その「つぶやき」に反応するのはなぜ?マーケターなら知っておきたい、Twitterのサイコロジー

EC(Eコマース)
人間の行動には、必ず動機がある。多くの人がTwitterの「つぶやき」に反応し、クリックする行為にも、何らかの理由があるのだ。
では、なぜユーザーは、そのような行動を起こすのだろう。それには、心理学が深く関係している。ここではHubSpot社が、自社のツイートをモニターした結果を基に、同社のソーシャルメディアチームが注目したユーザーの反応を、3つの心理学的観点から考察する。
また、コーネル大学の研究による、「リツイートしたくなるツイートの法則」も併せて紹介する。
1.認知的不協和(Cognitive Dissonance)
人は信念や認識に対して、一貫性を求める。しかし、自身のなかで相反する信念が発生した場合、心理的不快感を感じる。その矛盾に対して、心のバランスを取るために、自身の行動や信念を変更する。これが、認知的不協和である。
出典:HubSpot 社の2014年1月24日のツイートより
上のツイート例を見てみよう。ここには、「あなたが見落としているかもしれない、3つのマーケティングチャネル」とあるが、ユーザー自身は、「自分は、インパクトの強いマーケティングチャネルを見過ごすことなどしない、優れたマーケターだ」と自負している。
しかし、このツイートにより「不安」が生じたユーザーは、ツイートのリンクをクリックして、確認作業を行う。「クリック」という行動を起こし、実際に記事を読む。そして、自身の認識が正しいと思えるような理由を探し、認知的不協和を減少させる。
このように、多くのユーザーが「思い込み」で信じていることに対して、真逆や矛盾するコンテンツをツイートすることにより、何かしら反応を得ることができる。
2.外発的動機づけ(Extrinsic Motivation)
人間のある行動や態度が、「報酬」、または「称賛」といった外部要因から引き起こされることを、外発的動機付けという。
上記のツイートには、「ツイートするうえで役立つ、8つの法則を教えます」といった感じで、ツイート好きなユーザーやマーケターを、上手に誘い込んでいる。
人は自分にとって、有利になる情報や、物を得ることが大好きだ。自分の興味のある事柄で、役立つ情報なら、ぜひ知りたいと思うのが人間である。そういった外的要因は、ユーザーにとって、リンクをクリックする好適な動機となる。
したがって、クリックしてもらいたいなら、ユーザーにとって価値のある特別な情報(報酬)を、メリットとして提供する必要がある。
3.ノーミング(Norming)
人間が基準や規範(Norm)を構築していくことを、ノーミングという。ユーザーは、ある分野において、知っておくべき基本的な知識を得たいと思っている。それは、仕事関係・新商品・芸能人とさまざまである。
この例では、「ソーシャルメディアに関する、無視すべき最悪のアドバイス30項」とある。ソーシャルメディアマーケターにとって、「優秀なマーケター」でありたいと思うのは当然である。不正確なアドバイスに惑わされないために、向上心の高いマーケターなら間違いなくクリックするだろう。
ツイートに、「~すべき」や「~した方がよい」といった言葉を使うことで、ユーザーに行動を起こさせることが可能になる。
リツイートしたくなるツイートは?
コーネル大学のリサーチによると、シェアされやすいツイートは、以下の要素が組み込まれているツイートだそうだ。
- リツイートするよう頼む
- ニュースのヘッドラインを模倣
- 情報提供
- 同じコミュニティの仲間のような話し方
- 一貫性のあるメッセージ
- 三人称代名詞を使う
- 物や人を特定しない
- 簡潔
マーケターにとって、ツイートでユーザーから反応を得ることは、とても重要である。完璧なツイートでエンゲージメント向上を図りたいなら、上記の要素を次回のツイートから取り入れてみるのはどうだろう。
今までのツイートに対するユーザーの反応の違いを、自分なりに考察することで、より有効なツイートを作成することが可能になる。
まとめ
ユーザーのリアクションパターンと、その心理的作用を理解し、リツイートされる要素を含んだツイートをすることで、エンゲージメントを劇的に増加させることができる。
皆さんもぜひ、これらの心理学的理論を基に、ユーザーがクリックしたくなるようなツイート作成を試みてはいかがだろうか。
参考元: Why You Clicked on That Tweet: The Psychology of Twitter Engagement The Secret Psychology of Twitter: What makes Us Follow, Fave, Share, and Keep Coming Back
関連記事: まだ間に合う!Twitterマスター術〜誰もがリツイート(RT)したくなる情報提供の秘訣とは Twitter公認製品プログラムがグローバルに拡張!ビジネスにTwitterをどう使う? Twitter のワンクリック動画、どう利用する?
人気記事
関連記事