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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 7:28:541 min read

営業管理の徹底と効率化で、チーム全体の成果を高めよう

営業の現場では、もはや従来のように会社の商品やブランド、個人の営業スキルだけでは売上を上げることが難しくなってきています。そこで営業組織全体として成果を高めるために、多様な項目の指標をチェックする「営業管理」の考え方の重要性がますます高まっています。

そこで本記事では、営業管理がいま特に必要になっている理由を解説したのちに、営業管理でチェックすべき主な指標をご紹介します。

営業管理とは

営業管理とは、「企業の年間目標を達成するために自組織がどれだけの目標を達成すべきかを明確にしたうえで、目標達成のための戦略をつくり、戦略を実行するための営業プロセスや行動計画を策定し、メンバー一人ひとりの行動プロセスをチェックし改善すること」をいいます。

営業部門のメンバーはその立場を問わず、基本的に設定した目標と現状を常に把握し、より目標に近づくための取り組みを実施します。そして、主に営業部門責任者または責任者のアシスタントが、営業管理の役割を担う立場として、営業部門全体の各種数値を分析したり行動を管理したりしたうえで、メンバー一人一人の行動を最適化します。

営業管理の必要性が強くなっている背景

これまで以上に営業管理が必要になっている背景のひとつに、従来型の営業スタイルが通用しない時代へと変化していることがあげられます。

少子高齢化や内需の伸び悩みのあおりを受けて、昨今のセールス現場では、顧客も営業に勧められるがままに商品やサービスを購入する現場は滅多に見られません。従来型の営業スタイルのように、「豊富な機能を持つ商品である」「最新鋭のサービスである」など自社の強みを羅列するだけでは、顧客は商品やサービスを選ばなくなってきているのです。

なぜ、従来型の営業スタイルが通用しなくなったのか?

従来型の営業スタイルが通用しなくなった主な理由は、次の3点です。

1.厳しい顧客要求への対応が困難

ある商品やサービスの購買を検討する際、今の顧客は最初から自身でWeb検索などをして比較検討を進めています。従来であれば営業担当者が顧客に教えていたような情報を、今の顧客は既に入手している場合が多いのです。そのため、顧客は営業担当者が進めた商品をそのまま購入するケースは減っててきています。その代わり、他社との違いや具体的な導入シミュレーションなどを事細かに確認するようになっています。

2.特定の個人に依存した営業組織体制でノウハウ継承が困難

常に上位の成績を出し続けるトップセールスや、長年にわたり第一線で活躍してきたベテランが主軸となっている組織では、将来的にトップセールスが他社に転職したり、ベテラン社員が定年退職したりすると途端に弱体化する懸念があります。

ビジネスのスピードが今よりも緩やかな従来型の営業スタイルの時代であれば、トップセールスやベテランが後輩に自身のノウハウを丁寧に指導する時間を持ちやすかったかもしれません。しかし今は、教える方も教わる方もこうした時間を確保しにくくなっているため、ノウハウが継承されないままになっているケースもあります。

3.「モノ売り」から「ソリューション提供」へのシフト

営業に求められる役割は、単に自社の商品やサービスを紹介する「モノ売り」から、顧客のニーズを的確に読み取ったうえで期待を上回る解決策を示す「ソリューション提供」へと変化しています。営業メンバーは各社のニーズに合わせたソリューションを提供するために、提案に多くの時間を費やさなければなりません。同様の状況に陥るメンバーが増えると、営業組織全体での提案数は減ってしまうため、売上目標未達が慢性化してしまうかもしれません。

「モノ売り」を脱却し、「ソリューション提供」を実現するために

従来型の営業スタイルが通用しない状況であることを踏まえて、営業組織全体の成果を高める方法としてどのようなことが考えられるでしょうか。少なくとも、営業メンバー一人ひとりの努力に依存するだけでは、営業組織全体で売上目標を達成することは相当難しそうです。

そこで営業部門の責任者やリーダークラスの方に考えていただきたいことが「営業管理」なのです。各種指標定めたのち、メンバー一人ひとりの進捗や実績を定期的にチェックし、改善策を実行し続けるといった営業管理のサイクルを回していくとよいでしょう。営業管理は、営業組織全体として成果を高めるための仕組みづくりとも言い換えることができます。

営業管理でチェックすべき指標

営業管理をするうえで定期的にチェックすべき指標は次の通りです。

売上目標・実績管理

まず、会社からの提示などを経て決められた売上目標を自組織で達成するための計画を策定します。自組織の年間目標を月次単位に落とし込み、さらに各メンバーに対して割り当てていきます。また、前年度からのリピートが見込める顧客については、あらかじめ売上見込金額を考慮に入れて売上目標を定めるとよいでしょう。

日々の業務では、メンバー一人ひとりが自分が売上目標に対してどれだけの達成度であるかを意識して行動する必要があります。売上目標と実績で差分が発生していれば、その差分が発生し理由を考え、差分を埋める(または、さらに広げる)ためにどのような対策ができるかを考え、実行します。

営業部門の上司や責任者は、常に組織全体の売上目標と実績、およびこれらの差分に着目しておかなければなりません。目標達成が難しそうなメンバーがいたら声をかけて一緒に対策案を考えるなど、組織全体で売上目標を達成するためにさまざまな行動をすることが求められます。

具体的な指標の例としては「受注売上」「受注売上単価」「平均取引金額」などがあげられます。

図1:営業組織全体の売上目標を、メンバー一人ひとりの特性などを考慮してブレイクダウンする

案件進捗管理

売上目標を達成するためには、案件を受注する必要があります。では、どの案件をいつ受注するのかを戦略立てて計画し、その計画に沿って、受注に向けて各案件を具体的に進めていきます。

案件進捗管理をする際には、以下の案件情報を早い段階で確保することが大切です。営業部門だけでなく、マーケティング部門やインサイドセールス部門とうまく連携できると、より早く正確な情報を獲得しやすくなります。

  • 案件名(顧客、プロジェクト名など)

  • 導入予定時期

  • 予算

  • 案件担当者と決裁者

  • これまでの行動履歴(マーケティング、インサイドセールス部門含む)

  • 直近の行動予定

  • 案件受注までの計画

具体的な指標の例としては「担当顧客件数」「進行中案件数」「提案件数」「受注件数」「商談成約率」「受注期間(リードタイム)」「新規獲得案件数受注売上」などがあげられます。

行動実績管理

各案件に対してどのように行動を取っているか、所要時間も含めて分析します。また、成約案件数や受注金額とクロス集計して、実際の行動内容や行動量に過不足はなかったのか、もし不足があった場合、次回からどのような改善をすれば良いかを検討します。
「売上目標・実績管理」と「案件進捗管理」の指標のみを見ていては、「なぜ受注できたのか(できなかったのか)」といった一歩踏み込んだ分析までは難しいのが実情です。そのため、行動実績管理を加えることで案件化から受注にいたるまでのプロセスがより明確になり、営業部門責任者やリーダーは、メンバーへ的確な指導やアドバイスができるようになります。

一定数の行動実績データが集まれば、「受注確度を高めるセールスプロセス」を標準化できるかもしれません。実現されれば、新たに配属されたメンバーもまずは標準化されたセールスプロセスに沿って育成すれば、早期のうちに戦力となってくれるでしょう。

具体的な指標の例としては「訪問件数」や「セールスサイクル」などがあげられます。

モチベーション管理

営業管理の対象項目の中でも、最も数値化しづらいために難易度が高い項目が、モチベーション管理です。営業部門の責任者やリーダー層は、自分の業務を進めるのと同時に、メンバーの心身の変化にも関心を向ける必要があります。

営業メンバーの中には、「頑張っていてもなかなか売上が上がらない」「顧客から理不尽なクレームを受けた」「業務量が多くてとにかく忙しい」などを理由にモチベーションが下がっている人がいるかもしれません。メンバーが一人で悩みを抱え込んでしまわないよう、機会を見計らって対面やメールなどさまざまなコミュニケーション方法を使って、まずはじっくり話を聴くことから始めるとよいでしょう。このとき、メンバーの性格や考え方の傾向を踏まえた関わり方をすることが大切です。日頃からメンバーの様子をよく確認するなどして、メンバーのことを知る努力をすることが、責任者やリーダーの立場では求められます。

お互いの業務が多忙で対面の時間を取るのが難しい場合は、評価面談の場を活用して日頃の業務の取り組み姿勢や目標と実績のギャップなどについて話し合うのも有効です。

納品管理

BtoBセールスで取り扱う商材の中には、ITシステムやサービスなどに代表される無形商材も含まれています。無形商材の場合、案件を受注してから実際に納品するまでのタイムラグが発生するため、受注時点で見込めていた売上より低い金額での提供となる可能性もあります。アフターフォローもきめ細やかに対応することは、営業個人の成績だけでなく、組織やチーム、そして企業の価値を高めることにも貢献するでしょう。

営業管理を効率よく実施するには?

ひとくちに「営業管理」といっても、管理する内容は多種多様です。また、営業メンバーは年代や価値観の異なる者同士が集まっているので、より一層、営業管理が難しくなるでしょう。こうした状況を打開して、営業管理を効率よく実施するにはどのような方法をとればよいのでしょうか。

効率よく営業管理を実施するなら、ツールの活用は不可欠

営業活動だけでも忙しいにもかかわらず、さらに営業管理もするとなれば、効率よい方法で実施したいものです。

すでにExcelのマクロ機能を活用して営業管理をしている組織もあるかもしれません。しかしこの場合、Excelをメインで操作する人がごく少数に限られる場合も多いため、一部の人に業務負荷がかかってしまうリスクがあります。さらに、マクロ作成者が異動や退職などで組織を離れてしまうと引き継いだ人がどのような構造になっているのか分からず使いこなせなくなる可能性もあります。

そこで検討したいのが、営業支援ツール(SFA)の活用です。営業支援ツールを導入することにより、売上や案件進捗、行動履歴や取引先情報など多種多様な情報を一元管理・分析できるようになります。

なお、以下のページでおすすめの営業支援ツール(SFA)を紹介しています。
成果を高める営業支援ツール6選 ~大手向けから中小企業向けまで一挙紹介~

自社に最適な営業管理を実施して、組織として成果をあげていこう

営業の現場では、もはや従来のように会社の商品やブランド、個人の営業スキルだけでは売上を上げることが難しくなってきています。そこで営業組織全体として成果を高めるために、多様な項目の指標をチェックする「営業管理」の考え方の重要性がますます高まっています。

ところが実際は、営業組織にいるどの立場の人も日々の業務で忙しく、改めて営業管理に関する業務を実施する時間はなかなか確保できません。こうした状況を打開するには、営業管理で必要になる指標をリアルタイムかつ正確に抽出して表示できる営業支援ツールの導入も、ひとつの解決策となるでしょう。現在は営業支援ツールの種類も豊富にそろうので、自社にとって最適な営業管理体制をつくれる営業支援ツールを導入してみてはいかがでしょうか。

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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。