SEO内部対策とは、自社のウェブサイトの構造、コンテンツ、HTMLタグなどを最適化することで、検索エンジンからより高く評価されるようにする取り組みです。外部対策がサイト外部からの評価を高めることに対し、内部対策はサイト自体の質を高めることに重点を置きます。
例えば、あるファッションECサイトがSEO内部対策に取り組んだとします。まず、サイトマップを作成し、URLの構造を分かりやすく整理します。次に、各ページのタイトルタグやメタディスクリプションを最適化し、ターゲットキーワードを適切に配置します。商品ページには詳しい商品説明を記載し、ブログではファッションに関する有益な情報を定期的に発信します。こうした地道な取り組みにより、検索エンジンから高く評価され、検索順位が上昇していくのです。
ウェブサイトの構造最適化の第一歩は、情報設計とサイトマップの作成です。情報設計とは、サイト内の情報を整理し、ユーザーにとって分かりやすい構造を設計することです。サイトマップは、ウェブサイトの全ページを階層構造で表現した地図のようなものです。
具体的には、まずサイトの目的とターゲットユーザーを明確にします。次に、サイトに必要なページを洗い出し、それらを分類・整理します。各ページの階層関係を決め、URLの構造を設計します。この過程で、ユーザーにとって直感的で分かりやすい構造を心がけることが重要です。
例えば、ある企業のコーポレートサイトの場合、トップページ、会社案内、製品・サービス紹介、採用情報、お問い合わせなどのページが必要だとします。これらを整理し、トップページから3クリック以内で目的のページにたどり着けるような構造を設計します。サイトマップ作成ツールを使えば、視覚的に構造を確認できます。
情報設計とサイトマップ作成は、SEO内部対策の基礎となる重要な作業です。ユーザーと検索エンジンの両方にとって、最適なサイト構造を目指しましょう。
B2Bサイト制作で実績と定評のあるイノーバでは、お客様の業種や目的に合わせたサイト設計をご提案しています。
ウェブサイトの各ページのURLも、SEO内部対策で最適化すべき重要な要素です。URLは、そのページの内容を端的に表す簡潔で分かりやすいものであることが理想的です。
具体的には、URLには以下のような特徴を持たせるのが望ましいとされています。
例えば、ある車の販売サイトで、新車のセダンタイプの車種一覧ページがあるとします。「yoursite.com/car/new/sedan/」のようなURLが理想的でしょう。一方、「yoursite.com/products/category/?id\_no=185」のようなURLは、SEO的にはあまり望ましくありません。
URLの命名規則を決め、サイト全体で統一することも大切です。全ページで一貫したURLフォーマットを採用し、URLに使用する単語の表記ゆれ (大文字・小文字、単数形・複数形、同義語の使い分けなど) にも注意しましょう。
内部リンクとは、サイト内のあるページから別のページへのリンクのことです。内部リンクを適切に設定することで、サイト内の情報の階層構造を明確にし、ユーザーとサーチエンジンの両方に対してサイトの構造を伝えることができます。
内部リンクを最適化するためのポイントは以下の通りです:
例えば、旅行代理店のサイトでは、人気の旅行先ページにはトップページやサイトマップ、関連する旅行記事からの内部リンクを多く設定するとよいでしょう。一方、社員紹介ページなどの重要度の低いページへの内部リンクは最小限に留めることが望ましいです。
また、パンくずリスト (ブレッドクラム) を導入することで、ユーザーと検索エンジンに現在のページの階層構造を伝えることもできます。例えば、「トップ > 国内旅行 > 関東地方 > 東京のホテル」のようなパンくずリストを設置すれば、直感的にページの位置づけを把握できるでしょう。
SEO内部対策の中でも特に重要なのが、コンテンツ最適化です。コンテンツ最適化の第一歩は、適切なキーワードの選定と配置です。
キーワード選定では、まず自社の事業やサービスに関連するキーワードをリストアップします。その際、検索ボリュームが多く、競合サイトが少ないキーワードを狙うのがポイントです。キーワードプランナーなどのツールを活用すれば、効果的なキーワードを見つけられるでしょう。
例えば、ペット用品のECサイトを運営しているとします。「犬 おもちゃ」、「猫 キャリーバッグ」など、ペットの種類と商品カテゴリーを組み合わせたキーワードを選定することで、より具体的なユーザーニーズを捉えることができます。
選定したキーワードは、ページタイトル、見出し、本文、画像のalt属性など、ページ内の各所に自然な形で配置します。その際、キーワードの詰め込みすぎには注意が必要です。あくまでもユーザーにとって読みやすく、分かりやすいコンテンツを心がけましょう。コンテンツマーケティングにおいて、自社でキーワード選定から記事執筆まで一貫して行うのは容易ではありません。イノーバでは、お客様の業種やニーズに合わせたキーワード選定とSEOライティングを代行しております。
検索エンジンに高く評価されるコンテンツづくりには、質と量の両面が求められます。まず、コンテンツの質を高めるためには、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが重要です。オリジナリティのある内容や、専門的な知見に基づく解説は、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、サイトの信頼性やオーソリティも高める効果が期待できます。
例えば、健康食品や化粧品を販売するサイトであれば、商品の成分や効果に関する科学的根拠を示したり、専門家による監修を受けたりすることで、信頼性の高い情報を提供できるでしょう。
コンテンツ作成のプロセス一方、コンテンツの量を確保するためには、定期的に新しい記事を公開していくことが求められます。多くのページ数があれば、それだけ検索エンジンにインデックス (登録) されるURLが増え、流入のチャンスが広がります。ただし、質の低いコンテンツを大量に公開しても意味はありません。あくまでも、質を担保しつつ、量を確保していくことが理想的です。
サイトのコンテンツを定期的に更新することも、SEO内部対策として効果的です。検索エンジンは、頻繁に更新されているサイトを「鮮度が高い」と判断し、高く評価する傾向にあるためです。
理想的な更新頻度は、サイトの種類や規模によって異なります。ニュースサイトであれば毎日のように更新されるべきですし、企業サイトであれば週1~月1回程度の更新が望ましいとされています。ただし、更新頻度にこだわるあまり、無理にコンテンツを作成する必要はありません。あくまでも、ユーザーにとって有益な情報を、自然なペースで更新していくことが大切です。
コンテンツの更新は、新規ページの追加だけでなく、既存ページの内容を充実させることでも実現できます。例えば、過去の人気記事に新しい情報を追記したり、古くなった情報を削除・修正したりするのも効果的でしょう。
イノーバでは、お客様のサイトの更新頻度や更新内容について、最適なご提案をさせていただいております。B2Bマーケティングの観点から、貴社のビジネスゴールに沿ったコンテンツ更新プランをご提案いたします。
HTMLタグのSEO内部対策で特に重要なのが、タイトルタグとメタディスクリプションの最適化です。タイトルタグは、検索結果ページ (SERP) で、各ページのタイトルとして表示されるテキストです。一方、メタディスクリプションは、タイトルの下に表示される説明文です。
タイトルタグは、ページ内容を端的に表現し、ユーザーのクリック意欲を高めるようなものが理想的です。タイトルにはメインキーワードを含め、全角35文字程度に収めるのがベストプラクティスとされています。例えば、「【2024年版】東京の観光スポットランキング10選」のように、キーワードを含みつつ、具体的で魅力的なタイトルを設定しましょう。
メタディスクリプションは、タイトルを補完し、ページの内容をより詳しく説明するものです。こちらも全角で80文字程度に収めるのが望ましいです。例えば、先ほどの観光スポットの記事であれば、「東京にある人気の観光名所をランキング形式で紹介。定番スポットから最新スポットまで、東京観光の参考になってください。」のような感じです。
タグ | 文字数 |
---|---|
タイトルタグ | 全角35文字以内 |
メタディスクリプション | 全角80文字以内 |
タイトルタグとメタディスクリプションは、ユーザーの検索行動に直結する重要な要素です。ページごとに最適なタイトルとディスクリプションを設定し、クリック率 (CTR) の向上を目指しましょう。
見出しタグ (h1~h6) も、SEO内部対策で重要な役割を果たします。見出しタグは、ページ内の見出しに使用するもので、数字が小さいほど上位の見出しを表します。見出しタグを適切に使用することで、ページ内容の階層構造を明確にできます。
見出しタグの使い方のポイントは以下の通りです:
例えば、この記事では、以下のような見出しの階層構造になっています:
見出しタグを使って、ページ内容を論理的に構造化することで、ユーザーにとって読みやすく、わかりやすいコンテンツになるでしょう。
ウェブサイトには、文章だけでなく画像も多く使われます。画像を最適化することで、サイトの読み込み速度を上げ、SEO効果も高めることができます。
画像のSEO対策で重要なのは、ファイル名とalt属性の最適化です。画像のファイル名は、画像の内容を表すキーワードを含むものが望ましいです。例えば、「red-dress.jpg」のように、具体的で説明的なファイル名を付けましょう。
alt属性は、画像の代替テキストを指定するための属性です。画像が表示されない環境 (テキストブラウザなど) や、画像の読み込みに失敗した場合に、代わりに表示されるテキストです。alt属性にも、画像の内容を表すキーワードを含めるのが理想です。
また、画像ファイルのサイズを適切に圧縮することも大切です。高画質な画像は、ファイルサイズが大きくなりがちです。ページの読み込み速度を上げるためにも、画像の品質を落とさない程度に圧縮しましょう。
ウェブサイトのパフォーマンス、特にページの読み込み速度は、SEOにおいて非常に重要な要素です。読み込み速度が遅いサイトは、ユーザー体験を損なうだけでなく、検索エンジンからも低く評価されてしまいます。
ページの読み込み速度を改善するためには、以下のような方法があります:
例えば、WordPressなどのCMSを使っている場合、プラグインの数が多くなると読み込み速度が低下しがちです。定期的にプラグインを見直し、不要なものは削除するのが賢明でしょう。また、GoogleのPageSpeed Insightsなどのツールを使えば、サイトのパフォーマンスを測定し、改善点を把握できます。
スマートフォンの普及に伴い、モバイル端末からウェブサイトを閲覧するユーザーが増えています。検索エンジンも、モバイルフレンドリーなサイトを高く評価する傾向にあります。サイトがモバイルフレンドリーであるかどうかは、SEOにおいて無視できない要素といえるでしょう。
モバイルフレンドリーなサイト作りのポイントは、レスポンシブWebデザイン (RWD) の採用です。RWDとは、PC、スマートフォン、タブレットなど、閲覧する端末の画面サイズに応じてレイアウトが最適化される手法です。1つのHTMLとCSSのコードで、様々な端末に対応できるのが利点です。
RWDを実装する際は、以下の点に注意しましょう:
サイトがモバイルフレンドリーかどうかは、GoogleのMobile-Friendly Testツールを使えば簡単にチェックできます。モバイルユーザーにとって快適なサイトづくりを心がけましょう。
ウェブサイトのセキュリティ対策として、SSL化 (HTTPS化) が重要視されています。SSLは、サイトとユーザーの通信を暗号化し、情報の盗聴や改ざんを防ぐセキュリティ技術です。HTTPSは、SSLを利用した安全な通信方式のことを指します。
Googleをはじめとする検索エンジンもSSL化を重視しており、SSL化されたサイトは検索ランキングで優遇される傾向にあります。サイトのSSL化は、SEO内部対策の一環として欠かせません。
SSL化を行うには、まずSSLサーバー証明書を取得する必要があります。サーバー証明書には、ドメイン認証型、企業認証型、EV認証型などの種類があり、用途に応じて選択します。証明書を取得したら、サイトのURLをHTTPからHTTPSに変更し、常時SSL化を行います。
SSL化を実装する際は、以下の点に注意が必要です:
SSL化は、サイトの信頼性を高め、ユーザーに安心を提供する上でも重要な取り組みです。早期のSSL化を検討しましょう。
ここまで、SEO内部対策の具体的な方法について詳しく解説してきました。最後に、SEO内部対策を進める上で押さえるべき重要ポイントを3つ挙げておきます。
SEO内部対策は、ウェブサイトの基盤を整える地道な作業の積み重ねです。王道を外さず、適切な対策を積み重ねることが、中長期的にサイトの評価と検索順位を高める鍵となるでしょう。
本記事では、SEO内部対策の重要性と具体的な方法について詳しく解説しました。サイト構造の最適化、コンテンツの充実、HTMLタグの適切な使用など、様々な角度からサイトを最適化することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。
SEO対策は、一朝一夕で成果が出るものではありません。地道な努力の積み重ねが必要です。しかし、その努力は必ず報われるはずです。自社サイトを「ユーザーにとって価値あるサイト」にしていくことが、SEO対策の本質だと言えるでしょう。
SEO内部対策に取り組む際は、本記事で紹介した方法を参考にしつつ、自社の状況に合わせてアレンジしていくことが大切です。「Rome was not built in a day.」(ローマは一日にしてならず)という言葉がありますが、SEO対策も同様です。地道な努力を重ね、今日から一歩ずつ前進していきましょう。