音楽はミレニアル世代への強力なマーケティングツール?

コンテンツマーケティング

アメリカの人口の25%を占めるミレニアル世代。経済的インパクトをもたらす彼らの購買力に企業も熱い視線を送っている。

ミレニアル世代を惹きつける、「音楽」をタッチポイントとしたマーケティングは有効なのだろうか?

ミレニアル世代×価値観

世代にはそれぞれ特徴がある。ミレニアル世代(1980年~2000年初頭生まれ)は、共同体への帰属意識が高く、社会奉仕やボランティアに積極的と言われている。

また、報酬よりも社会的意義を重視し、コラボレーションと平等に重点を置く。

そのため、従来の組織の形であるピラミッド型ではなく、ネットワーク型の働き方を好むと言われている。

音楽×ブランド×広告の関係

印象的な広告は、効果的に音楽を使っている。伝統的なテレビCMだけでなく、Webにおいても音楽は重要な要素である。

Bruner(1990)がマーケティングにおける音楽研究の重要性と方向性を示して以降、多くの音楽と広告に関する研究がある。

既知の音楽はブランドイメージを高め(参考:林雄一郎(2005):CM音楽のブランド・コミュニケーション効果)、ブランドに対する好意的な態度を形成する(参考:Alpert and Alpert 1990)。

喜びや悲しみ、さまざまな感情を呼び起こす音楽は、我々の日々の消費行動に影響を与えている。

ミレニアル世代×音楽×効果は?

ワーナーブラザーズ・レコードのロリ・フェルドマンによれば、音楽は人と人、イメージ、感情を強力に結びつける。

そのため、ブランドと消費者をつなぐ重要で不可欠なツールだという。

特にミレニアル世代は大義を重視する傾向が強いため、メッセージ性の強い、パワフルな音楽は、社会的な行動につながりやすい。2012年にイギリスで実施された、アムネスティ・インターナショナルの学生向けプログラム「The Power Of Our Voice」が良い例だろう。

ミレニアル世代×音楽×社会的意義~音楽が行動を促し、音楽が社会を変える~

このプログラムは、メッセージソングの理解と音楽を活用してどのように社会に変化を起こすかを学習するものだ。

音楽を通して社会的利益に貢献する企業として、ウオッカのブランド、アブソルートのケースがある。

2014年夏のレディ・ガガ・コンサート内で、アブソルート・ガガ(Absolut Gaga)コンテストを開催し、地域社会を変革する創造的なアイデアを募集して、よりよい社会実現のための支援を行っている。

ミレニアル世代×音楽×体験

「音楽の体験が直接購買に結びつく」という調査結果もある。

アパレルのラコステは、コーチェラ(アメリカ最大のロックフェスティバル)にてライブを主催している。このライブは、ブランドと音楽を通して、ブランドに好意を持つ顧客同志あるいは、顧客とブランドを密接につなげる役割を果たしている。

多くの参加者が写真や記事を大量に投稿する人気のライブのため、しばしばVOGUEやニューヨークタイムズなど、大手メディアに取り上げられる。

モメンタムワールドが実施した調査によると、ライブに参加した65%がブランドを推奨し、のちに59%がそのブランドを購入していた。

消費者へのリーチにおいても、PRやソーシャルカンバセーション、潜在的なセールスの面から大成功といえるだろう。   

ミレニアル世代×音楽×テクノロジー

このようなエモーショナルなつながりと共有を促す音楽体験は、デジタルネイティブであるミレニアル世代にとって、ソーシャルネットワークをドライブする原動力になる。

LINEやSnapchat、YouTube、Facebookを通し、さらに多くの他者とのつながり感動を共有していく。オンデマンドの音楽配信サービス、SNSサービスの拡張など、最新のテクノロジーは、今まで以上に若者と音楽を親密なものにするだろう。

しかし、世界がデジタル化すればするほど、人々はより体感的な相互コミュニケーションを求める。

ミレニアル世代の価値観は、未来のマジョリティを表しているのかもしれない。

どうやら、音楽がすべての世代にとって重要なマーケティングツールであることは間違いないようだ。

参考元: 林雄一郎(2005):CM音楽のブランド・コミュニケーション効果 10 Ways Millennials Are Creating The Future Of Work Why Music Is an Effective Millennial Marketing Tool Bruner, G. C.Ⅱ.(1990), Music, Mood, andMarketing, Journal of Marketing Alpert, J.I. and Alpert, M.I.(1990), Music influences on mood and purchase intentions, Psychology and Marketing

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