インターネットニュースの読み方を変える。Quibbのビジョンとは?

経営・ビジネスハック
以前、(「自分が読んでるニュースを共有するサービスQuibb(クイブ)」)でご紹介したQuibbという情報共有サービスを紹介した。
僕は、Quibbの初期ユーザーだった事もあって、創業者のサンディとは、時々メールのやりとりをさせてもらっている。彼女は、コミュニティ運営がとても上手で、ユーザーとのきめ細かいやりとりを欠かさない。
僕は、Sandiに聞きたいと思っていた事があったので、今回思い切って聞いてみる事にした。それは「どうしてQuibbを作ろうと思ったのか?」という事だ。
目次
どうしてQuibbを作ろうと思ったのか?
Quibbのメンバーは、Quibbを色々な風にとらえてるみたい。
- テクノロジーについての新しいコミュニティサイト
- ハッカーじゃない人へのハッカーニュース
- QuoraとTwitterの中間のサービス
でも、こうした説明は私のQuibbのビジョンとはちょっと違うのよね。
ニュースをどう読むのか?
私は、ニュースの読み方を変えたいと思ったのよ。
ニュースと一口にいっても、様々なカテゴリーが存在する。例えば、一般の人々向けニュースサイト。ライフスタイル、趣味、政治などね。アメリカのメディアの例としては、People、Time、USA Todayあたりだわその一方で、より専門的な内容を扱う業界関係者向けのニュースサイトもある。 Financial Timesや Wall Street Journal、業界誌、専門家のブログなどね。こういったメディアに、どのニュースを掲載するかを選ぶのは、従来はプロの編集者の仕事だったわよね。
ところが、Redditやtumblr、Diggといったサービスが出た事で、ニュースのあり方が根本的に変えてしまったの。こうしたサービスでは、ユーザーたちが自らコンテンツをキュレーションし、サイト上に公開している。デジタルの時代には、ニュースが編集され、流通する方法まですっかり作り替えられつつあるのよ。
ところが、ビジネスパーソンが読むような専門的なニュースについては、こうしたキュレーション型のサービスが存在しなかったの。テクノロジー業界で働く人達は、TwitterやRSSリーダーなどを使って情報収集をしている。でも、RSSやTwitterはもともと、ニュースを読むためだけに作られたわけではないし、使いやすいツールだとも思わない。
ビジネスパーソンはどうやってニュースを読んでいるか?
私は、Quibbを始める前に、当時住んでいたトロントの友人達にインタビューをしたの。職業は様々で、マーケティングのコンサルタント、雑誌の編集者、環境工学のコンサルタント、建築家などなど。
彼らは、専門分野のニュースを探したり、読むことに毎日かなりの時間を費やしているのだけど、効率的に情報収集出来ている人はひとりもいなかった。よくあるのは、いろいろなメルマガに講読していたり、ブログをブックマークしていること位だったわ。それも、気が向いた時に読む程度だった。そして、Twitterを活用して情報収集をしている人はたった一人だけだった。これには驚いたわ。
当時、私は、スタートアップに関する面白そうな情報を見つけるためにTwitterを活用していたの。そして考えたわ。Twitterのフォロワーとの間で、自分達が見つけた面白いニュースやブログ記事などをシェアできたら、とても便利なんじゃないだろうかって。
プロフェッショナルにとっての良質なコンテンツ
Quibbは、RedditとTwitterから得たヒントを組み合わせて、100%プロフェッショナル向けに作ったニュースのサービスと言っていいわ。
今、Quibbは、スタートアップやテクノロジー系の企業で働く人など、専門的なバックグラウンドを持つプロフェッショナルたちに限定公開しているの。そして、今後もQuibbを完全にオープンにすることは考えていないの。
私は今も、サービス開始当初とまったく同じ条件で、参加希望者のスクリーニングを一人一人手作業で行ってるわ。この方法が完璧なものとは思えないし、いずれ変えないといけないと思っているけど、今のところはすごくうまくいっているのよ。
将来的には、規模が拡大しても質の良いメンバーを維持できるように、手作業に加えて、技術的な仕組みを併用することになるかもしれない。でも、規模が大きくなったとしても、今のQuibbが採用しているフォロー・フォロワーのモデルはうまく適用すると思っているわ。
多少仕組みは変えていくにしても、プロフェッショナルひとりひとりに対して、最も良質なコンテンツを提供することがゴールであることは変わらないわ。
なぜスタートアップやテクノロジー業界のユーザーを選んだのか?
そしてもちろん、私がQuibbのスタート地点として、このテクノロジーやスタートアップ業界を選んだのにも理由があるわ。
テクノロジーやスタートアップの業界では、TwitterやLinkedInでリンクをシェアすることに慣れている人が多いの。多くの専門家が、すでにブログ記事を書いていて、同業者に対しても、学びをオープンにシェアしている。
テクノロジーやスタートアップの関係者は、サービスを作り出すプロだから、Quibbに対して、建設的なフィードバックをしてくれる人が多いのよ。Quibbでは、参加しているメンバーが、アドバイザーみたいな役割を担っていて、サービスを育ててくれているのよ。
Quibbが成功すれば、ビジネスのプロフェッショナルが、業界ニュースや同業者たちが読んでいるブログなどの良質なコンテンツを効率的に見つけることができるし、自分にとって必要なニュースだけを選んで読む事ができるようになる。そういう未来を実現したいと思っているのよ。
これからも応援をお願いね。
まとめ
どうだろう?なかなか面白いビジョンだと思わないだろうか?
海外ではRedditなどのキュレーション型のニュースサイトが急成長している。Redditは、2012年のユニークユーザー数が4億人で、ページビューが370億に達している。まさに、ニュースの編集・流通のあり方が根本的に変わりつつあるのだ。
一方で、業界の専門家が情報を集める方法は旧態依然としている。メルマガやブログを読む程度だ。サンディは、そこに課題を発見し解決しようと努力しているのだ。僕もまさに同じ課題を感じていた。だから、Quibbを使った時に、これは便利だと思った。そして、これは世の中に必要なサービスだと確信し、サンディを応援する事にしたのだ。
Quibbは、現状100%英語のサービスだ。だけど、興味を持った人は是非使って見て欲しい。
日本人にとって、英語で情報を集める事はなかなか簡単ではないけれど、Quibbのようなキュレーション型のサービスを使えば、比較的良質な情報を集める事が簡単になる。さらには、Quibbで情報感度を高めながら、今度は自分が情報発信の主体になる事が出来るだろう。
これからのビジネスで成功するには、コミュニティへの参加と情報発信が欠かせない。Quibbは、英語のインターネット世界をより身近に感じさせてくれる非常に便利なツールだ。是非、参加して欲しい。
参加希望者はメッセージリーフで連絡を下さいね。
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