やっぱりスゴい、動画の効果!トイレットペーパーの芯でエンパイアステートビルを建てた「Scott Naturals」に注目

コンテンツマーケティング
「消費者の心に届くコンテンツをつくるには、視覚に訴えることがとても大事」というのは、コンテンツマーケティングに注目している者ならば、飽きるほど耳にしていることだろう。
- 文字とビジュアルで比較した場合、コンテンツが脳に到達するのは、ビジュアルの方が6万倍速い
- ランディングページに動画を設置した場合、コンバージョン率は、なんと8割増
- 6割以上の消費者は、商品の解説やカスタマーサービスより、明確で詳細な画像に重点を置いている
(出典:10 Reasons Visual Content will Dominate 2014)
上記をはじめ、画像や動画の重要さを表すデータは、いたるところで発見できる。
そこで今回は、アメリカの大手メーカーScottが、新商品の「芯のないトイレットペーパー」のアドとして発信した、「Scott? TV — Toss the Tube for Good :30」に注目したい。
トイレットペーパーというありふれた日用品に、再度注目を集めるためにつくられたこの動画。30秒という短い時間のなかに、伝えたいメッセージをきっちり詰め込んだ、アピール力の高さを再確認しよう。
伝えたいことは何かを絞り込む
いくらビジュアルアドが効果的といっても、視聴者に、「で、結局なんだったの?」と思われては仕方がない。限られた時間のなかで、自分が伝えたいメッセージは何かを、しっかり絞り込むことが大切になるのだ。
まず、以下の動画を見てほしい。
Scott? TV — Toss the Tube for Good :30
Scottが消費者に伝えたいのは、「トイレットペーパーの芯にサヨナラ」をするという決断。
「なぜなら、それは資源の無駄だから」という、明確で伝わりやすい理由と、「どれだけ無駄なのか」という事実を添えることで、こういった決断をした自社のブランドイメージをアピール。他社より一歩リードするのに、一役買っている。
ビジュアルだから伝わる意外性
基本的に、トイレットペーパーは、どのブランドのものでも大差なく見えるものだ。「芯をなくしました」と言われただけでは、実際、「ふ~ん、そうなんだ」という、曖昧なリアクションになってしまうのは仕方がない。
そこでインパクトを与えるべく、Scottが考えだしたのは、トイレットロールから取り除かれた芯で、エンパイアステートビルという世界的に有名な建物をつくり上げることだ。コロコロと軽快な音をたてながら、次々と積み上げられる芯は、見ている側に、「お~!」という驚きを与えてくれる。
おまけに、1年間にアメリカで捨てられる芯で、なんと、このビルが2本建てられるというではないか。この驚きは、やはりビジュアルで、その高さと壮大さを実感するからこそ効果的なのだと思う。
さらに、動画の最後には、実際に芯のないトイレットペーパーも登場する。芯がない以外は、全く普通のトイレットペーパーと変わりがない姿。そして、質も変わらないことをナレーションで教えてくれる。
この動画を見た人々は、「なんだ……トイレットペーパーの芯って、いらないものなんだ!」と、迷わず納得できる。この動画は、それだけの説得力を持っているということだ。
実物で伝える迫力
この商品の発売とともに、マンハッタンで開催されたイベントでは、芯でつくられた、9メートルのエンパイアステートビルのレプリカが披露された。縮小版とはいえ、「実物」を見せることで、人々にさらなる迫力を伝えることを目的としているのだろう。
また、普段何気なくゴミ箱に捨てている芯を、こうやって目の当たりにすることで、「あぁ、あれって、こんなに無駄なものなんだな」という、意識の改革にもつながるのではないだろうか。
それが、「芯は必要ない。だったら、Scott Naturals Tube-Freeを使おう」と、コンバージョンにうまくつなげられる仕組みとなっている。
イベント終了後、レプリカは、マンハッタン子供博物館へと寄付される。「子供たちにも、“資源の大切さ”や“リサイクルの大切さ”を教え、小さなステップが、大きな未来へとつながることを教えていきたい」との意向だそうだ。
イメージ革命を起こせ!
100年以上も続いた、「トイレットペーパーの中には、芯がある」というステレオタイプのイメージ。そのイメージに革命を起こすべく立ち上がったのが、今回紹介したScottである。
「トイレットペーパーは、所詮トイレットペーパー」
そう考えている人々に、「おっ?」「ちょっと待った!」「そうなの?」と興味を抱かせ、商品の特長を、100パーセントポジティブに捉えさせることに成功したこの動画。
“Seeing is Believing(百聞は一見にしかず)”を証明する、好例と呼んで間違いないだろう。
参考元:?Scottbrand.com?Could Scott Naturals Be Even More Environmentally Friendly??Scott Naturals? Tube-Free Bath Tissue Now Available Nationally?10 Reasons Visual Content will Dominate 2014
関連記事:?ここまでやるか!というぐらい徹底したコンテンツマーケティング海外事例:コーヒーブランド「Has Bean Coffee」?紙面とWeb版でここが違う!イタリア日刊紙は動画コンテンツが満載?“予想外”がカギ!2014年上半期でバイラルした動画ベスト5?LEGOに学ぶ、自社ファンを継続的に生み出す秘策
人気記事