ソーシャルメディアのマルチ利用:マーケターはどう対応すべきか、データから読み解こう!

コンテンツマーケティング
皆さんもご存知のとおり、今はユーザーが複数のソーシャルメディアを利用しているのが当たり前の時代である。ということは、企業もそれに対応し、各ソーシャルメディアでマーケティングを仕掛ける必要があるということだ。
しかし、闇雲に複数のプラットフォームを使えばいい、同じコンテンツを全てのSNSに投稿すればいいというものでもない。ソーシャルメディアをマルチ利用しているユーザーは、プラットフォームによって異なる話題を好む傾向があるからだ。また、SNSごとにつながりたい、と思っている相手が異なることもわかっている。
ありがたいことに、そういったユーザーの傾向を詳しく調査したデータが存在するので、その一部をご紹介したいと思う。ぜひ参考にして、今後のソーシャルメディア戦略に役立てていただきたい。
データその1:マルチ利用の現状
ソーシャルメディアの利用状況を調査したのは140 ProofとIPG Media Lab。データは2社がアメリカで行った、18歳から59歳までのオンラインユーザーとモバイルユーザー500人の調査結果である。
最初にソーシャルメディアの複数利用の状況から見ていこう。
まず、成人の半数以上、1億700万人が2つ以上のSNSを利用しているという結果が出ている。このグループの中でのマルチ利用の数は以下のとおりだ:
3つ以上 = 73% 4つ以上 = 56% 5つ以上 = 40% 6つ以上 = 30% 7つ以上 = 23%
2つ以上のSNSを利用しているうちの半数以上が4つ以上、約2割が7つ以上利用しているというのはけっこうな数字ではないだろうか。
このデータから分かるのは、Facebookでのマーケティングだけに力を入れるのでは十分ではないということ。Twitter、LinkedIn、Google+、YouTube、Pinterest、Instagramといった複数のSNSも視野に入れるべきだ。
データその2:各ソーシャルメディアで繋がりたい相手
次に、ユーザーがそれぞれのSNSでつながりたい相手を見てみよう。まず、家族や友人との交流目的で一番利用されているのはFacebookだ。これはFacebookの作りや歴史を考えると、当然の結果と言えるだろう。
ビジネス上のつながり、業界の専門家との交流においてトップに立っているのはLinkedIn。これもLinkedInがビジネス特化型のSNSであることを考えると納得だ。
文化人とつながる場として選ばれているのはTwitterである。
しかし、我々が一番興味あるのはブランドとのつながりの場だろう。これはFacebookがトップ、次いでTwitter、Pinterestという順である。InstagramとLinkedInはこの分野では少し弱い印象を受ける。
ブランドとつながっているユーザーが多いからといって、Facebookで売り込みをするのはもちろんNGだ。直接交流することを望んでいないユーザーも多いかもしれない。
ヒントとなるのはFacebookが家族や友人との交流に使われていることだろう。友人として接する気持ちで、各ユーザーのネットワーク内でシェアしてもらえるコンテンツを提供していこう。
データその3:各ソーシャルメディアに求める話題
最後にユーザーが、どのSNSにどんな話題を求めているかをご紹介する。異なるトピックそれぞれにおいて1位の座に輝いたSNSは次のとおりだ:
食べ物/食事 = Facebook セレブ/ゴシップ = Twitter ビジネス/業界 = LinkedIn インテリア = Pinterest 家族/子育て = Facebook ブランド/企業 = Facebook ファッション/ビューティー = Pinterest テクノロジー = FacebookとTwitter ホビー = FacebookとPinterest
Pinterestが、視覚的に見せた方が効果的なインテリアやファッションなどで、であることは納得できる。
LinkedInはビジネスでは第1位だが、ブランド/企業の分野では最下位なのが興味深い。ブランド/企業は「つながりたい相手」と同様に、Facebookが1位で、Twitterが2位につけている。
全てのメジャーなSNSをカバーしようと思っているのであれば、このデータはかなり参考になるはずだ。取り扱っている商品、サービスの分野によって、どのプラットフォームにより力をいれるべきなのかが見えてくるだろう。
最後に
各ソーシャルメディアの特徴、傾向がある程度わかっていただけたのではないだろうか? どういったユーザーがいつ、どのSNSをどんな目的で利用しているかを把握すれば、少しは対策も立てやすいはずだ。それぞれのプラットフォームに合わせて、適切なコンテンツを提供していくようにしたい。
インターネットの世界は移り変わりが早い。Global Web Indexの調査によれば、Facebookの「いいね!」のクリック率は少しずつ減少し始めている。Facebookマーケティングの効果がいつまで続くかだって、誰にもわからないことだ。
今後も上記のような情報にアンテナを張り、時代の流れを読みながらその時々でベストな対応をしていくしかないだろう。
マーケターたちの戦いは、これからもまだまだ続くのである。
参考元:?Are You Ready For Multi-Platform Social Media Use??How People Use Different Social Networks in Different Ways
関連記事:?知っているようで知らない!?ソーシャルメディア戦略の基本?コンテンツマーケティングにありがちな5つの課題と解決法?Facebook — 囁かれる「若者離れ」と今後の成長の鍵
人気記事