実践!Webサイトのパーソナライゼーション

デジタルマーケティング
あなたのWebサイト、パーソナライゼーションをしていますか?
ここ数年、Webサイトのパーソナライゼーションの必要性が強く認識されている。AdobeとEconsultancyの共同調査報告によると、デジタルマーケティング担当者の52%が、コンテンツのパーソナライゼーションはオンライン戦略の基本であることを認めている。
Amazon.comの広告は、パーソナライゼーションとして特に有名だ。過去に検索した商品が、推奨商品として画面上に出現する。購入を迷っていた商品が画面上に現れれば、心が揺れるというものだろう。
ところが、パーソナライゼーションにはいくつかの誤解がある。「費用がかかりすぎる」「難しすぎて手が出ない」「パーソナライゼーションするためのコンテンツを持っていない」「大手が行うものだ」などなど。これらの思い込みを排し、比較的簡単に実施するにはどんな方法があるのかを見ていこう。
誤解その1:「費用がかかりすぎる」
Webサイトのパーソナライゼーションを実行するには、「費用かかりすぎるのでは」と思い込んでいる人が多い。実際、全てを自社開発でまかなおうと思えば、コストは膨大なものになるだろう。
しかし、今ではパーソナライゼーションのための多くのツールが市場に出回っており、SaaS(Software as a Service)タイプのものもある。このようなクラウドベースのテクノロジーを上手に利用すれば、スモール・スタートができ、最小限の努力で効果を導き出すことができるだろう。
例えば、パーソナライズド広告のように、推奨商品を表示させるといったことをメンテナンスフリーで運用できるアプリケーションがあり、売り上げに対するインパクトは絶大である。
Eコマースのショッピングの途中で、精算前に顧客が離脱するケースは70%と言われている。そのままにしておいては、大きな損失につながるだろう。離脱した場合は、自動化されたトリガーメールを発信し、顧客がサイトに戻ってくるように促そう。
誤解その2:「難しすぎて手が出ない」
「難しすぎて手が出ない」という場合にも、前項で紹介したような、パーソナライゼーション用のアプリケーションを利用するのがオススメだ。
こういったアプリケーションは、パーソナライゼーションをする上で必要な、性別、エリア、ブラウジングのデバイスといった情報の収集を行う。また、ECサイトにおいては顧客の購入履歴や、どういった商品に興味を持っているかといった情報を収集する。
こうして集めた情報からセグメンテーションを行えば、それにあったパーソナライゼーションが実施できる。例えばビジターが男性で洋服に興味があれば、男性服の広告を出すようにする。ターゲティングされたビジターを呼び込むためには、パーソナライズされたオファーを出すのが効果的だ。
誤解その3:「パーソナライゼーションするためのコンテンツを持っていない」
「パーソナライゼーションするためのコンテンツを持っていない」というのも、パーソナライゼーションへのハードルを高くする誤解の一つだ。
パーソナライゼーションのために新たにコンテンツを作り出すのではなく、今あるコンテンツを効果的に用いてパーソナライゼーションすることがポイントだ。
HubSpotの調査によると、75%のオンラインユーザーが、自分にとって興味のないエリアのコンテンツが表示されることにイラつきを覚えるという。
上述したように、ビジターをセグメンテーションすることで、ビジターに合った製品、ブログ、広告といったすでに存在するサイトやコンテンツを表示できる。それにより、コンバージョン率を上げたり、エンゲージメントを高めたりすることが可能だろう。
誤解その4:「パーソナライゼーションはAmazon.comのような大手が行うものだ」
「パーソナライゼーションはAmazon.comのような大手が行うものだ」というのもまた、パーソナライゼーションにおける残念な誤解だ。この誤解が、小規模ビジネスがパーソナライゼーションに乗り遅れる理由となっている。
前述したように、クラウドベースのSaaSテクノロジーなどを利用すれば、小規模ビジネスでも手軽にスタートすることができるだろう。パーソナライゼーションは、あらゆる規模のビジネスで有効な手法だ。
パーソナライゼーションを始めよう!
デジタルマーケティング担当者にとって、パーソナライゼーションは、今後もますます重要な課題となるだろう。
いまだに多くの会社のマーケティング担当者には、パーソナライゼーションは「ウチの会社には無理」と思われているが、それは思い込みにすぎない。
パーソナライゼーションを支援するためのツールやアプリケーション、サービスもいろいろと出てきている。こうしたテクノロジーを効果的に利用し、実験と検証を繰り返すことで、パーソナライゼーションの有効性を感じ取ってほしい。
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