ボタンを押せばピザが届く!5人のティーンエイジャーが生み出した究極アプリ「Push for Pizza」

デジタルマーケティング
子供の頃、誰もが夢見たであろう、「ポチッと押すと食べ物が現れる」魔法のボタン。
その夢を、NYブルックリン在住の5人のティーンエイジャーが、現実のものにしてしまったという。
さまざまなテクノロジーが進化していく毎日のなかで、サービスやコンテンツの内容も、どんどんきめ細やかなものに変化し、消費者の好みに合わせたパーソナライズが可能になり、喜ばれるようになっている。
そのなかであえて、「ひとつのことしかできない」究極のアプリをつくり出した今回の事例。その背景をチェックしながら、柔軟な発想の大切さや、日常生活にも新しいアイデアのヒントが、たくさん転がっていることを再確認してみたい。
何気ない日常生活のなかの欲求
先にも述べたように、このアプリは、5人のティーンエイジャーによって生み出された。そして、その状況を再現したプロモーションビデオが公開されているので、ぜひ見てほしい。
PUSH FOR PIZZA, The Easiest Way To Order Pizza Ever.
https://www.youtube.com/watch?v=hw07EXR8mJg
この5人(ビデオ内では3人になっている)は、誰かの家に集まって、ワイワイと騒いでいたのだろう。そして、ふと気が付いたら、晩ご飯の時間はとっくに過ぎており、「おなかが減ったな~」「何食べたい?」というような会話から、「じゃあ、ピザでもとろうか」という話になったに違いない。
ここまでは、誰でも経験したことがある流れだろう。
「誰が注文する?」「どこのお店にする?」「どんなピザを頼む?」
ピザといっても、選択肢や、考えなければならないことはたくさん。ささいなことだけど、ネットをつないで注文するのも、いろいろ話さなければならない電話注文も、なんとなく面倒だなと思う人は、意外と多いのではないだろうか。
そこで1人がつぶやいた、「押すとピザが届くボタンがあれば良いのにな」という言葉が、ひらめきの基となったのだ。
会社の会議室で白熱の論争のうえに生まれたわけでも、プロのプランナーが悩みに悩んで生み出したわけでもない。本当に、どこにでも転がっている日常生活のなかだからこそ、消費者のニーズに、ピンポイントで焦点を当てたアプリの開発が成功したわけである。
情報は最低限のみでOK
アプリの使い方は本当にシンプルで、ダウンロードを終えたら、まずは登録。氏名・メールアドレス・パスワードを入力するのみだ。
次に、配達先の住所と支払い方法を入力して保存。その後は、ピザが食べたい時にアプリを開いて、「チーズ」「ペパロニ」のどちらかのボタンを押すだけで、ドアに熱々のピザが届けられるようになっている。
友達と盛り上がっている最中や、夜遅く仕事から帰ってきて、気力が残っていない時。おなかは減っているけれど、動きたくない・労力を費やしたくない……そんな時でも、これならば何も考えずに、数秒で食べ物の調達を可能にしてくれるわけである。
ひらめきを成功に導く
世の中には、実は成功につなげることのできる、よいひらめきが数多く存在している。実際、お店で見つけたアイデア商品を見て、「あ~! これ考えたことある!!」と悔しい思いをした人も、きっといるだろう。
「ひらめきを、ただのひらめきで終わらせない」
これが、何より難しいのである。
このアプリも、おなかが空いたティーンエイジャーの戯言(ざれごと)で終わってしまう可能性は、決して低くなかったはずだ。
彼らが、この一見シンプルなアプリの配信までにかけた時間は、5カ月と意外と長い。
単なる夢物語で終わらせない。そんな情熱はもちろんのこと、目的達成に必要な機能(例:プログラミング・広範囲でこのアプリを使用するのに適したシステムの選別など)や、市場における需要をしっかりと見極めるビジネスセンスも、成功の鍵となったに違いない。
「シンプルでもいいじゃないか」の精神
周りに負けないコンテンツやサービスを提供したい。
企業ならばそう願うのは当たり前だが、アイデアを詰め込んだ、至れり尽くせりのサービスを生み出すことが全てではない。
「シンプルでもいいじゃないか」
たまにはそんなゆとりを持った精神で、新しいひらめきを待ってみるのはどうだろうか。柔軟な頭とその精神を持てれば、次の成功は、あなたの目の前にあるのかもしれないのだ。
参考元: Push for Pizza Push For Pizza Is Yo For Food Delivery Teens Launch Teenagers create app for pizza delivery
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