新時代の消費行動に備えよ!ミレニアル世代の「5つのR」

デジタルマーケティング
ミレニアル世代。
皆さんはこの言葉をご存知だろうか。アメリカの10代~20代の若者達を指す言葉である。アメリカでは今このミレニアル世代が注目されている。それは彼らの消費行動が、従来の消費者のそれとは大きく異なるからだ。そのため従来のマーケティング手法では、彼らを消費に駆り立てることはできないと言われている。
では彼らに対し企業はどう対応すれば良いのだろうか?
今回は彼らミレニアル世代の性質と、成功したマーケティング事例をご紹介する。
キーワードは「5つのR」だ。
シェアしたがるミレニアル世代
ミレニアル世代、それは米国において1980年代から2000年代初頭に生まれた10代、20代の若者の総称だ。この世代の消費行動の特徴は「シェア」。彼らはもうテレビやネットで一方的に流される広告には心を動かされない。彼らが消費を決定する際に求めているのはFacebook、Twitter等のSNSでの他者との情報交換、「シェア」なのだ。
そんな彼らのシェアの特徴は5つのRで表現できる。それは、Reach(リーチ)、Relevance(関連性)、Reputation(評判)、Relation(つながり)、そしてReferral(紹介)だ。ではこれらが具体的に何を意味するのか、次項で見ていこう。
ミレニアル世代の5つのR
ミレニアル世代に対するマーケティングでは5つのRに注目することが必要だ。これを理解しておくことが彼らの消費を獲得するカギを握っている。では以下で各項目について説明していこう。
1. Reach(リーチ)
ミレニアル世代にリーチするにはSNSが不可欠だ。調査によるとミレニアル世代の52%の人がSNS上で好きなブランドを見つけており、39%の人が購入した商品のレビューを投稿していることが明らかになっている。そのため、まずはSNSマーケティングの手段を準備することが必要となる。
2. Relevance(関連度)
ミレニアル世代は多くの関係者の意見を考慮する。彼らは一部の専門家のアドバイスだけでは消費を決断しない。彼らが消費決定の際に重視するのは、家族・友人などの近しい人からネット上の匿名の人までの、大多数の人から得られる意見の総評なのだ。そのため、SNS上で大きくバズらせることが必要となる。
3. Reputation(評判)
ミレニアル世代は身につける製品を自己表現の手段として考える。調査によると、実にこの世代の50%の人が、消費するものは自分自身を表すブランドだと感じる。そのため企業は、消費者がどんなブランドを身につけたいかを理解する必要がある。
4. Relation(つながり)
ミレニアル世代は企業とのつながりを求める。調査によると、それ以外の世代と比較し、実に2倍以上のミレニアル世代が、製品を通じ企業と対話できることが製品選びの選択基準だと言っている。そのため、企業はその製品を売って終わりとするのではなく、その製品を通じた交流の場を提供する必要がある。
5. Referral(紹介)
ミレニアル世代は自分の考えを他人とシェアすることを望んでいる。調査によると、この世代の半数以上がSNS上で自分の好みのブランドをアピールしたいと思っている。同様に彼らはSNS上で商品やブランドに関する情報を得たいと思っている。そのため、企業は消費者が購入した製品を表現する場を準備する必要がある。
以上がミレニアル世代を表す5つのRだ。ではこの理解をどう活かしてマーケティングを行えば良いのか? それを次項で見ていこう。
ミレニアル世代を惹きつけているマーケティング事例
5つのRを意識するとどのような効果が得られるのか? 今回はその効果を示す事例を3つ紹介しよう。
アーバン・アウトフィッターズ
衣服メーカーであるアーバン・アウトフィッターズはShow Us Your OUというキャンペーンで消費者が服を着た姿を表現できる場を提供している。これにより消費者は服を買ったという経験を他人、企業と共有できるようになっている。
Show Us Your OU
ケンダル・ジャクソン
ワイン会社のケンダル・ジャクソンは、モバイル上でワインに関する知識が学べるK-J Recommendsを提供している。これにより消費者は、ワインを通して企業とつながることができ、まさに「Relation」が実現できている。
k-j-recommends
ダンキンドーナツ
ファーストフード店であるダンキンドーナツはFacebookとTwitter上で#mydunkinというキャンペーンを実施し、ダンキンドーナツのファンが自身の経験をシェアする場を提供した。これにより消費者は、「ダンキンドーナツを食べている自分」というブランドを身にまとえるようになった。
#mydunkin
以上が「5つのR」を意識して、ミレニアル世代の支持をとりつけた事例だ。今後マーケティング戦略を立てる際の良い参考になるだろう。
まとめ
これまでの消費者とは異なる性質を見せるミレニアル世代。彼らの消費の決定軸は、他人と消費経験をシェアできるかどうかである。そんな彼らを惹きつけるためには、前述した5つのRを意識したマーケティング戦略を立てることが必要となる。またこれはアメリカだけに留まるものではなく、同じような社会変化を遂げている日本でも起きている(シェアハウスの流行がその一例だ)。そのことを意識して、マーケターも新時代の消費に備える必要があるだろう。
参考元:
Meet the Millennials: The consumers to change the marketing landscape
The Millennial Generation Is Changing the Face of Consumer Marketing
5 ways brands are marketing to Millennials
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