モバイルコマースで必ず押さえるべき4つのポイント

EC(Eコマース)
先日発表された調査によると、国内のスマートフォンの普及率は18%で、1年前に比べて2倍になっていると言う。急速にスマートフォンが普及する中で、モバイルコマースの売上を伸ばしていくのが重要なテーマである。海外のQ&AサイトであるQuoraに、モバイルコマースの戦略に関して良いQ&Aがあったのでご紹介したい。
モバイルコマースで必ず押さえるべき4つのポイント
1 モバイルに最適化されたWebサイト
Webサイトのモバイル対応とモバイルアプリとどっちを優先するべきだろうか? 答えは簡単だ。最初にWebサイトのモバイル対応をおこなうべきである。
モバイルサイトは、アプリと違ってOS毎に別のアプリを開発する必要がない。また、1注文当たりの平均購入金額や転換率(コンバージョン)もアプリより高い数値となる傾向がある。花の通販で有名な1-800 flowersは、Webサイトをモバイル向けに最適化した結果、モバイル経由の売上が対前年比で9900%増(!)となったそうだ。
2 モバイルのアプリを開発する
モバイル対応サイトを作ったら、次はモバイルアプリに着手してもよい。 ただし、最初にターゲットとなる顧客は誰なのか?そして、どの端末を使っているのかを良く考える事が大事だ。 高級なブランドならiPad/iPhoneユーザーが親和性が高いし、電気製品やガジェットを売ろうとするなら、アンドロイド端末のユーザーに向けてアプリを出す方がいい。
3 時間限定オファー
なんと言っても、モバイルコマースの威力を発揮するには、時間限定のオファーを行うに限る。 例えば、米国のオークションサービスであるイーベイ(eBay)は、世界で一番モバイルコマースの売上を上げている。同社のモバイル経由での流通総額は、2010年に20億ドル強だったものが、2011年には50億ドルに跳ね上がった。そして2012年には80億ドルを超えると予測されている。この数字は、eBayの全売上の12%を占める。
一方で、アマゾン(Amazon)の2010年のモバイル端末からの売上は、約10億ドルだ。これは全体の売上340億ドルの3%未満だ。
eBayとAmazonの両社は、幅広い商品を揃えているし、そして両社とも秀逸なスマートフォンアプリとモバイルサイトによる強力な販売展開をおこなっている。
だが、大きな相違点がある。それは、eBayはオークションのサービスで、入札の締切という、時間的な制約があるという点だ。 イーベイのサービスでは、Amazonと異なり緊急性が伴うのだ。
もう一つの事例を挙げよう。現在モバイルコマース市場で、最も成長している領域であるフラッシュマーケティングである。
フラッシュマーケティング最大手の1社であるギルト(Gilt)は、2011年のクリスマス休暇中の売上のうち、約20 %がモバイル端末からであったと報じた。他の事業者のでは、モバイルコマースの売上が、平均すると、全体の6.6%程度であり、Giltのモバイル経由の売上がいかに大きいかが分かる。(IBM調べ)
フラッシュマーケティングの大きな特徴は、商品の販売期間が限定される点だ。発売開始後、24時間〜72時間程度で販売が終了してしまうし、多くの場合、発売後1-2時間で売り切れてしまう場合も多い。
ユーザーは、家に帰ってからゆっくりと買うという時間は無い。なぜなら、お目当ての商品が売り切れてしまうかもしれないからだ。 このため、ギルトのユーザーは、ギルトのアプリや、モバイルサイトを頻繁に訪問して、常に商品をチェックし、欲しいものが見つかるとその場で購入するのである。
オークションやフラッシュマーケティングのように、時間限定のオファーは大変に効果が高い。 例えば、通常のインターネット通販のサイトであっても、何らかの時間限定のオファーを提供する事がおすすめである。 例えば、週末限定のプロモーション、あるいは月1の24時間限定セールなど、締切を設定したセールを効果的に使う事で、モバイル経由での売上を伸ばす事が出来るだろう。
4 モバイル限定施策
次はモバイルのユーザーにのみ特典を与える施策、モバイル限定施策である。 ここからは応用編だ。
例えば、米国の旅行予約サービスであるTravelocityは、モバイルアプリからアクセスしたユーザー限定で、PCユーザーよりも低いレートを提示するサービスを開始し、大きな成果が得られている。
米国のドラッグストアチェーンであるウォールグリーンも、モバイルコマースの売上を増やすために、モバイルユーザーに限定した割引クーポンを提供した。
このようなモバイル限定でのプロモーションは、シンプルだがユーザーにモバイルコマースのサービスを認知してもらうために有効な方法だ。
他にも、モバイル限定ユーザーに対して、送料を無料にする、モバイル専用の割引クーポンを配布する、新発売の商品・サービスを他のユーザーよりも先行して案内するなど、モバイル限定の施策には多くの方法がある。
まとめ
どうだろう?参考になっただろうか? 上記のアドバイスは、私の楽天時代の経験とも一致する。 当時はガラケーだったけれど、モバイルの売上を伸ばすのが上手な店舗は、専用サイトを作り、モバイルユーザーだけに限定商品を売り出すなどの工夫をしていた。そういう意味では、上記の4つのポイントは、モバイルコマースの基本戦略と言えるだろう。 モバイルコマースで売上を伸ばしたい人は、是非上記のポイントを取り入れて見て欲しい。 Photo Credit:sparktography
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