オンライン・マーケティングに偏ってはいけない! 大切なのはオンラインとオフラインの相互作用

コンテンツマーケティング

ミュンヘンのビジネス街を歩いていると、ある建物の前に立つ某企業の看板が目に入った。「〇月〇日 ソーシャル・メディア講座を行います!」大学卒業後、インターンシップ先のPR・マーケティング会社で同じような講習会に参加したことをふと、思い出した。

近年、インターネットを利用するビジネスを行っている企業はソーシャル・メディアに限らず、あらゆるオンライン・マーケティングを推し進めてきた。オフラインで行うマーケティングだけでは顧客エンゲージメント(=自身の商品やブランドと消費者の深い関係性)を持続できないからである。

しかし、オフライン・マーケティングの価値も決して忘れてはいけない。オンライン・マーケティングについて騒がられている今、両者の上手な組み合わせ方について改めて考えたい。

オフライン・マーケティングはオンラインのサポートなしでは成り立たない

前述したように「オフラインで行うマーケティングだけでは、顧客エンゲージメント(=自身の商品やブランドと消費者の深い関係性)が持続できない」背景にはインターネットの普及によって、消費者がインターネット上で十分に情報を入手できるようになったことがある。

企業側もオンライン・マーケティングでオフラインのサポートし、より多くの消費者に情報を提供するべきだろう。以下、サポートの仕方を2点述べよう。

1.オンラインの世界でイベントを盛り上がらせる

ある新しい化粧品のイベントが開催されるとしよう。招待状は郵送することもできるが、EメールやSNSで告知すると更に多くの来客を集められるメリットがある。SNSで「いいね!」ボタンが多く押されていれば、イベントがたくさんの人に支持されていることがサイト閲覧者にも伝わる。

また、イベント終了後ブログなどに事後報告をし、楽しそうな画像を載せるのも大事な仕事だ。リアルな世界で開催されたイベントをバーチャルな世界で広め、成功を披露すると、来客以外の人にも伝わり、ブランドのファンを増やすきっかけにもなるだろう。

2.成功はオンラインの世界で自慢する

これはマーケティングというよりPRの分野に入る大事な課題だ。新商品が○個売れた、有名ブランドがクライアントになった、ニューヨーク支局をオープンした、・・・このような企業のビッグニュースは個人に話すだけではもったいない。

せっかくなら派手にホームページ、ブログやSNSで公開するべきだ。公開により新たな協業相手が見つかるかもしれなければ、メディアからインタビューの声がかかる可能性もある。

たまにホームページの「ニュース」欄が1年以上前から更新されていない企業を見かける。過去にしか栄光がなかった印象を与えてしまうので、適度な更新を心がけよう。

オンライン・マーケティングはオフラインのサポートなしでは成り立たない

ここまで読んでいかがだろう?オンラインありきのオフライン・マーケティングだと思われた方が多いのではないだろうか?しかし、逆にオフラインのサポートがないオンライン・マーケティングも不十分なものである。

1. リアル体験に勝るものはない

オンラインショップが普及している時代ではあるが、オンラインでしか手に入らないものはやはり売れにくい傾向がある。

見て、触れることができる商品の方が消費者にとって安全だ。特に、化粧品や食料品はオンラインだけで販売するのは厳しいだろう。同時に多くの場所で店頭販売を行うことが重要とされる。オンラインショップがあれば商売が成り立つ、とは限らないということだ。

2. 口述のサポートこそが最高のサービス

商品に対し質問や苦情がある時、Webサイトにあらかじめ用意された質疑応答と問い合わせ欄は、全消費者にとって使いやすいツールではない。

苦情を担当者に伝え議論したい、専門的な質問だから電話で話したい、早く情報がほしいのでEメールを書いている暇がない、などという理由から直接電話で話し合いたい消費者がいる。人と商品をつなぐためには消費者と商品側の人間をつなげる必要性もある。電話でのサポートが良ければ、ブランドのイメージ向上にもつながるだろう。

3. オンライン・キャンペーンをオンラインに留めてはいけない

スーツケースメーカーで有名なサムソナイトが2012年春に行った「Around the world in 80 clicks」(80クリック世界一周)というフェイスブックゲームをご存じだろうか?

内容は、サムソナイトのスーツケースをA市在住のフェイスブックユーザーがB市在住のユーザーに送り、その距離が換算され、一番長い旅をできたユーザーが旅行券やスーツケースをもらえるというもの。

日本語版がなかったことから、おそらく日本ではあまり広まらなかったと予想する。しかし、実はこのゲームは筆者在住のドイツですら、ほとんど評判にはならなかった。

筆者は当時、サムソナイトのドイツ国内PRを受け持つ企業に勤めていた。ゲームは特にアメリカ、インド、イギリスのユーザーを集め、それなりに盛り上がっているように見えたが、サムソナイトが期待していたほどのユーザーを集客できていない、と聞いた。

筆者は現実世界(オフライン)でゲームの宣伝をほぼしていないことが1つの原因だと考える。

街頭広告やフライヤー配りなどの基本的な宣伝が更なるユーザーを集められたのではないか?人は24時間フェイスブックを見ているわけではない。そうすると現実世界でも宣伝した方が絶対効果的である。

店頭でもらったフライヤー、駅で見た広告など生活で偶然発見したものに興味を持つことはあるものだ。QRコードの存在で紙(ポスターやフライヤー)とホームページを簡単に結ぶことも可能になった。オンライン・キャンペーンを行う際、オフライン・マーケティングをおろそかにするのは危険である。

まとめ

オンラインであろうと、オフライン・マーケティングであろうと、両者は切り離して行うものではなく、同時にする必要がある。

現実世界で行動する際はバーチャルでできることを、バーチャルな世界で行う際は現実世界でできることを考慮し、盛況をもたらすマーケティング活動を行ってもらいたい。

参考元・画像出典:Online and Offline Marketing Combine for Customer Engagement