ファッション業界の常識に挑戦するMUUSE

EC(Eコマース)

MUUSEというサービスを知っているだろうか?ファッション業界の常識に挑戦するビジネスとして関係者の注目を集めているのが、このサービスだ。

ファッション業界の常識に挑戦するMUUSE

MUUSE(ミューズ)とは?

MUUSEとは、デンマークのコペンハーゲンで生まれたアパレルのECサービスである。最先端の洋服のデザインをウェブ上に掲載し、オーダーメイドで注文販売するというサービスである。
ただし、ここで注文できるデザインは、まだ商業化されていないもの限られている。世界中の専門学校や大学院などに在籍している、未来のトップデザイナーの卵達のデザインを注文する事が出来るのだ。

有望な若手デザイナーの登竜門

ファッションの世界は競争が厳しい。才能はあっても、陽の目を見ないデザイナーが無数に存在する。MUUSEが提供するのは、そのような優れたデザイナーに自らの作品を発表し、顧客から注文を受ける事が出来るEコマースのプラットフォームなのである。

これは若手のデザイナーにとっては願ったり叶ったりである。というのは、一般に若手のデザイナーはビジネス経験が不足している事で、自らのレーベルを立ち上げられない事が多い。MUUSEによれば、デザイナーの90%は、ブランドを立ち上げようとして失敗していくという。

MUUSEが狙っている市場とは?

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MUUSEは、ターゲットの顧客層を上記のように分類している。縦軸が、洋服に対する知識の量、横軸が、洋服に対してお金を使うかどうかだ。
この4つの分類のうち、知識がありお金を使う層、右上の”Connosseur”(マニア層)をターゲットにしているという。

MUUSEの仕組みは?

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では、MUUSEは具体的に、どのような仕組みになっているのだろうか?

  1. 世界中のトップクラスの専門学校、大学院から選抜された学生が、ウェブサイト上に自らのコンセプトスケッチを公開する。
  2. 購入したいと思ったユーザーは、ウェブサイト上で欲しいかどうか、投票を行う。一定数の投票が集まると、注文の受付を開始する。
  3. 投票を行ったユーザーは、注文開始の案内を受け取る。(購入の義務は無い)
  4. 欲しいユーザーは、自らのサイズを採寸し、ウェブ上で注文を行う
  5. 実際に、注文が入ると生地が発注され、コペンハーゲンのテーラーが服の生産を開始する。(全てオーダーメイド)
  6. 顧客は、制作がどの程度進んでいるか、ウェブ上で確認する事が出来る。6~10週間後に商品が自宅に届く。

気鋭のデザイナーが続々と

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現在、84人のデザイナーが登録されており、新しいデザイナーが毎週4?5人のペースで増えて行っているという。現在、配送を受け取れるのは、米国とヨーロッパのみが対象で、残念ながら日本から注文する事は出来ない。

このサイトのもう一つの特徴は、サイト自体がSNSの機能を実装していて、お気に入りのデザイナーをフォローできる事である。ソーシャルコマースの一つの形と言えるだろう。

デザイナーを発掘するプラットフォーム

どうだろうか?なかなか面白いサービスなのではないだろうか?

このサービスの特徴は、以下の3点である。

  1. 従来、埋もれていたデザイナーを発掘するプラットフォームを作った事
  2. デザイナーは、MUUSEを通じて、顧客から「欲しい」「注文したい」というフィードバックを得る事が出来る
  3. 顧客は、世の中に流通していない、MUUSE限定の洋服を購入する事ができる。

特に、デザイナーと顧客をマッチングさせる事でお金の流れを作った事は、極めて意義深い。アパレルのデザインのようなクリエイティブな分野は、最先端なデザインをやればやるほど、ビジネス化が困難になる。そして、お金が続かないために、制作活動を断念するという事が極めて多いからである。デザイナーは、自らのデザインで収益を上げる事ができるので、その収益で制作費をまかなう事ができるし、ファンが多くなれば独自のレーベルを立ち上げる事も可能になるだろう。

実は、このような新しいタイプのEコマースが世界中で次々と生まれている。日本でも、今後様々な分野で新しいEコマースサービスが生まれてくるだろう。

どうだろう?あなたの周りで、ビジネス化に苦しんでいる業界はないだろうか?MUUSEのようにEコマースの仕組みを使う事で、ビジネス化を図る事はできないだろうか?


Source: Springwise AngelList