「パズドラ」に続け!人とつながるゲームアプリ“おはじきゲーム”が熱い理由

EC(Eコマース)

短時間で気軽に楽しめるスマートフォンのゲーム。そのなかでも、指で画面をはじいて遊ぶ“おはじき”の原理を使ったゲームが注目を集めている。

これらのゲームのヒット理由を、以下で見ていこう。

「おはじきゲーム」に見る「人を巻き込む」技術

2014年現在、スマートフォンのゲームアプリは進化を続けている。

2012年に、ガンホー株式会社がブロックを消していくパズルゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」で一世を風靡(ふうび)して以来、名だたるゲームメーカーがこぞって、パズルゲームのアプリ開発に注力するようになった。そして、2013年には新たなパズルゲームが登場し、人気を集めている。

その新たなゲームとは、キャラクターをフリック、つまり手でひっぱってはじく“おはじき”のようなアクションに、パズル要素を組み合わせたゲームだ。ここでは、これらのゲームを「おはじきゲーム」と呼ぶことにする。このおはじきゲームは、独自の操作性とシステムで多くのユーザーを取り込んでいる。

そこで、3つの代表的なおはじきゲームを紹介し、そこに秘められた“人を巻き込む技術”についてひもといてみよう。

例1「モンスターストライク」(株式会社ミクシィ)

おはじきゲームの代表格といえる、大ヒットゲームが「モンスト」こと「モンスターストライク」だ。

わかりやすくシンプルなシステムで、誰もが遊びやすいゲームを実現している。さらに、Bluetooth経由で近くにいる人と協力プレイができる点が、ユーザーから支持を受けているようだ。

ミクシィの木村プロデューサーは、「ゲームを作ろうというよりは、コミュニケーションツールを作るという意識でいた」と話す。事実、その狙いは当たったようで、iPhoneやAndroidアプリのレビューでも「友達や家族と一緒に、協力して遊べるのが楽しい」といったコメントが多く見られる。

2014年8月13日、モンスターストライクはSNSの垣根を越えて、LINEとのコラボを果たした。同社では、世界の累計利用者が8月15日に1100万人を突破、さらに8月27日には1200万人を超えたことを発表している。まさに、おはじきゲームが人々から支持を受けている好例と言えるだろう。

モンスターストライク(モンスト)TV CM LINEコラボ 教室篇+パジャマパーティ篇+焼肉屋篇

https://www.youtube.com/watch?v=HeIEG_s_Q0A
【2014年8月12日より放送を開始した、LINEとのコラボCM。LINE公式キャラクターたちが「モンスターストライク」で遊ぶ姿を表情豊かに描いている】

例2「スリングショットブレイブス」(株式会社コロプラ)

「スリングショットブレイブス」は2013年3月にリリースした、コロプラが手がけるおはじきゲームである。

2014年8月時点におけるおはじきゲームアプリのなかでは、唯一3DのCGを用いている。立体的なキャラクターをひっぱってはじくと、その方向や動きに合わせてキャラクターがド派手なアクションを繰り広げてくれる。本ゲームの魅力は、おはじきゲームのなかでもリアルなシステムにある。自分で作成したキャラクターを育てるだけではなく、素材を集めて多彩な装備を強化したり、進化させたりできるやりこみ要素もある。

また、「スリングショットブレイブス」では、近くにいる友人だけではなく、世界の人々とも協力プレイが可能だ。協力プレイ時には定型メッセージを送ったり、フォローしている仲間同士でメッセージを送ったりできるので、世界中の人々と共に冒険を繰り広げているような気分を味わえる。ここでも、ゲームを通じて人をつながっているというシステムが見て取れる。

これらの工夫が受け、「スリングショットブレイブス」は2014年6月27日に累計300万ダウンロード達成し、今後は韓国でのリリースも決定している(リリース時期は未定)。

スリングショットブレイブズ CM 一緒にオンライン篇

https://www.youtube.com/watch?v=n9I7xhxGRiI
【有名タレントを起用したCMで、ゲームシステムや、オンライン協力プレイの楽しさを表現している。】

例3「ジョジョの奇妙な冒険スターダストシューターズ」(株式会社バンダイナムコゲームス)

現在も幅広いファンを持つコミック、『ジョジョの奇妙な冒険』を題材にしたおはじきゲーム。

システムとしては「モンスターストライク」に似ているが、協力プレイはない。ただし、先の2つのゲームでは、わかりやすい戦闘システムとしておはじきシステムが採用されていたが、こちらは「ユーザーにジョジョの奇妙な冒険の戦闘を体験してもらう」目的で採用されている。また、内容も『ジョジョの奇妙な冒険』の原作に踏み込んだものになっており、ゲームを楽しみながらジョジョの世界を知ることができるのだ。

ゲームのなかで人をつなげるのではなく、原作の『ジョジョの奇妙な冒険』のストーリーや知識をゲームという媒体で広めることで、会話や趣味などのリアルな場で人と人をつなげている例と言えるだろう。

「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」PV

https://www.youtube.com/watch?v=puFoFMeEaS4
【バンダイナムコゲームスの公式PV。デザインからシステムまで、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界観を見事に表現し、ライトからヘビーなファンまで楽しめる内容になっている。】

面白いだけじゃない!ゲームアプリだからこそできる「人を巻き込む技術」

これら3つのアプリには他にも共通した要素がある。“招待システム”によって、新たなユーザーの取り入れに成功しているのだ。

どのアプリも、LINEやTwitter、メールといったコミュニケーションツールと連携し、ユーザーに新たなユーザーを勧誘させるシステムが用意されている。ユーザーはSNSやメールで友人を勧誘することで、ゲーム内の特別なアイテムなどをを入手できる。

また、ゲーム内で発行されるIDをアプリストアのレビューに記入すると、そのIDを使った新規ユーザーとレビューを書き込んだユーザーの双方に特典がもらえるシステムも用意されている。このように、ユーザー自身に宣伝させる、さまざまな仕掛けが作られている。

誰にでもわかりやすく、人とつながることでより楽しめるゲームシステム。加えて、ユーザー自身が自発的に宣伝し、利用者を増やすシステム。まさにこれこそがおはじきゲームのアプリに秘められた“人を巻き込む技術”と言えるだろう。

“おはじきゲーム”は世界観を体験できる、未来のマーケティング

今回、本記事をまとめるにあたって注目したのは、おはじきゲームのわかりやすさと、体験性だった。

おはじきは、誰でも一度はやったことのある遊びだ。ゲームでは、現実のおはじきと同様に、指先のちょっとした力加減で予想もしない動きをみせる。それはまさに、現実の体を動かしている感覚に近いものがある。そこに興味深いストーリーやメッセージを載せれば、「手のひらで世界を体験できる」マーケティングにつながるのではないだろうか。

人は感動すれば、自発的に広めたいという欲求にかられる。おはじきゲームはまさに、その本能をうまく利用した未来のマーケティングの1つになり得るのだ。