「懐かしい」がポイント!ノスタルジーマーケティングとその効果

デジタルマーケティング

あなたは何に「ノスタルジー」を感じるだろうか? 子供の頃に流行ったキャラクターやアニメ? 人気だったけど買ってもらえなかったおもちゃやお菓子? 十代のときに流行った髪型やファッション? それとも、初恋や失恋を思い出す歌や香り? 人によっていろいろあると思う。

それを見たとき、聞いたとき、嗅(か)いだとき、「懐かしい~」と思うと同時に、思い出が一気によみがえってくる……。そんな経験が誰にでもあるだろう。ついでに「昔は良かったなぁ」「あの頃は楽しかったなぁ」なんて思うかもしれない。

しかし、一瞬だけ昔の良き時代に引き戻されるが、その良き時代は二度と戻ってこないこともわかっている……。そんなほろ苦い感情が、ノスタルジーだ。そして、その感情を呼び起こすことが、ノスタルジーマーケティングの狙いなのである。

本記事では具体例をご紹介しながら、ノスタルジーマーケティングが効果的な理由に迫ってみようと思う。

ノスタルジーマーケティングはなぜ効くのか?

ノスタルジーの引き金になるのは、悲しみや寂しさといった感情らしい。例えば、過去の何かを恋しく思って切ない気持ちになる、などがそうだ。

そういった感情はポジティブか、ネガティブかと聞かれれば、ネガティブ寄りになるだろう。

しかし、引き金がネガティブな感情であっても、それによって呼び起こされるのは楽しい思い出がほとんどだ。その思い出が寂しさや退屈さ、不安を中和し、最終的には人にポジティブな気持ちを抱かせる。

さらに、自己評価や社会的つながりの認識を高め、愛されている、守られているという気持ちにつながっていくのだ。これは心理学者たちによる研究でも証明されている。

では、見込み客にノスタルジーを感じさせるコンテンツを提供したら、どうなるだろうか?  たぶん、あまり苦労せずにポジティブな気持ちを引き出せる可能性が高い。ネガティブな感情よりも、ポジティブな感情を抱いてもらう方が効果的なのは、言うまでもないだろう。

ノスタルジーマーケティングの具体例

では、ノスタルジーマーケティングの具体的な例をご覧いただこう。(たぶん皆さんもおなじみの)ソニー・コンピュータテンタテインメントによるPlayStationのYouTube動画だ。

「For The Players Since 1995」

 

 

 

1人の少年の成長と共にゲーム機が進化していく姿(PlayStationからPlayStation 4まで)を、3分22秒で描いている動画である。

これを見ていかがだっただろうか? 特に主人公と同じく4台のゲーム機全てを経験している、ターゲット年齢層の方はいろいろと思い出したのではないだろうか?

それは遊んだゲームのことかもしれない。一緒にプレイした友達のことかもしれない。または、ゲーム機をプレゼントされたときの記憶かもしれない。

よみがえってきた思い出を「懐かしい」と感じたのであれば、ノスタルジーの効果をわかっていただけたと思う。

ノスタルジーマーケティングの注意点

ノスタルジーマーケティングには注意点もある。まずは、ターゲットオーディエンスを意識して行う必要があるということだ。

何に対してノスタルジーを感じるかは、当然、年代によって変わってくる。そのため、特定の年代を狙ったマーケティングによって、その他の年代が離れていってしまう可能性もあるので注意したい。長年愛されてきた商品の販売中止、デザインやロゴの変更なども、ファンや顧客を敵に回す場合があることを覚えておこう。

また、ノスタルジーの押しつけは危険な場合がある。もちろん、人によってノスタルジーを感じるか、嫌悪感を抱くかのポイントは異なるだろう。しかし、好き嫌いが分かれそうな微妙なものは、避けるのが無難である。

若い企業でもノスタルジーマーケティングを仕掛けられる!?

ソーシャルメディアは、ノスタルジーマーケティングを行うのに最適なツールだ。

ブログにしてもSNSにしても、ユーザーがノスタルジーを感じやすい作りになっている。Facebookであれば、タイムラインをさかのぼって数年前の投稿や画像を見るだけで「懐かしい」と思うこともあるだろう。

TwitterとInstagramで使われているハッシュタグ「#ThrowbackThursday」、またはその省略形「#TBT」をご存知だろうか? これは「昔を振り返る木曜日」というような意味になる。多くの企業が長年の顧客とのつながりを強めるためにこのハッシュタグを利用し、古い画像などを共有しているのだ。

そこまで長い歴史を持たない企業であれば、店舗の最初の従業員、最初のお客さんの写真を投稿してみてはいかがだろうか? または、商品やWebサイトの初代バージョンから最新版までを並べて、進化を見せるという手もあるだろう。

ソーシャルメディアを使ったノスタルジーマーケティングの利点は、新しくて小さい企業でも簡単に始めることができることだ。そのメリットを最大に活かし、ファンの心を掴んでいただきたい。

最後に

ノスタルジーをマーケティングに取り入れることが効果的な理由が、わかっていただけたかと思う。しかも、ノスタルジーは比較的若い企業でも利用できるのだから、使わない手はないだろう。

まずは自社の歴史を(例え短くても)振り返り、「3周年記念」「5周年記念」などと題して写真を投稿してみてはいかがだろうか? または、提供している商品、サービス、業界の歴史を振り返っても面白いかもしれない。

ノスタルジーの効果的な活用を、ぜひ検討していただきたいと思う。

参考元:
Why Nostalgia Is An Effective Marketing Strategy, Explained By Science
Nostalgia Marketing: Harnessing the Power of the Past
Remember How Awesome Nostalgia Marketing Was?