEO、Yoast SEOと並び、世界的に人気の高いSEO対策プラグインです。2023年3月現在、100万以上の利用者がいるプラグインで、さまざまな機能を活用し、SEO対策を行えます。
基本的な機能に加え、インスタントインデックス、コンテンツAI、内部・外部リンク設定、18種類のスキーマ設定、AMPページの最適化などが活用可能です。
また、Basic SEOとして、投稿・固定ページのコンテンツをスコアリング評価する機能もあり、コンテンツ作成時にSEO評価の目安としても活用できます。
XML Sitemaps
XML Sitemapsは、WordPressで作成したページを公開・更新する際、自動でXMLサイトマップを生成し、Google、Bing、Yahooなどに更新通知することを主としたプラグインです。
SEO対策を進めるうえで、XMLサイトマップの作成・更新・通知は欠かせないものの一つのため、簡単な設定で後は自動化できるXML SitemapsもSEO対策におすすめのプラグインといえます。
WordPressでSEO対策を行う際の注意点
WordPressでSEO対策を行う場合、いくつか注意すべき点があります。主なものは次のとおりです。
セキュリティ対策も怠らない
特にビジネス目的でWordPressを使用する場合、SEO対策を重視するのはもちろん大切ですが、同時にセキュリティ対策も怠らないようにしましょう。
WordPressは、利用者が多いことからハッカーに狙われやすいというデメリットがあります。WordPressもプラグインも定期的に更新して常に最新のバージョンを使う、管理画面にログインする際はBasic認証をかけるなどの対策は必須です。
また、プラグインを必要以上にインストールしないことも欠かせません。プラグインの脆弱性を狙った攻撃も多く、複数のSEOツールを入れそのまま使わないでいると攻撃に遭うリスクが高まります。
SEO対策が施されたテーマを使用する
テーマとは、Webサイト全体のテンプレートを指すもので、WordPressには有料のもの無料のものなどさまざまなテーマが用意されています。テーマは主に見た目のデザインを意識して選択しますが、SEO対策がほどこされているかどうかもしっかりチェックしましょう。
もちろん、SEO対策が施されているから上位表示が実現するというわけではありません。ただ、検索エンジンのクローラがより巡回しやすいテーマを選択すれば、SEO対策も行いやすくなるのは確かです。
具体的には、レスポンシブ対応か、高速化の機能があるか、canonicalやパンくずリストの設定ができるかなどはしっかりと確認して選択しましょう。
SEOの強化でWordPressのメリットをさらに向上させよう
以上のように、WordPressを使ってWebサイトを制作する際は、SEOの強化が欠かせません。競合との差別化を図り、検索結果の上位表示を狙うためには、適切なプラグインの活用とともに、セキュリティ対策にも気を配る必要があります。
株式会社イノーバでは、WordPressを使ったWebサイト制作とSEO対策のコンサルティングを提供しています。豊富な実績と知見を持つ私たちが、御社のビジネス成長をサポートいたします。WordPressのSEO強化についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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FAQ
Q. WordPressを使えば自動的にSEO効果が高まりますか?
A. WordPressはSEOに有利な構造を持っていますが、プラグインの活用や適切な運用がないと十分な効果は得られません。記事の更新頻度を上げたり、セキュリティ対策を施すなど、継続的な取り組みが大切です。
Q. WordPressのSEO対策に役立つプラグインを教えてください。
A. 代表的なものとして、All in One SEO、Yoast SEO、SEOPress、Rank Math SEO、XML Sitemapsなどがあります。サイトマップ作成やメタタグ設定など、SEOに必要な機能を備えています。
Q. WordPressのセキュリティ対策として何をすべきですか?
A. 定期的なバージョンアップ、不要なプラグインの削除、管理画面へのBasic認証設定などが基本です。その他、SSLの導入やバックアップの実施、脆弱性診断などにも取り組みましょう。
Q. SEOに強いWordPressテーマの選び方は?
A. レスポンシブデザイン対応、表示速度が速い、パンくずリストやcanonicalタグに対応しているかどうかなどをチェックしましょう。有料テーマの場合は評判もよく確認します。無料テーマでもSEOに配慮した優れたものはあります。
Q. WordPressでSEO対策をする際の注意点は何ですか?
A. プラグインを入れすぎないこと、セキュリティ対策を怠らないこと、モバイルフレンドリーに対応することなどが挙げられます。また、根本的に大切なのはユーザーファーストの姿勢です。誇大表現をするなどSEOのためにユーザー満足度を損なうことのないよう注意しましょう。