P&Gがデジタルマーケティングを推進

デジタルマーケティング

先日、P&Gに勤務する友人とデジタルマーケティングの活用について議論をする機会があった。話しの発端は、P&Gが2月の決算発表で打ち出した、デジタルマーケティング推進に関してである。僕は、マーケティングやメディアの変化という意味で、とても重要な動きだと思っている。

P&Gが何をやろうとしているのかを紹介するため、Wall Street Journalの3月14日号に掲載された、P&Gのマーケティングの責任者のインタビューを紹介したい。(ちょっと長いけれども、がんばって全文を翻訳しました)

なお、参考情報として、P&Gは、2月の決算報告の際に、広告予算の抑制とデジタル予算の増額が発表しているので、下記に紹介する。今回の記事と併せて、読んで頂くと全容がつかめると思う。

参考記事

P&Gのマーケティング責任者は、デジタルマーケティングを推し進めていく

P&Gのマーケティング部門の責任者であるMarc Pritchard氏。P&Gは、世界で巨額の広告宣伝予算を持つ会社であるが、彼は、その費用を削減を推し進めている。

P&Gは、先月(2011年2月)マーケティング予算を年間$1B削減するなどして、2016年までに総額$10Bのコスト削減を行うと発表した。このコストカットを実現するために、マーケティング担当役員のレイヤーを減らし人件費をカットするとともに、広告宣伝費をマス媒体からデジタルマーケティングにシフトさせる事で実現するとしている。

Pritchard氏は、オリンピックなどの特定のイベントに関連して、複数ブランドのキャンペーンを今後手がけていくと言っている。

Pritchard氏は、51歳で、P&Gに20年勤務した後、2008年にグローバルマーケティングの担当役員になっている。彼は、Wall Street Journalに対して、デジタルメディアやその他のマーケティングプランに関して話しをした。

以下は、その概要である。

WSJ: P&Gでは、デジタルマーケティングをサポートするための要員がどうなっているのか?

Pritchard氏: 最初に私が今のポジションに着任した時は、少数のチームを使って、デジタルマーケティングに関するノウハウを学びました。まず、私達はリスティング広告のノウハウをため、予算を増額していきました。次に、デジタルのバナー広告でも同じ事をし、TwitterやYoutubeなどのソーシャルメディアでも同じ事をしていきました。

WSJ: どのブランドからテストしていったのですか?

Pritchard氏: このプロジェクトで最も先にすすんでいるブランドとしては、パンパース、オールド・スパイス、シークレット(スキンケア製品)、そして、アジアのSK IIがあげられると思います。私達は、もはや、ブランドにはこだわっていません。アイディアを持ち、それを実行する社員が中心なのです。私達は、社員が様々な事に挑戦し、それが爆発的に成功するのを見るのが好きなのです。

WSJ:デジタルマーケティングのトップ人材の何人かがGoogle、Pepsi、そして、シリコンバーレやシンシナチのスタートアップに流出していますね。どうやって人材を引き留めるのですか?

Pritchard氏: P&Gを辞めていく人がいるのはいつもの事です。ブランドを構築するには、優れたアイディアが必要です。そのアイディアをデジタルや全ての新しいテクノロジーに適用していくのです。私達の会社では、イノベーションに挑戦するチャンスがよそよりもずっと大きいのです。テクノロジーそのものに興味がある人もいるかもしれませんが、P&Gではそのテクノロジーをブランドに適用しなくてはならないのです。我々が求めているのは、そのような人材です。すなわち、テクノロジーとブランドの両方が判る人材です。

WSJ: P&Gは、Google、マイクロソフト、Yahoo、Facebookなどの会社と戦略的な提携関係を結んでいますね。その結果はどうなのですか?

Pritchard氏: 私達は、世界中でビジネスをしています。Google、Yahoo、マイクロソフトも同じです。提携の目的は、パートナーと共に成長するという事です。彼らは、アイディアを出してくれますし、新しいアプローチや技術を提案してくれます。 私達は、私達のアイディアやインサイトを提供するのです。双方ともにメリットがあるのです。

私達は、社外へと飛び出して、VCと会うこともしています。最近は、Shazam(鼻歌や流れている音から曲を見つけ出すアプリ)や、Klout(オンライン上での影響力を測定するサービス)などと会っています。

WSJ: ソーシャルメディアマーケティングのROIはどのように決定しているのですか?

Pritchard氏: 私達が現在取り組んでいるのは、EGRP(エレクトロニック・グロス・レーティング・ポイント)と呼ばれる、オーディエンスへのリーチを測定する指標を定義する事です。これが定義されれば業界に革命的な影響を与えるでしょう。Googleや、Facebook、Twitterなどのインプレッションが実際にどれだけの価値があるのか見る事が出来るのです。これが出来た後に、我々は、全米広告協会が押しすすめている共通プラットフォーム化に着手します。我々は、全米広告協会にもっと早く推進するように働きかけています。

WSJ:ブランドは、デジタルマーケティングの少額な予算をどうのように活用しているのですか?

Pritchard氏: 予算がとても少ないブランドは、とてもイノベーティブにやりくりをしています。ヘアケア製品のAussieは、100%デジタルです。デオドラントのSecretも100%デジタルです。デオドラントのOld Spiceも広告予算があまりありませんでした。話題になった動画CMの”Smell Like a Man, Man”は、スーパーボールに出稿しませんでした。スーパーボールの前に、Youtube上で人気に火がつき、そして、それをPRやTwitterで増幅・拡散させていったのです。

WSJ:具体的に、ブランドやブランドマネージャーが新しいアプローチを取るようになったデジタルキャンペーンは何ですか?

Pritchard氏: 例えば、インドでは、Shave Indiaというキャンペーンがあり、4年連続で展開しています。私達は、人々に質問を投げかけ、ディベートをしてもらうのです。ひげをキレイに剃った芸能人とひげを生やした芸能人のどっちが人気があるのか。ひげをキレイにそった男性は、より仕事を得る確率が高いのか。 ブランドを中心として、様々菜ディスカッションを巻き起こすのです。このキャンペーンをベースとして、我々は、最近、かみそりのMACH3とFusionをローンチしました。

WSJ: オリンピック期間中に、P&Gはソーシャル・メディアをどのように活用していくのですか?

Mr. Pritchard: オリンピックでは、デジタルキャンペーンを徹底的に行っていく予定です。Twitter、Google、YouTube、Yahooなどです。これらは、全体のキャンペーンの上で、不可欠な要素です。これ以上、ネタ明かしをする事は出来ませんが、Twitterを含む、多くのデジタルのパートナー会社との間で、多くの取り組むを行う予定とだけ言っておきましょう。

30以上のブランドや150人以上の選手にオリンピックキャンペーンに参加させる予定です。これらのブランドや選手は、Facebookのページを持ちます。そして、我々は、イベントを主催し、それをマスメディアやデジタルメディアで広げて行きます。そして、我々は、ディスカッションを拡大し、Facebook、YouTube、Twitterなどでのエンゲージメントを促進するコミュニティマネージャーをアサインしています。

WSJ: P&Gの競合の中には、P&Gよりも身軽で、キャンペーンの展開やデジタルマーケティングへの取り組みで専攻していますね。P&Gは順調に立ち上がっているのですか?

Pritchard氏:私達は、パッケージデザイン、製品開発、社内プロセスの構築、広告プランニング、などをにテクノロジーを活用し、バーチャルデザインを推し進める事で、時間を削減しようとしています。 会社全体としてどうこうというよりも、個々のブランドやカテゴリーがどうやっていくのかという事です。

出典:P&G’s Marketing Chief Looks to Go Digital

記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/