PEST分析とは?外部環境からチャンスとリスクを見抜き、マーケティング戦略を成功に導く。

BtoBマーケティング

マーケティング戦略を成功させるには、十分な環境分析の上で戦略を立案することが不可欠です。環境分析を怠ると、活用すべき機会(自社に追い風となるような事実、出来事)を見落としてしまったり、思わぬリスクに足元をすくわれたりといったことがあるからです。どのようなビジネスでも外部環境に適合していく必要があります。どんなに、競合他社より優れた商品をもっていても、法改正や顧客ニーズの変化といった環境変化をコントロールするのは難しく、自社の戦略を環境に合わせていくことが重要です。

外部環境には顧客や取引先といった比較的自社と近いミクロ環境と、法律や政治のような自社ではコントロールしにくいマクロ環境があります。戦略立案の際、ミクロ環境は分析されることが多いのですが、マクロ環境は対象が抽象的なため、つい分析を怠ってしまうことがあるようです。しかし、マクロ環境の変化は自社に大きな影響を与えることもあり、ビジネスを継続させるには必須の分析です。PEST分析は、抽象的でとらえどころがないマクロ環境を容易に分析できるフレームワークとして重宝します。

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PEST分析とは?

外部環境の中のマクロの環境は、政治や経済、技術トレンドなど、対象が抽象的で広いため分析がしにくく敬遠されがちです。しかし、マクロ環境の変化は事業の成否に大きな影響があります。例えば、増税が実施された場合、増税前の駆け込み需要の増加はビジネスチャンスといえますし、増税後の需要の落ち込みはリスクとして対策をたてる必要があります。このような法改正は、自社ではコントロールするのはほぼ不可能なことで、環境の変化に自社の戦略を適合できるかでビジネスの安定性・成長性が決まってくるといえるでしょう。

抽象的なマクロ環境を効率的に分析できるツールがPEST分析です。PEST分析は、Politics(政治・法律的な要因)、Economy(経済的な要因)、Society(社会・文化・ライフスタイル的な要因)、Technology(技術的な要因)の頭文字をとったフレームワークです。

  • Politics(政治・法律的な要因)

政治・法律的な要因とは、法律改正、規制緩和、減税・増税等がリサーチ対象となります。これらの変化は、市場での競争条件が変化することを意味するため確実に把握しておくべき項目です。例えば、食品業界では届け出るだけで取得できる機能性表示食品制度が設けられています。これまでも特定保健用食品制度がありましたが、認可を取得するのが簡単ではなく、企業によってはハードルが高くなっていました。しかし、機能性表示食品制度が設けられたことで、これまで優れた食品でありながら、その機能性を訴求しにくかった食品を機能性の表示を申請するだけで消費者にアピールできるようになっています。このように政治・法律的な要因の変化は、市場での競争条件そのものを変化させることがあり、定期的にチェックすることが必要です。

主な調査項目は、法律・法改正、税制・増税・減税、政権交代、裁判制度、政治団体等があります。

  • Economy(経済的な要因)

政治的な要因とは、景気動向や経済成長率、為替等が挙げられます。消費意欲は、経済動向に大きく左右されます。景気が低迷している場合、一般的に価格は低下する傾向にあり価格の維持が困難になる傾向があります。高価格帯の商品が売れにくくなってくることもあるでしょう。景気は変化していくので、自分たちが参入している市場の景気動向に敏感になることが重要です。また、海外に輸出又は海外からの輸入を手掛けている企業にとっては、為替相場も必須のチェックポイントとなります。ただし、円高(円安)なら良い(悪い)というわけではなく、円安で輸入企業である自分たちにとっては追い風だが市場は低迷しているから輸入の増加を見送る、というように、単一の指標ではなく他の指標も含めての総合的な決断が求められます。

主な調査項目は、景気動向、経済成長率、物価、為替・金利・株価、消費動向などがあります。

  • Society(社会・文化・ライフスタイル的な要因)

社会・文化・ライフスタイル的要因とは、流行や風俗、ライフスタイルの変化等が調査の対象となります。少子高齢化のような構造変化、人口動態、求められる商品のトレンドなどを調べていきます。漠然としていて把握しづらい印象がありますが、この要因を考慮せずに商品開発や広告をしていくと消費者ニーズにそぐわず成果がでにくくなります。自分たちのやり方にこだわりが強すぎて、社会・文化・ライフスタイル的要因の変化を考慮しなかったため、市場から撤退した企業は多くあります。このようなことにならないように、社会の変化に敏感になるようにしましょう。

主な調査項目には、人口動態、ライフスタイルの変化、流行、宗教、教育等が挙げられます。

  • Technology(技術的な要因)

技術的な要因とは、インターネットに代表される技術革新やそのインフラの提供状況が挙げられます。インターネットは現代のビジネスに欠かせない存在です。しかし、30円前は存在したものの高価でビジネスシーンにはまだ浸透していませんでした。このように、技術の有効性だけでなくインフラの状況も考慮して、自社の商品・サービスの技術的環境を調査していきます。技術的環境の変化は、追い風になることも多いですが、かつてレコードからCD、CDからダウンロードに変化したように、自社の商品・サービスによっては追い風になるとは限りません。インターネットの例のように、強力な技術変化は市場を短期間で変えてしまうので注意が必要です。

主な調査項目は、新技術、新インフラ、特許、IT活用等が挙げられます。

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PEST分析のメリット

PEST分析は、マクロ環境のなかから自社に影響を与える要因を見つけて、それを自社の戦略に活かしていくことが目的です。PEST分析のメリットは、ビジネスチャンスを発見できる点とリスクを回避できる点があります。

ビジネスチャンスの発見とは、「トレンドや新たな技術を把握して時流に乗ることができる」ことです。消費の動向を把握できれば、流行にあわせるか、あえて差別化するかを自社の強みを考慮して決断できます。活用できそうな新たな技術が発見できれば、それを利用して業務効率化が可能となります。このように環境変化の中から、自社に追い風となる市場事実をPEST分析で発見することができます。

反対に、PEST分析はリスクの回避にも有効です。先ほどの新たな技術の出現は追い風とは限りません。自社にとって障害となりうる技術革新に対しては、新商品開発や営業活動の変更など先手を打つことができます。少子高齢化のさらなる進行を予測していればターゲットの変更ができるでしょう。病気と同じようにビジネスリスクも早期に発見できれば回避できる可能性は高まります。

 

分析のステップと注意点

PEST分析は、マクロ環境という広い対象を分析していくため、闇雲に情報を収集していては時間がいくらあっても足りません。PEST分析の目的は、あくまでも自社に影響を与える要因を把握することです。それ以外の要因は思い切って切り捨てるようにしましょう。ポイントは、現状において影響を与える要因かどうか、将来的に影響を与える要因かどうかを見極めながら調査を進めることです。とりあえず情報を集めてから、というスタンスではどこまで調査すればよいかがはっきりせず混乱を招きます。

PEST分析は、次の3つのステップで実施すると効率的です。

1.      各項目に沿って情報を集める

2.      情報を機会と脅威に振り分ける

3.      機会と脅威への打ち手を考案する

まず、各項目に沿って情報を集めましょう。〇〇という商品が人気がある、政権が交代した、条例が変更となった、というように主観を挟まず事実のみをピックアップするようにしましょう。集めるときは集めることに、分析するときは分析することに集中するのがコツです。情報は、公的機関による発表や専門家によるレポートなどのように信頼できるものから収集するようにしましょう。

情報を集めたら、それを機会と脅威に振り分けます。機会とは自社にとって追い風となるような事実、脅威とは自社にとって障害となりうる事実です。時々、どちらに振り分けてよいかわからないものもでてきますが、それはこの段階では保留で結構です。すべての情報をプロットして全体像がみえてくると、その事実が振り分けやすくなるからです。明らかにどちらでもない事実に関しては、自社に影響を与えない要因である可能性が高いので切り捨てても構いません。

機会又は脅威へ市場事実を振り分けたら、それに対する打ち手を発案していきます。打ち手を発案するには、外部環境だけでなく、自社資源も考慮する必要があります。自社資源とはヒト、モノ、カネ、情報のことで、その自社資源の中から強みと弱みを抽出するようにします。戦略を立てる際は、外部環境のみ、内部環境のみではなく、外部・内部の両面から発案することが重要です。「機会に対して活かせる強みはあるか」、「機会を活かすために克服すべき弱みは」。「脅威を強みで解決できないか」、「自社の弱みで脅威もあるので撤退できないか」という観点から打ち手を発案します。

 

 

ビジネスの成功にはPEST分析が不可欠

どの企業も顧客や地域社会等のミクロ環境だけでなく、政治や経済といったマクロ環境に影響を受けています。企業経営は、外部環境の変化に柔軟に対応していくことです。そのため、マクロ環境を把握していなければ企業経営は難しくなるといえます。PEST分析を通じてマクロ環境を把握し、ビジネスを成長させていきましょう。

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