ECサイトのリニューアルのポイントと事前の準備

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どんなECショップにも訪れる、そろそろ自社サイトのリニューアルをしたい! というとき。「ショップモールから自社サイトにしたい」、「いまの自社サイトのシステムでは追いつかなくなった」など、理由はさまざまだと思いますが、どんなことに注意して進めていけばよいのでしょうか?
今回は、ECサイトのリニューアルにあたって担当者や責任者が決めておくべきこと、注意すべき点などを紹介します。
目次
サイトの目的
まずは、リニューアル後のサイトの目的をはっきりと定め、それを担当者間で十分に確認しあう必要があるでしょう。ゴールがあいまいだったり、ほかのスタッフと共有できていなかったりすると、満足できる結果にならないことも。リニューアルのスタート時には次のような点を整理します。
アクセス数および売り上げといったKPIを設定する
現在のアクセス数や売り上げを分析したうえで、リニューアル後にそれらをどのくらいアップさせたいかという具体的なKPI(key performance indicator?:企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標)を設定します。
現状のシステムの課題はなにか
いまのシステムのどこを変えるべきか、変えたいかをチェックしていきます。このとき、ユーザーと企業の両方から見た課題を確認します。
「会員登録に時間がかかる」、「問い合わせフォームでエラーが生じやすい」といったユーザビリティーの問題や、「システム管理に多くのスタッフが必要」、「顧客のデータを集めにくい」といった企業側で問題となっている点などが挙げられるでしょう。
3~5年後の会員数は?
数年後の会員数を予測し、システムのキャパシティーや、サイトに掲載する情報の充実度がそれに合うようにします。
サイトマップを考える
ECリニューアルの際には、ユーザーにとってよりわかりやすく魅力的なサイトとなるよう、サイトマップを見直し、作成し直す必要があります。
商品カテゴリーの設計を見直す
アクセス解析で流入キーワードを調べ、商品カテゴリーの設計を見直します。商品カテゴリーを複数設計し、ユーザーがどんなキーワードで検索しても欲しい商品が発見できるようにしましょう。
また、人気が出てきたブランドやシーズンの目玉商品をカテゴリーとして目立たせるなど、ショップが常に旬の情報を発信している印象を与えられるようにします。ユーザーは、自分の欲しい商品がすぐ見つからないショップからはすぐに離れ、別のショップで探すようになってしまうので、商品カテゴリーの設計は非常に重要です。
それに伴う、URL構成の変更とSEO的なメリットとデメリットとのバランスを考慮する
商品カテゴリーを見直した結果、URL構成の変更が必要な場合があります。大幅に変更するとSEOに影響を与えるため、メリットとデメリットを十分考慮したうえでURL構成を決定することが必要です。
トップページ
文字通りサイトの「顔」となるページなので、イメージを大切にします。ターゲット層のユーザーにとって親しみやすい、あるいは魅力的なページとなるよう、カラーや構成に配慮します。特に見せたいページにユーザーを誘導できるよう、デザインにメリハリを。
広告LP
これまでの広告ランディングページでは、思ったほどのコンバージョンが得られなかった……。そんな場合には、これを機にコピーやアイキャッチ画像を見直し、A/Bテストなどによって、より効果の高いものに変えていきましょう。リニューアル後のサイトとイメージを合わせることも大切です。
口コミ、お客さまの声
「使ってみて、そのよさを実感しました!」といった声ではなく、「〇〇を使ったら、掃除の時間が半分で済むようになりました」など、もっと具体的な感想を載せたほうが、コメントの信頼性が高まります。また、ユーザーが知りたい情報が含まれているコメントのほうが読んでもらえる可能性も増すでしょう。
商品説明
ECサイトの肝ともいえる部分なので、リニューアル時には力を入れたいところ。サイズ、重さなどの基本情報をしっかりと入れます。セールスポイントばかりが目立って、肝心の知りたい情報がない……はNGです。
また、ユーザーに安心感を与えることも大切です。送料・返品の可否などがわかりやすく記されているか、いま一度確認しましょう。可能であればスタッフの写真なども入れると、さらに安心感が高まります。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、良質なオリジナルコンテンツを継続的にアップすることによって、検索エンジンからの自然流入を増やそうとする施策です。まだ取り入れていない場合は、サイトリニューアル時に導入を検討するとよいでしょう。
デザイン(UI、UX)
誘導したいページにユーザーを確実に誘導できるよう、リンクははっきりわかるようにします。見た目の凝ったデザインにした結果、リンクがどこにあるかわかりにくくなった……といったことは、ECサイトでは特に避けなければなりません。そのほか、ユーザビリティーを徹底的に見直しましょう。
データ移行
データ移行は、計画を早めに立ててスムーズに行えるようにします。スケジュールに遅れが生じると、チェック漏れによるリンクの貼り忘れなど、ミスが残ったままリニューアルオープンしてしまうことも。大規模な移行の場合は、サンプル移行を先に行うなどしてミスを防ぎましょう。
売り上げ向上のために使えるシステムなど
サイトのリニューアル時には、システムの再設計において以下の要素の見直しや新規導入を検討するとよいでしょう。
- カート
- CRM機能
- メール配信システム
- 自動レコメンド
- オムニチャネル化
- そのほか必要な機能
いずれも重要なポイントです。よいシステム作りができるかどうかで、後々のメンテナンスにかかるコストが変わってきます。また、販売計画作成に必要なデータが十分集められるかどうかが、後々の売り上げに大きく影響する可能性も。効率よく稼働・データ収集できるシステムになるよう、全体を見直してみてください。
リダイレクト、Google Search Console、metaタグ(nofollowおよびnoindex)の使用
サイトリニューアル時には、リダイレクトをしないとアクセスが減ってしまうこともあるので注意しましょう。また、サイトがGoogleにどのように認識されるかを確認できるGoogle Search Consoleを利用すると、検索結果でのサイトのパフォーマンスを最適化できるようになります。検索エンジンに載せたくないサイトがあるときには、nofollow 、noindexタグを使用することが可能です。
リニューアル後の順位とペナルティーについて
リニューアル後にサイト順位が下がった場合は、例えば次のような原因が考えられます。
- リダイレクトをしていないためにアクセスが減った
- Googleからペナルティーをもらっている
リダイレクトをしていない場合は、301リダイレクトを使って行いましょう(Search Console ヘルプ ページの URL の変更と 301 リダイレクトの使用|Google)。また、Googleからペナルティーをもらっている場合は、サイトの問題点を確認し、解除されるようにします。
Googleペナルティーには、人間が直接サイトをチェックする「手動ペナルティー」と、アルゴリズムでチェックする「自動ペナルティー」があります。手動ペナルティーを解除するためには、不自然なリンクなどの問題点を修正し、Googleに「再審査リクエスト」をしましょう。「自動ペナルティー」の場合には「再審査リクエスト」という手段はとれないため、ガイドライン違反となっている箇所を修正し、Googleの再評価を待ちます。
越境ECを目的として海外サイトを作る際に、気をつけるべきこと
次のような点がポイントとなります。
- 全てのページに別の言語ページへのリンクを貼る
- 機械翻訳をそのまま使うのは避ける
- 日本のようなお問い合わせフォーム(性別、年齢を聞く)を避ける
越境ECでは、各国の文化・慣習に合うサイトにするためのリサーチが必要となります。コンサルタントなど、専門知識を持った人に相談するとより確実です。
大型サイトのリニューアルで注意すべき点は?
大型サイトのリニューアル時は多くの人が関わるため、さまざまなルールを作成してから作業を始めます。課題を整理し、ゴール設計をしっかり行いましょう。
また大型サイトにおいては、大規模なデータ移行が必要になる場合があります。スケジュールに間に合わせるために、1日に大量のページを確認しなければならなくなるケースも。無理な進め方はミスのもとになるため、スケジュールに遅れが生じないよう、進捗管理をしっかり行いましょう。
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