究極にシンプルな“察する”メッセージアプリ「Yo」

デジタルマーケティング

メールを打つほどの用事はないけれど、誰かとゆるくつながっていたい……。そんなときに便利かもしれないメッセージアプリがある。

その名も、「Yo」。

2014年4月1日、エイプリルフールの日にAppleから無料配布されて以来、じわじわと人気が広がり、2カ月で95万人のユーザー数を獲得した。今、最もホットなアプリの1つなのだ。

シンプルすぎるメッセージアプリ、「Yo」とは?

メッセージアプリ, Yo, SNS疲れ出典:メッセージアプリ「Yo」の操作画面と通知

メッセージアプリ「Yo」は、登録してあるユーザーの名前をタップするだけで、通知ボイスの「Yo」とともに、「Yo」とショートメッセージを送ることができるのだ。

登録するときは、ユーザー名(大文字のみ)と4ケタの暗証番号を設定するだけ。自己紹介ページはなく、プロフィール画像もない。文字を打つ機能もないし、写真を投稿する機能もない。繰り返すが、登録してあるユーザーに、「Yo」と送るだけである。

「Yo」が誕生したきっかけとは?

ニューヨークタイムズによると、「Yo」が誕生したのは、投資家であり、画像や動画の共有アプリ「Mobli」のCEOであるモシェ・ホゲ氏が、「秘書に用があるときに、『ちょっと来て』と呼べるアプリがほしい」と、当時の部下であるオル・アーベル氏に提案したのがきっかけだ。

アーベル氏は、「そんなの馬鹿げている。ほかの人が使えないじゃないか。第一、個人で秘書を雇っている人が限られている」と、当初は否定的だった。

しかし、ホゲ氏は諦めなかった。ホゲ氏の熱意に負けたのか、数日後、アーベル氏は、「Yo」のコンセプトを思いついた。「そのとき、ロスにいる友達と、意味のないテキストメッセージを使って、コミュニケーションをとっていることを思い出した」と、アーベル氏は語っている。

開発にかかった時間は、たったの8時間。こうして、「Yo」は誕生した。のちにホゲ氏は、このジョークのようなアプリに1億円の投資を行った。

「Yo」は、“察する”アプリ

「ただ、『Yo』と送るだけのアプリだと思われているけど、本当はそうではない」と、ニューヨークタイムズに語ったのは、アプリを開発したアーベル氏だ。

「僕らは、『コンテクストを基本とした、メッセージングアプリ』と呼びたい。その言葉(「Yo」)の意味している背景を、“察する”のだ」。

IFTTTサービスとの連結をスタート

さらに、最近では、IFTTT(If This Then That)という、それぞれのWebサービスを連結させて、相互に情報のやり取りを可能にするサービスとも提携している。

メッセージアプリ, Yo, SNS疲れ出典:IFTTTサービスと連結するこのようなことができる(Yo Channel)

このサービスへの参入により、「Yo」して特定の相手に電話をかける、「Yo」してPhilip hue(アプリでコントロールできる電気)を消す、「Yo」してBelkin WeMo(WiFiで制御する電源スイッチ)をコントロールすることが可能になった。

「Yo」が、「Yo」以上の意味を持ち始めたのだ。

ハッキングした大学生を社員に採用

「Yo」は、発表初期の頃、ジョージア工科大学のある学生と、そのルームメイト2名により、ハッキングされてしまったことがあった。

現在では、名前やEメールアドレス・Facebookのアカウント登録も必要なく、「Yo」のユーザーネームのみで使用可能だ。そのほかの情報については、「Yo」では保管すらしていないため、リークされないという。ハッキングにより、よりシンプルさを追求する形になったのだ。アーベル氏は、「初期段階でハッキングしてくれて、逆にラッキーだった」と話している。

セキュリティ面の強化が解決した後、アーベル氏は、ハッキングした大学生と連絡をとり、彼を採用したというのだから驚きだ。

こんなときに「Yo」~夫婦編

アーベル氏によると、開発のきっかけになったホゲ氏の妻は、夫に対して、「『愛している』というメールが充分に送られてこない」と、文句を言っていたそうだ。

そこでホゲ氏は、日中、妻に「Yo」を頻繁に送った。「Yo」に隠された意味を、「君のことを思っている」と受け取った妻は、その後文句を言わなくなったそうだ。

メッセージを送るほどでもない。電話するほどでもない。それでも離れている間、「Yo」は、誰かと“ゆるく”つながっていられるアプリなのである。

「愛している」のほかにも、「おはよう」「ご飯ができたわよ」「ちょっと来て」「まだ起きてる?」「おやすみ」など、「Yo」の活躍する場面は、たくさんありそうだ。

まとめ

面倒くさいことは抜きにして、とことんシンプルを極めた、“察する”メッセージアプリ「Yo」は、現在、日本でも使い始める人が少しずつ増えている。

Twitterのつぶやきを、いかにリツイートしてもらうか。ファボられたことに一喜一憂し、フォロワーが1人でも減れば悲しい。Facebookを開けば、「結婚しました」「子どもが産まれました」的な、“リア充”な投稿だらけで、それに比べて、「自分は、いったい何をやっているんだ」と、頭を抱える……。かといって、やめちゃうのもなんだか寂しいし、誰かとなんとなくつながっていたい。

そんなSNS疲れ気味なアナタに、ぜひ試していただきたい。

参考元: Messaging App Gets People Talking With One Word: Yo 'Yo' app hacked by college students, hires one of the hackers Your Questions About That New Ridiculous App Yo, Answered

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