ジオ広告の分野で要注目の会社:Place IQの紹介

デジタルマーケティング

モバイル広告の市場がホットである。調査会社のPyramid Researchによれば、2015年までにロケーションベースの広告は$10.3B(8200億円)まで成長する見込みで、これはモバイル広告全体の60%を占めるという。

今回は、ロケーションベースの広告配信の分野でホットな会社を紹介しよう。米国のニューヨークに本社があるPlaceIQという会社である。

PlaceIQの特徴

PlaceIQは、まず位置情報を100メートル単位という細かい単位で取得する。下記の図は、従来の郵便番号単位での広告配信と、今回のハイパーローカルの広告配信を比較したものであるが、従来に比べてより細かいエリア単位で広告が配信できるのがわかる。ここまでは、携帯端末の位置情報を使用するだけなので、特筆するべきポイントではない。

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PlaceIQの最大の特徴は、この100メートル刻みの位置情報に、各種のコンテクスト情報を掛け合わせて、関連性の高い広告配信を実現する事にある。

具体的には、Twitterのつぶやき、Foursquareなどのチェックイン情報、携帯電話の利用状況、小売店の所在地、地域のイベント、観光情報など、公開されている情報を取得して、機械学習によるパターン分析、Twitterの感情分析などを行い、その100メートル四方の場所で、特定の時間に、どのような消費者がいて、どのような活動を行っているかというコンテクスト情報を生成する

以下の図を見るとイメージがわかるかと思うが、それぞれの場所、時間で、どのような属性の人たちがどのような活動をしているのかを推計しているのである。例えば、日中は観光客が多いが、夜には、若いビジネスパーソンが飲み歩く場所があるとする。このような場所では、日中は、観光客目当ての小売店の広告を出し、夜には、飲食店の広告を出すのが効果的になる。

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このように、特定の場所、時間、ターゲット層に対して、関連性の高い広告を配信すると、より広告効果を高めることができる。効果が高かった事例としては、従来の広告に比べて、118%もCTRが改善した例があるという。マクドナルドも集客に利用しているようである。

Place IQのビジネスモデルは大きく分けて3つある。

ひとつは、ブランドや小売店のための広告キャンペーンの運用である。彼らは、クライアントのために、直接モバイルの広告を買い付け、より効果の高い広告を配信することで収益を上げることが出来る。

2番目の収益源は、外部の会社へのデータの販売だ。具体的には、広告在庫を抱える大手メディア、アドネットワークを運用する会社などがあげられる。こうした会社は、現状インプレッション数や媒体単位での広告販売を行っているが、PlaceIQを活用することで特定の消費者グループをターゲットにした広告を販売することが出来るようになる。

(参考)米国のモバイル広告のエコシステム

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第3には、データの販売である。QRコードなどのスキャンデータと掛け合わせることで、特定のユーザーがどの商品をどのシチュエーションで購入しているのかなどを分析するのである。

資金調達状況

PlaceIQは2度の資金調達を行っていて、最近では$4.2M(約3億円)の資金調達をしている。この資金を元にデータの蓄積を行い、サービスの精度を高めていっている模様だ。

結び

PlaceIQは、各種の公開情報に高度な統計処理を施すことで、モバイル広告の効果を高めている。まさにビックデータxモバイルという二つのビックトレンドを追いかけているといえる。もともと、米国はアドテクノロジーが進んでいるが、PlaceIQを見ると、やはりモバイル広告の分野でも一歩先を進んでいると感じる。冒頭言及したとおり、モバイル広告の分野は急拡大しており、今後、この分野で技術革新が進み、新しいサービスが生み出されることが予想される。要注目である。

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出典