CCOとは?オウンドメディアの成功に欠かせない社内体制

コンテンツマーケティング

これまでのマーケティングといえば、広告枠の購入が主な仕事でした。しかし、インターネットとソーシャルメディアの普及の結果、企業が自由に情報発信できる土壌が整ってきています。

米国のコンテンツ制作専門家であるアン・ハンドリーは「この世界は誰もが出版社になれるものになった。一人ひとりが自分自身のオンライン出版プラットフォーム――ウェブサイト、ブログ、メールマガジン、フェイスブック、ツイッターなど――を持てる最高の機会を与えられている」と、自著『コンテンツ・マーケティング64の法則』(翔泳社)で指摘しています。

企業は情報発信基地としての役割を担う

その結果、米国の多くのマーケティング専門家は「これからは企業自らがメディアにならなくてはならない」と口を揃えて発言しています。

この考え方によれば、マーケティング部門はある意味、その業界の話題を扱う情報発信基地、コンテンツ制作会社になるのです。

ところが、(米国でもそうだと言われていますが)日本の多くの企業では、その到来する「好機」を上手くつかむ体制がまだ整っているとは言い難いのではないでしょうか。

消費者を魅了するコンテンツ制作の鍵は“メディアの感性”

ホームページやブログなどの自社メディア、フェイスブック、インスタグラムなどのソーシャルメディア、Eメール、ネイティブアド枠などのペイドメディア……。インターネット・テクノロジーの進歩のお陰で、ディストリビューションはきわめて容易になっています。

これからは、消費者が気に入る価値の高いコンテンツさえつくりさえすれば、ソーシャルネットワークを通じてどんどん広まっていく時代です。

しかしながら、企業がマーケティング目的で情報を発信していく場合、これまでのような通り一遍のニュースリリースや広告コピーや商品説明文では情報の海に埋没し、消費者は相変わらず見向きもしないでしょう。ここでは、企業側ではなく、受け取る消費者の立場に立ったコンテンツの制作がカギとなってきます。そのためには、ジャーナリストのように重要な出来事を伝えたり、エンタメ雑誌の編集部のように、純粋に面白いネタを追求したりする、メディアの感性をもってコンテンツ制作を行うことが必要です。

メディア並の品質のコンテンツ制作を実現する社内体制とは?       

それでは、消費者を魅了できるコンテンツ・マーケティングを実現するには、いったいどのような組織体制が必要なのでしょうか。

CCO

米国では、チーフ・コンテンツ・オフィサー(CCO)またはコンテンツ・マーケティング・ディレクターという役職を設置し、統括させている例が多いようです。編集長の役割をかねる場合もあります。
CCOは戦略と全体統括を担当し、コンテンツ・マーケティングに関わるすべての側面(コンテンツ作成・編集、デザイン・アート・写真、ソーシャルメディア、予算編成、エージェンシーやフリーランサーとの契約交渉、オーディエンスの開拓、調査・評価)に精通している必要があります。

編集長

CCOが責任者とコンテンツ戦略だけを担当し、コンテンツ制作の指揮を執る編集長(またはコンテンツ・プロデューサー)を別に置く場合や、CCO(または編集長)を補佐させるため、コンテンツ編集者を置く場合もあるようです。
これらのチームが企画、コンテンツ制作、スケジュール管理、キーワードの選択、ディストリビューション・チャネルの選択、検索エンジン最適化、デザイン、タグ付けと画像選択などの作業を協力して行うこととなります。

コンテンツ制作者

もう一つ必要な役割は、コンテンツ制作者(ライターや映像ディレクター)です。コンテンツ制作者は、社内に置く場合と、アウトソースする場合があります。
アウトソースする場合は、特定のフリーランサーに継続して依頼をするか、または企画ごとに必要なフリーランサーを都度探し、チームに組み入れます。柔軟に拡大縮小できる、コンテンツクリエーターのネットワークを持つことが理想的です。 

ソーシャルメディア責任者

さらに、ソーシャルメディアなどのチャネルを通じてオーディエンスと対話し、フィードバックを収集し、コンテンツ制作・ディストリビューション戦略に反映させるチーフ・リスニング・オフィサー(またはソーシャルメディア責任者)も必要とされています。

米国ではプロのジャーナリストを社内に招き入れるケースも

ジョー・ピュリッジは「最高広告責任者の時代は終わった。これからはチーフ・コンテンツ・オフィサー(CCO)の時代だ」と断言しています。これらの役割は(編集長も含め)外部の専門業者にアウトソースすることも可能ですが、ピュリッジは「CCOは内部の人間に担当させることが重要だ」と助言しています。

米国では、これらの担い手として、プロのジャーナリストを社内に招き入れる動きも進んでいます。このように企業内で働き、その企業がターゲットとする市場にとって価値あるコンテンツを執筆・制作するライターたちは「ブランド・ジャーナリスト」と呼ばれています。

これを「ジャーナリズム」と呼ぶべきかどうかは議論があるところですが、企業のコンテンツ制作にジャーナリズムの感性を持ち込むことによって、ジャーナリストや編集者のアプローチでブランド・コンテンツの制作に取り組むのです。

アン・ハンドリーは「ブランド・ジャーナリストは、普通のジャーナリストであるというよりは、ストーリーテラーに近いかもしれない。すべてのジャーナリストは(ブランド・ジャーナリストも含め)事実を扱う。つまり彼らは真実の物語を上手く語ることができるのだ」と説明しています。

photo by Highways Agency