ショッピングモールがクイズショーの場に!?Mattel社「Pictionary」の広告に注目!

コンテンツマーケティング

バービー人形やUNO、そしてホットウィールなど、さまざまな傑作を生み出し続けているMattel(マテル)社。カリフォルニアに本社を構える同社は、1945年に創業して以来、今や世界最大の規模を誇るアメリカの玩具会社に成長した。

そのMattel社が、30年以上愛され続けている自社ゲーム「Pictionary(ピクショナリー)」のブームをもう一度巻き起こそうと、面白い広告をカナダのショッピングモールで展開し、ソーシャルメディア上で話題になっている。

Pictionaryは、制限時間内で手早く書いたスケッチを、相手チームがハチャメチャな推測をしながら当てていく、いわゆる「描かれた絵を当てる」ゲームである。

ここでは、動くはずのない広告の中の人間がモール内を行き交う人々に即興Pictionaryゲームを挑み、一瞬にしてその場をクイズショーの舞台に変えることに成功した、Mattel社のマーケティング手法を見ていきたい。

mattel-pictionary_2.png出典:Pictionary® Board Game

体験型キャンペーン

同社は、カナダの広告代理店「TrojanOne」とタッグを組み、トロントにあるショッピングモールに、デジタル・サイネージを設置した。

サイネージには、一人の男性が爽やかな笑顔で「Pictionary」を手に持っているポスターが映し出されている。一見どこにでもある、普通の静止画広告のように見える。

しかし、突然まばたきをしたり、あくびをしたり、手招きで人を呼び止めたりして通行人を驚かせ、「ゲームする?」と書かれた紙を見せる。

画面の中にいる男性は、声は全く聞こえないが、身振り手振りで相手とインタラクティブに会話を進めていき、絵を描きはじめる。

ゲーム挑戦者がその絵が何なのか次々に当てていくなか、周りの通行人も足を止めて声援を送るなど、会場が盛り上がる。

サプライズ・プレゼント

そして、挑戦者がゲームに勝った瞬間、どこからともなく満面の笑みを浮かべたスタッフたちが、プレゼントを抱えてやってくる。賞品は、Mattel社のボードゲームの数々、巨大ボックスに入った無数の風船、巨大ぬいぐるみなどである。

また、ゲームの答えが「マーチングバンド」だったときは、挑戦者が正解を答えた直後に本物のマーチングバンドが登場して演奏するという、粋なパフォーマンスまでやってのけている。

リアルタイム

サイネージの中の男性は、実際にモール内にある小さな部屋で、画面を通してリアルタイムに通行人とゲームを楽しんでいる。

このように、リアルタイムで進んでいくキャンペーンは、主催者、参加者、観覧者、すべての人を興奮させることができる。また、不特定多数の人々にブランドが打ち出している商品に興味を抱かせる、絶好の機会でもある。

そのために欠かせないのは、やはりインパクトがあり「面白い」ことだ。

Mattel社の事例では、両者が真剣にゲームを楽しんで勝敗が決まる。買い物客は、そんな手に汗を握るような思いをまさかモールで体験できるとは、みじんも思っていなかっただろう。この予想外の驚きと喜びの体験は、きっと彼らの記憶に残るに違いない。

そして、その記憶が後の購買意欲につながるであろうことは言うまでもない。

ゲームに場所は関係ない

では、「Anytime is Game Time」を信条に、ゲームでモールの買い物客の心をひとつにした広告キャンペーンを実際に見ていただきたい。

<pictionary Mall Surprise Mattel Games>

http://www.youtube.com/watch?v=M8Ro3bZ3WoM

この動画は、YouTubeとFacebookに投稿されてから最初の24時間で、なんと10万回の再生を突破している(公開から1カ月半が経過した11月下旬の現在では、100万回を超えている)。動画再生後、きっと多くの人が幸福な気分になったことだろう。

まとめ

この広告で使用されたのは、ホワイトボード、ペン、タイマー、そして一人の男性だけである。たったそれだけで、こんなにインパクトのある広告を作り上げ、ネット上でバズを巻き起こした。そのMattel社の事例を参考に、ぜひあなたの会社でもシンプルかつクリエイティブな広告案を生み出してもらいたい。

参考元: This Digital Mall Ad Plays Pictionary With You, and Gives Out Fabulous PrizesPoster suddenly springs to life Mattel Canada Sets Up Live Pictionary Ad In Toronto Mall Pictionary® Board Game Anytime Is Game Time: Mattel’s Experiential Ad Campaign Plays with Mall Shoppers

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