ハイリスク・ハイリターンなリアルタイムマーケティングの「現在」

コンテンツマーケティング

リアルタイムマーケティング(以下、RTM)とは、最適なタイミングで顧客の欲する情報を提供して広告効果を挙げる戦略的試みのことだが、現在その重要性は確実に高まっている。ただRTMの概念は、1990年代に既に生まれており、それほど新しい概念ではない。    では何故今になってその重要性が高まっているかと言うと、答えは簡単だろう。それは、ソーシャルメディアをはじめとして、顧客に即時に情報を伝達できる環境が整ってきたからだ。

ハイリスク・ハイリターンなRTM

 このRTM。はまれば絶大な効果を発揮するが、的を外してしまえば非常に残念な結果となってしまう、ある意味では恐ろしいマーケティング手法でもあるのだ。今回は海外のある有名企業の事例を、ご紹介したい。

オレオのRTM事例① スーパーボウルでの大成功

 日本でも定番のクッキー・オレオだが、本国の公式Twitterアカウント(@Oreo)が行ったリアルタイムなツイートが今年大変話題になった。その1つは、2月に行われた米NFLの優勝決定戦・スーパーボウルの最中に起こった35分にも及ぶ停電時における画像付きのツイートだった。既にご存知の方も、多いことだろう。

[caption id="attachment_9947" align="aligncenter" width="500"]real-time-marketing_2.png Oreo公式Twitterアカウント(@Oreo)より[/caption]

 牛乳に浸して食べることが定番なアメリカでの、停電時という状況下を逆手にとった非常に気の利いたツイートだったが、なぜこのような臨機応変な対応が可能だったのかということについては疑問が起きるかと思う。それについてはWIRED.jpのこちらの記事で紹介されているので、是非お読みいただきたい。

 またこの事例からは、マルチスクリーンでのテレビ鑑賞が当たり前となった時代における、放映の内容に合ったソーシャルメディアの運用が絶大な効果を持ちうるようになってきたことも伺える。

オレオのRTM事例② ロイヤルベビー誕生時のツイートの波紋

 さて、一方で7月には同じオレオのツイートが議論を呼ぶ場面があった。それは、7月23日につぶやかれた、英国のロイヤルベビー誕生に合わせてのツイートだった。

[caption id="attachment_9948" align="aligncenter" width="500"]real-time-marketing_3.png Oreo公式Twitterアカウント(@Oreo)より[/caption]

 このツイートは、一部からひんしゅくを買ってしまったらしい。その中には、「オレオに関係ないのに宣伝してるんじゃない」「このツイートで宣伝になったと思うな」といった趣旨の批判も含まれていた。

 しかし、どうだろうか。このツイートは、先述のスーパーボウルの時の事例とそれほど性質が違ってはいないようにも思える。どちらも、オレオには直接関係の無い事象にかこつけてのものであった。だから言ってみれば、このツイートがウケなかっただけだと言うこともできる。

 もちろん、指摘するならば前者がスーパーボウルというイベントであり、また停電による試合の中断中で視聴者が退屈していたという側面があった。一方で、後者はロイヤルベビーという、ある種ゴシップの領域でもあるニュースに便乗したもので、下世話な印象を与えてしまったという点はあるのだ。

 その点も踏まえると、こうしたキャンペーンには適切な「時機」(=適切な便乗対象、また時機を逃さず迅速に発信できるか)と「中身」(=コンテンツの内容、その質)が必要になってくるといえるだろう。

まとめ

 いかがだっただろうか。ソーシャルメディアを使って、簡単にリアルタイムな発信も可能になった現在、RTMの可能性は増しているが、安易な施策はブランドの価値を貶める結果にもなってしまうということがお分かりいただけただろうか。

 最後に、ソーシャルやモバイル、そしてRTMを専門としているThe Realtime Report社がまとめている、RTMに必要な技術4つをご紹介して締めさせていただく。実際の運用に役立つと思うので、是非参考にしていただきたい。

1.分析と考察

 まずは、自社のブランドや商品を消費者がどのソーシャルメディアでどのくらい話題にしているか、また誰がよく話題にしているか(=インフルエンサー)、その質や量を解析できるようにしておこう。RTMを実施した後にその効果を確認することにもつながる。

2.キャンペーン対象の選り分け

 日々の様々なイベントやニュースがソーシャルメディアやWEBで流れているが、その中から自社と相性の良さそうな話題を選別する作業が必要だ。

3.RTMの運用体制

 オレオのように徹底した運用体制が難しくとも、RTMを運用するチームの大小、または技術レベルに応じたプラットフォームの運用システムを社内で整備しよう。

4.顧客とコミュニケーションのとれるプラットフォーム選び

 1の分析によって、RTMのターゲットをある程度想定することが可能になるが、彼らとやりとりのできる、時には彼らから何か積極的なアプローチを誘発できるソーシャルメディアを始めとしたプラットフォームの選定を行おう。

参考元 ・Oreo's Royal Baby Tweet Gives Birth to Twitter Debate, ADWEEKWhat technologies do you need in your real-time marketing toolbox?, Venturebeat Photo:All rights reserved by Oreo