広告なしで Facebook の「いいね!」が6日間で736も増えたプラハの小さなスパイスショップの戦略とは?

コンテンツマーケティング
Koření od Antonína はチェコ共和国のプラハにある、個人経営の小さなスパイスショップだ。オンラインショップも展開していて、200種類ほどのスパイスを販売。また Web サイトではスパイスを使った料理、お菓子、飲み物などのレシピも多数掲載している。
この小さなスパイスショップが、2014年の1月に15周年を迎えた。その記念イベントとして、賞品つきのコンテストを自社の Facebook ページで行うことを決める。
結果は広告を出さなかったにもかかわらず、「いいね!」をたったの6日間で736も増やすことに成功した。一体どのようなコンテンツマーケティングを行ったのだろうか?
Koření od Antonína が行ったコンテンツマーケティング
Koření od Antonína が行ったのはクイズのコンテストだ。賞品はスパイス10点セットで、得点上位者7人と、ランダムに選ばれる3人にプレゼントされる。
出される問題はスパイスの知識を試されるものばかりなので、本物のファンを心から楽しませることができる。同時にただの賞品目当てかどうかを見極められる仕組みにもなっているということだ。
では、実際に行った作業や工夫、プロモーション方法などを見ていこう。まず Facebook 上でコンテストを行うために、ページタブアプリを作成する。これには Tabfoundry という無料サービスが使われた。
ファンゲートも作られた。コンテストの唯一の参加条件は「いいね!」のクリック。ファンだけがコンテストのページに進むことが許され、クイズに参加できるというわけだ。
さらにコンテストの情報を参加者に広めてもらうために、友達を5人紹介した人には250ポイントを与えた。あとは Facebook の投稿2回とWebサイト、ニュースレターでの告知のみだ。Facebook 広告やその他の有料広告には一切手を出していない。
コンテストを行った結果
コンテスト期間中にページタブをクリックした人は2793人であった。そのうち1493人は Facebook の投稿、Webサイト、ニュースレターからの訪問。そして1300人は友達紹介からであった。
コンテスト参加者の合計は1100人。つまりページタブを訪れた人の39.4%が実際にコンテストにエントリーしたことになる。新しく獲得できた「いいね!」数が736であるのは、参加者の364人がすでにファンであったためだ。
無料ツールを使い、既存のメディアでしか告知を行わず、デザイン料もかかっていない。唯一かかったのは賞品の150ドルのみである。新規ファン1人の獲得料は、わずか20セントという結果だ。
成功したポイント
この15周年記念イベントの成功から学べるポイントは2つあると思う。
一つはコンテスト形式のクイズを選んだことだ。コンテンツに「ゲーム性」を持たせることでユーザに興味を持たせ、自発的に参加してもらうことに成功している。ファンでなければ答えられないクイズを出題しているのもうまい。
Facebook マーケティングは簡単なものではなくなってきている。見込み客に見てもらい、顧客になってもらうには、今後さらにクリエイティブな仕掛けが必要になってくるだろう。Koření od Antonína のようにゲーミフィケーション・コンテンツに勝負をかけてみるのも一つの手だ。
もう一つのポイントは、イベントを通じて既存顧客へ日頃の感謝を示していることではないだろうか。お客さんはコンテストに参加してクイズを楽しみ、(賞品をゲットできなくても)このお店をより好きになったはずだ。
顧客との絆をより強固なものにしたいのであれば、感謝を表すという基本を思い出してみてはいかがだろうか?
最後に
プロモーション方法もコンテンツそのものも、とてもシンプルで驚いたのではないだろうか? お金も手間もかからないので参考にするだけでなく、そのまますぐに真似することも可能だろう。本記事を読んで「自分たちにもできる!」と思っていただければ幸いである。
大企業にとっては大した成果ではないかもしれない。しかし、中小企業やスモールビジネスにとって「6日で736人の新規ファン獲得」の意味は大きいはずだ。全てを正しく行えばお金をかけなくても成功できることを証明した、素晴らしいコンテンツマーケティング事例である。
参考元:
How a Small Spice Shop got 736 Page Likes in 6 Days (Without Ads)
Koření od Antonína
Koření od Antonína | Facebook
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