ニューロサイエンスを活用して最高のCMを作る

デジタルマーケティング
最近、消費者のCM離れが進んでいると言われている。
消費者はテレビを見ながら、パソコンや携帯電話を操作するのが一般的になってきたし、ハードディスクレコーダーが普及し、ボタン一つでCMをスキップ出来るようになった事も大きい。
このような状況下、企業側も消費者に訴求する映像を作るにはどうすればいいのかという模索が続いている。今回、消費者に受ける動画を作る上で、非常に興味深いニュースがあったので、ご紹介したい。
ニューロサイエンスを活用して最高のCMを作る
視聴率調査大手のニールセンの子会社が、CBSと協力してニューロサイエンス(神経学)を活用したCM作成に挑戦している。
彼らは、ニューロコンプレッションという独自の技術を使って、人間が広告に触れた際の脳波、目の動きを測定する。この技術を使う事で、消費者がどの広告の要素に反応したのかを理解する。
?今回、消費者がCMに接触している間の脳波の動きに着目する事で、テレビCMの時間を大幅に短縮できる事が判明した。しかも、広告効果を一切落とさずにだ。従来の30秒のテレビCMであれば、10秒から15秒程度に圧縮できるという。
研究者であるパラディープ博士によれば、人間の脳には、CMの一部が省略されていても、話しの流れを補って理解する能力があるという。ムダを取り除き、本当に重要な部分のみを残す事で、ずっと良いCMを生み出す事ができるという事だ。
今回の技術による影響は大きく二つある。
まず1点目は、広告宣伝費の節約だ。広告主に取ってみれば、従来の半分の時間で同じ効果のCMが打てるのだから、広告宣伝費の節約になるだろう。
次に興味深い点としては、クロスチャネルのプロモーションがやりやすくなる事だ。この技術を使えば、異なる長さの動画を使って、同じメッセージを訴求する事が出来るようになる。すると、異なる媒体に動画を展開しやすくなるのだ。
例えば、テレビCMと同じメッセージで、長さの異なる動画を作成し、スマートフォン、街頭のディスプレイ広告、動画サイトで配信するなどが考えられる。広告主は、共通のメッセージを様々なチャネルを通じて展開する事で、一貫したメッセージを伝える事ができ、より広告の効果を高める事が出来るだろう。
今回の技術は、全米のテレビネットワークであるCBSが採用し、販促キャンペーンで利用する予定だそうだ。どのような成果が出来るのか、要注目である。 写真のクレジット
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