NIKEとGEから学ぶ、ビジュアルプラットフォームを駆使したブランディング戦略

コンテンツマーケティング

ビジュアルコンテンツの最大の利点とは何だろうか?

それは、ビジュアルコンテンツは「イメージ」を伝える媒体として非常に優れている点である。この特性を活かし、ビジュアルプラットフォームを駆使して、自社のブランドイメージを訴求していくマーケティング手法が注目を集めている。

本日は、GEとNIKEを例に、ビジュアルプラットフォームでブランディングを図る方法をご紹介したい。

ゼネラル・エレクトリック (GE)のビジュアルプラットフォーム活用事例

ゼネラル・エレクトリック(以下GE)のコンテンツマーケティングについては、以前もTHE CONTENT MARKETINGで紹介させていただいたことがある。
*その記事はこちら→ 「地味な業界」ほどコンテンツマーケティングが効く訳

どちらかというと「地味」な業界に属している同社だが、ビジュアルプラットフォームを上手く活用している。

まずは同社のInstagramのページを覗いてみよう。すると、エンジンなどの迫力のある写真の中に、少し控えめなこの写真が混ざっている。

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出典:General Electric Instagram

これは、風力発電のタービンの写真である。華やかさこそないが、タービンのシンプルなシルエットのたたずまいが美しい。静穏さの中に、凛とした姿が際立っている。いままで風力タービンを美しいと感じたことなどなかったが、これを見た時初めてそう感じた。この写真は地味な素材の割に、2,600以上のシェアを獲得し、ユーザーから「素晴らしい」というコメントが次々に寄せられている。

実は、この写真を見る前にGEのWEBサイトで、風力発電に関わるエンジニアたちの動画を見ていたので、その後このInstagramの写真を見たときには、グっと胸に来るものがあった。

同社はPinterest上でも、GEの理念やタービンの豆知識、そしていろいろなアングルの写真やイラストを載せていて、見飽きることはない。

華やかさこそないものの、「科学の力、テクノロジー、技術革新」というGEのビジネスの原点を象徴的に表現しているのだ。

NIKEのビジュアルプラットフォーム活用事例

次に、ナイキの事例を見てみよう。

ナイキは、斬新なデザインのスニーカーで世界中の若者に人気となり、Apple社とコラボして商品開発するなど、巧みなマーケティング活動を展開している。

カラフルなスニーカーを数多く世に送り出し、「ファッショナブル」なイメージもある企業であるが、よく考えるとスニーカーは「運動靴」である。もともとは決して派手な商品ではない。

同社のInstagramのページを見てみると、「アスリートを応援するブランド」というブランド・アイデンティティーを体現するような、クールなコンテンツが多く見られる。

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出典:NIKE Instagram

ここでは、ナイキのスニーカーを履いて石畳を走る人の足元や、ジャンプしている人の足元をクローズアップしている。しかし、中にはスポーツ選手の上半身だけを捉え、スニーカーが全く写っていない写真もある。

全体的には、アスリートの写真が多い。これらのコンテンツは、彼らがナイキのスニーカーを履き、身体能力を最大限に活かす姿を印象的に映し出している。自社商品のブランド・アイデンティティーを、華美に装飾することなく、シンプルに表現しているのだ。

一方、同社のPinterestのページは少し趣向が異なっている。Instagramと同じようにアスリートの写真も載っているが、カジュアルな雰囲気のイラストも掲載され、気軽にPinできそうなコンテンツ集となっている。

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参照:NIKE Pinterest

ビジュアルプラットフォーム活用の成功要因とは?

今回見てきた2つのビジュアルプラットフォームの活用事例には、共通する成功要因がある。それは、次のような点である。

1. 自社の原点がぶれない

例えばGEの場合、「ビジュアル用」のプラットフォームだからといって、無理にカラフルな画像を用意することなく、自社製品のありのままの存在感をシンプルに伝えている。無駄な装飾がないので、「科学の力、テクノロジー、技術革新」というGEのビジネスの原点がダイレクトに伝わってくる。

また、ナイキの場合は、「アスリートのパフォーマンスを向上させる」という自分たちのビジネスの原点を、力強く見せている。人々がナイキに対して抱く「ファッショナブル」なイメージに乗っかって、「カラフル」で「トレンディ」なページを作るのではなく、商品の「原点」をダイナミックに表現しようとしている。

このように、「ビジネスの原点がぶれない」ページを作ると、不変的なブランド・アイデンティティーを表現することができ、顧客と長く信頼関係を築くことができるのだ。

2. 複数のプラットフォームやメディアを上手く活用

例えば、GEは、Cross Platform Promotion (CPP)を実践している。つまり、オウンドメディアやソーシャルメディアなど、他の異なるメディアにも同じテーマのコンテンツを違った形で載せ、発信するメッセージに深みを与えている。「一貫性」というブランディングの基本を押さえつつ、多方向的にメッセージを訴求することによって、消費者にGEのブランドイメージを定着させようとしているのである。今回の風力タービンの動画とInstagramの画像が、その一例である。

また、ナイキはプラットフォームを上手く使い分けている。Pinterestでは、そのプラットフォームのデザイン上、「クールさ」を表現しにくいが、Instagramで「クールさ」を訴求している。

基本的には、GEのようにどのチャネルでも一貫したブランドイメージを訴求することが定石である。しかし、NIKEなどの2側面以上のブランドイメージを持ったブランドであれば、このようなプラットフォームの活用方法も有効だろう。

まとめ

いかがだっただろうか?
前回の記事でも紹介したが、すでに国内でもビジュアルプラットフォームを活用する事例が増えてきている。しかし、その流行りに乗って闇雲に始めても決して思うような効果は得られない。

本日紹介した通り、ビジュアルコンテンツ活用の要はあなたの企業のブランドイメージ(原点)を定めることから始まる。

あなたの企業が消費者に抱いて欲しいイメージとは何だろうか?

この問いを明確にした上でビジュアルプラットフォームを活用すれば、きっとブランディング効果を獲得していけるはずである。

※ビジュアルプラットフォームの実践的な活用方法についてはこちらの記事をチェックしていただきたい。 
コンテンツマーケティングにおけるPinterest、Instagramの6つの活用方法

参照元:Visual Content: Which Brands Are Showing Marketers How It’s Done?

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