自社でもできる!低予算・短期間でできる動画マーケティング事例

コンテンツマーケティング

「動画マーケティングなんて……予算も経験もないうちの会社では……」と考えていませんか? インターネットを活用した動画マーケティングは低予算で短期間に制作・実施ができ、これまでリーチできなかったターゲットに販売促進をかけられるなどメリットが山ほどあります。「これならできそう!」と思わず膝を打ってしまう動画マーケティングの事例を集めてみました。

 

動画制作、成功のポイント

動画マーケティングをイメージした場合、最大の難所と思えるのは動画の制作ではないでしょうか? カメラは? 誰が撮る? 誰が演じる? 考えれば難しいことばかりです。しかしこの答は実に簡単なのです。

使えるリソースの範囲でまず製作

重要なことは、いまある機材や人材というリソースでどこまでできるかを考えてみることです。そしてどうしても不足な部分は、最小限の範囲での調達を検討してみることです。

では機材から考えてみましょう。カメラはビデオタイプのものと、動画もとれるデジタルカメラタイプに二分できますが、どちらでも大丈夫です。デジタルカメラは一眼レフタイプか、画素数の高いミラーレスデジタルカメラが、画像の品質の点でお勧めです。デジタルカメラは会社にもあり個人でも所有している人が多いと思います。これを機会に社内の行事等をレポートするために、これらのタイプのデジタルカメラを1台購入する手もあります。

デジタルカメラさえあれば、基本的には動画が撮影できますが、最低限、以下の機材もそろえたいところです。

  • カメラブレを無くし、画面を安定させる三脚。少し重めで、商品画像のための接写撮影などアングル設定の自由度が効くタイプ。
  • 声や音をきれいに収録するための集音性能や指向性の高い外部マイク。
  • シャドー部を無くすためのライトやレフ(反射)板。

これらのものは初心者向きの低価格なものから、プロの使用に耐えられるタイプまでさまざまあります。最初から本格的なものを購入せずに、作りたいコンテンツなど撮影プランを立ててから選んでも大丈夫です。

次にハードルが高いのが出演者でしょう。無名のモデルに依頼しても、必ず料金は発生します。これも身近なリソースで考えてみると、社員やその家族の出演が解決の近道です。事業部の責任者など役割では決めず、その商品に思い入れがある人や、実際に製作したり販売したりしている人の生の声を集めると考えれば、映像写りの素養等はあまり気にする必要はありません。後に紹介する動画の事例にもあるように、社内の日常を撮影し、セリフを入れず、バックグランドミュージックやテロップで構成するだけでもコンテンツになるものです。これならば演技やセリフの練習をしなくても充分に演者として務まります。

伝えたいことを中心に

さて、動画の機材も出演者も決まりました。次はコンテンツの企画です。重要なことは「伝えたいことを確実に伝える」ことです。こと会社や製品のことになると堅苦しく考えすぎ、律儀に内容を伝えるものになりがちです。またその結果、演出の時間も長くなってしまうことがありえます。「伝えたいことをわかりやすく」という視点を常に意識してください。会社は歴史があり、従業員の定着率も高く、固定のお客様が豊富にいて、どこよりも品質の高いものを安く提供している、などアピールしたことが複数あっても、いくつかに絞り、「動画1本でひとつ」ぐらいで考えたほうが無難です。伝えたいことが複数あれば、それぞれ別の動画にまとめるイメージです。動画のテーマをしぼることで、多少説明や演出がうまくなくても、視聴者が理解し、伝わる率も高くなります。反対に饒舌な動画でも、いろいろとアピールしすぎると、途中で視聴をやめてしまわないとも限りません。

もうひとつ重要なことは「視聴者目線」です。作り手の熱意は大切ですが、一歩引いて自分が視聴者のつもりで企画するようにします。

最後に編集作業です。撮影だけの素の動画が、どうコンテンツとして生まれ変わらせるかが編集者の腕の見せどころ。つまり、元の動画に少しぐらい問題があっても編集でカバーできるのです。その点では撮影の時にあれこれ悩まず、後に編集することを考えて気軽に数多く撮るほうが全体の流れがスムーズに運ぶこともあります。

そして編集で一番大切なことは「無駄・不要なものをどんどん切り捨てる」ことです。撮影した動画の8割以上を捨てるつもりでいて下さい。そのため、改めて撮影の機会を得るのが時間的に難しいこともあるので、その場でできるだけ多く撮っておくことです。テレビの街頭インタビューを受けたことがある人には経験があるかもしれませんが、15分以上インタビューされても紹介されるのはほんの数秒、あるいはそっくりカットされてしまうのが当たり前です。その点では社内の人に出演をお願いする場合は、大幅に短縮したり全面カットされたりすることがあることの了承を得ておきましょう。

 

中小企業での成功事例

それでは具体的に、大規模ではない会社の動画による販促や事業の紹介の事例を見てみましょう。

なお、企業規模に関しては弊社での主観に基づいております。

手作り感が受けるBtoC事例

こちらの会社は、育児関連用品の企画と開発、製造や輸出入から情報提供まで行う会社です。主力商品は乳幼児の母親のための抱っこひもやおしゃれな収納カバーなど。代表者が自分の育児体験、その時に感じた課題をもとに商品化し、通販会社や百貨店等を販路に全国規模へ成長しました。主婦の雇用とアイデア商品が強みであり、赤ちゃんとおしゃれに楽しく外出する利用シーンの提供などでブランドを確立しています。その動画も手作り感があふれ、かつ商品の良さを十分にアピールしています。SNS等で「ママ友」たちの間での拡散が期待できそうです。

抱っこひも収納カバー專門店 ルカコ(再生数: 2~6万回)

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取引先へ堅実にアピールするB2B事例

BtoB(対企業取引)が主体の会社の動画で注意したい点がひとつあります。それが動画の画質や安定感、光の扱いなどの質がある程度求められるということです。動画の質が悪いと、一流の製品や堅実な会社でもイメージをダウンさせてしまう危険があります。とはいえ、プロの製作者による見栄えの良い映像のみしか受け入れられないというわけではなく、基本的な撮影技術を押さえておくというレベルです。

次の会社は自動車部品の製造企業です。業種から考えれば、新規の営業取引を広げる必要性はなさそうで、再生回数もけっして多いとはいえません。しかし現在の取引先へ改めて会社の思いを伝えられ、名刺を渡した相手方が後ほど会社のホームページを訪れたときに好感度や信頼度が高まる効果が期待できるでしょう。技術力や誠実さをブランドにして訴えています。

㈱加藤カム技研の技術ブランドエッセンスビデオ

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そして次の事例は大手企業がCS放送の枠でのCMとして作ったものですが、社員が出演しているという点で参考になります。企業の規模感、事業のスケール、技術の質や高さが営業マンの活動の映像を通して伝わってきます。

【企業CM】営業社員の日常編

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中小企業の動画マーケティングの運営と管理指標

さて、素晴らしい動画でも観てもらえないことにはその効果が期待できません。動画マーケティングの基礎について考えてみましょう。

深く理解してもらう、広く知ってもらう

事例の動画はどれも短い時間で商品や会社を見事に語っています。動画は短い時間でも情報量が多いので、文字で説明するより短時間に伝えられます。とくに思いを伝えるのにイメージで表現できるので、技術力や信頼性などカタログ等では通り一遍の言葉で終わってしまうものを、より正確に、そして深く伝えることができるといえます。また、会社や商品を知らない人も短い動画を観るだけで、どんな会社か、何が自分にメリットとしてありそうかが理解できます。つまり、「深く」そして「広く」知ってもらうのに適しているのが動画コンテンツなのです。

その点では、動画をホームページに置くだけでもPRになり、例えば通販サイトは大手のモールを利用していても、そこから自社のホームページにたどり着いた人が動画を観て会社を信頼し、商品の購入に至るなどの連動した販促効果も期待できます。また営業だけではなく、学生や中途採用のときの会社説明の資料にもなり、地域とのコミュニケーションのツールにもなります。

さらに広くに知ってもらい、販売促進に役立てようというのならば、ネット広告等と動画を組み合わせたり、YouTubeのような動画共有サイトにアップしたり、SNSの広告で口コミなどの拡散効果を狙う方法があります。いずれにしても動画を作っておくことで新しいデジタルマーケティングの展開が、より一層広がることになります。

海外でもSMB(スモールビジネス)こそ動画マーケティングを活用しようと推奨し、以下のような10個の制作指標を示しています。

  1. 自己紹介や会社紹介:どんな会社かどんな人か、どんな経営者かを紹介。
  2. 事業紹介のSNS等でのシェア:有用なサービスである点を示す。メリット等の紹介。
  3. ユーザーやファンの紹介:愛用者の声は安心材料、購入ハードルを下げる。
  4. 視聴者の教育や啓蒙:疑問や困りごとへの答えや支援となる商材であることを紹介。
  5. 企業文化や世界観の提示:こだわり等も立派なブランド。
  6. 創業秘話:創業時の話。設立経緯やそのきっかけ。
  7. ブログのビデオ化:既存のブログがあればそれをビデオブログにして閲覧率を高める。
  8. 顧客への感謝の気持ち:ご愛顧への感謝の気持ちがビデオを通して確実に伝わる効果。
  9. 製造工程・舞台裏:商材への興味や信頼感を高める。
  10. パートナー企業や専門家、インフルエンサーへのインタビュー:他社や他者の推薦を得る。

紹介した動画の事例と同様に、すぐにでも取り組める対象です。

管理指標

動画をシリーズ化し、継続して投稿することを考えると、その効果を知っておく必要があります。動画の視聴総時間(再生時間×件数)や、どの時点で視聴から離脱したか、再生回数ではなく再生した人(重複を除いた)の数や、動画を使ったことや動画共有サイトへ投稿したことで自社のホームページへの流入がどの程度増えたかなど、サイト全体との関係性を見る必要もあります。そして何よりも重要なのが、実際の資料請求や購買・制約に至った率がどのような変化をしたかの相関の追跡も欠かせません。ただし、動画を投入したことで販売が2倍や3倍に上がるようなことは稀なので、これらの数値のトレンドを長期の視点で追っていくことが重要です。ダイレクトメールのように打てば必ず結果が返ってくるというものでもないとう理解も必要です。

先行き新しい動画を投入したり、他の情報チャネルやマーケティングチャネルとの連携を図ったりするのにも、管理指標としての数値が必要です。最終的には「費用(動画制作やネット広告費)」と「効果(販売額)」のバランスを見ていくようになります。もちろんこれらの実益では測れない会社の信頼度や好感度の向上というブランド価値についても配慮し、動画マーケティングの位置づけも考えていきたいものです。

 

すぐやってみること

会社案内のビデオの経験のある方は、プロのカメラマンやディレクター、そのとりまとめをする広告会社がいないと製作できないと考えている方が多いと思います。その思い込み払拭し、できることからすぐにはじめてみることです。重要なことは経験とノウハウを積んでいくこと。少しずつステップアップするのが一番です。将来もっと大きな動画マーケティングへ踏み出すときの基礎を築くつもりで、とにかくやってみることが大切です。

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