YouTubeを使った動画マーケティングの有用性と事例

コンテンツマーケティング

もはやインフラとも言える規模に成長したYoutTubeに代表される動画共有サイトには、多種多様な動画がアップされています。ひとつは世界の希少でおもしろい映像やプロフェッショナルなアートや誰かがシェアした最近見逃したテレビ番組の録画や古いドラマの一場面など。

そしてYouTubeには企業のイメージ向上や製品紹介の動画もアップされています。Googleのレポートでは日本のYouTube利用者は77%に昇るとしており、もはやテレビに注ぐマスメディアになったとも言えそうです。年代など特定の層によっては、高額なテレビCM以上の浸透効果が期待できるかもしれません。今回は動画マーケティングの基本チャネルとなるYouTubeについてまとめてみました。

 

あらためてYouTubeの社会への浸透度と影響度

インターネットユーザーならYouTubeを見たことがないという人は、ほとんどいないでしょう。では実際、どの程度の時間、動画サイトは視聴されているのでしょうか。

平均視聴時間が増加傾向

総務省の「平成28年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、平成28年の平日でテレビ(系動画)が185.5分、ネット系動画は14.7分と10倍ほどの差があります。しかしテレビの視聴時間が伸びていないのに対し、ネット系動画の視聴時間は平成24年の調査時点の6.8分から2倍近く伸びたことになります。テレビの場合、家事や食事をしながらの「ながら視聴」もあり、最近は視聴率のみならずその「質」も問われるようになっています。

年齢別のネット系動画の視聴時間は、平日の10代が39.8分、20代は30.9分と全年代を合わせた平均よりも高いので、若い世代へのリーチや、その視聴動画の傾向から特定の嗜好をもった層への訴求などが狙えます。マスメディア的な広さを持ちつつ、視聴者をセグメント化できるなどの特長がネット系動画にはあるのです。

YouTubeの利用率と時間

総務省の同じ調査結果で、YouTubeの利用率は10代の84.3%が利用、60代でも29.7%が利用しており、全体を通して68.7%の人が利用しています。YouTubeに次ぐ人気の動画投稿サイトのニコニコ動画の利用率は全体で17.5%のため、YouTubeの利用者が大半であり、先のネット動画視聴時間の多くはYouTubeの視聴時間と見ることもできそうです。

また、インターネットというと以前は男性が自分の書斎等でネット視聴するのが中心でしたが、スマートフォンの普及で女性視聴者も増えました。10代で利用率84.3%という結果もスマートフォンの普及が大きいでしょう。女性の就業率は上昇しており、全体として外出機会が増えているとすると、その時に持っていくスマートフォンを通じたマーケティングの重要性が理解できるでしょう。外出先でVOD(ビデオ・オン・デマンド)のような動画視聴をするなど、モバイルと動画との組み合わせが世界的に拡大しています。スマートフォンの画面でも表現できる動画制作を心がけるのも大切なポイントと言えるでしょう。

 

YouTubeを利用した動画マーケティングのメリットとデメリット

それではYouTubeの利用はプラス効果ばかりなのでしょうか。メリットとデメリットの双方でまとめてみました。

メリット

YouTubeのメリットとしては、友人知人間でのシェアによる拡散機能、YouTubeチャンネルなど観たい人が何度でも見られるよう登録を誘導できること、YouTubeが提供するアクセス解析サービス等の利用で、視聴者のニーズやその心情を分析することができる点などが挙げられます。

テレビメディアでは、事前の調査で視聴の時間帯と番組から性別や年代を特定し、それに合わせてCM出稿する方法が基本です。一方、YouTubeならばその視聴動画の傾向から趣味嗜好をある程度知ることができ、地域や視聴時間帯、その時の広告へのクリック等のアクションがデータとして取得できます。視聴前の検索結果も活かすことができ、その視聴者が興味を持ちそうな広告と連動することができるのです。視聴率の母数はテレビにくらべ少ないかもしれませんが、ターゲッティングができる点がこれまでにないマーケティングメディアとしての優位性となります。

デメリット

もちろんデメリットもあります。テレビCMは予算次第でライバルより視聴率の高い放送枠が購入できますが、インターネットは視聴率を直接購入するようなことはできません。世界中から投稿される動画の中から、視聴してもらうには相応の努力も必要です。個人も含め動画投稿数が増えていると仮定すると、将来に向かいますます視聴競争のライバルが増えていくと見ることもできます。動画は言葉の壁が低く、日本から遠くはなれた国の個人の動画に、視聴時間を奪われることが起きているわけです。

そのためYouTubeとはいえ、PVや視聴時間を増やすにはやはり予算やマーケティングテクニックが求められるので、資金やスタッフなどリソースの点で大手企業の方が優位にあるのは事実です。しかしそこはネット動画の世界、アイデアで勝負できる点も残されており、次に紹介する動画がひとつのヒントになるでしょう。

 

YouTubeの動画マーケティング事例

ご紹介する動画の広告主は超大手と呼ばれる企業ですが、その作り方や狙いは、視聴者の嗜好や心情に訴えかける例として注目すべきものです。

ドラマ仕立ての設定等

テレビCMはいくら予算があってもCMの時間を長くするには限界があります。ところがインターネットの動画は、基本的には制約がありません。ひとつのドラマのような長いストーリーも可能なのです。よりイメージを深く、強く伝えられ、ブランドを理解していただくのに適しています。

トヨタ自動車の「Loving Eyes -Toyota Safety Sense」は家族それぞれの視点で物語として構成されており、その中に車があり、さりげなく衝突回避の自動制御機構の大切を伝えています。視聴数は600万回を超え、誰の心にも響く、感動深いコンテンツとなっています。テレビCMのような一瞬の勝負ではなく、伝えたいことをひとつの世界観に変えて表現できる幅の広さがあります。

Loving Eyes -Toyota Safety Sense|トヨタ自動車

YouTuberとのコラボレーション

海外の有名なYouTuberが、日本で悪ふざけをしたような動画撮影が物議をかもし、ニュースに取り上げられました。YouTuberには特定のファンがいて、チャンネル登録してそのパフォーマンスを毎日のように観ています。彼らが新製品についておもしろおかしく説明する姿は、その製品に興味がなくても見入ってしまいます。カタログでもなく、店頭の説明でもなく、テレビ通販の商品紹介とも異なります。商品説明というよりも、楽しみ方を伝えるような自由さがあります。さらに視聴者が気に入れば何度でも見るので、これはテレビ通販にはない強みです。

YouTuberとのコラボレーションもひとつの方法ですが、自社の社員がYouTuberとして活躍する方法もありえるでしょう。

AIロボットの知能がヒカキンを超えている!?【COZMO】|HikakinTV

人気ものにあやかる

ペットを飼う人が増えており、中でも犬よりも猫の人気が高まっています。ペットを飼ってなくても動物好きな人は相当数に昇ると想像できます。その好きな動物を介して情報を伝えるという利点を、動画マーケティングは持っています。テレビCMというと、その対象商材から離れることはなかなかできません。高い広告費や制作費であるので、それは当然です。ネット動画のマーケティングならもっと自由な発想で、視聴者の興味の対象を介してアプローチできます。

auの提供する「にゃにゃにゃにゃ食堂」は「史上初!ネコ語ドラマ」と銘打って、猫たちがネコ語でau WALEETについて伝えます。猫好きなら思わず仲間にシェアしてしまうでしょう。このような対象は拡散効果も期待できることになります。

au WALLET「にゃにゃにゃにゃ食堂」史上初!ネコ語ドラマ(ヒューにゃんドラマ)|au

ネットならでは動画コンテンツの制作が拡散の決め手

ネット広告とはいえ、制作にこだわって投資すればそれなりの金額になります。ネットならではのメリットはシェアされることです。映像が高品費、舞台設定のスケールが大きいだけではシェアされません。視聴者をしぼり、現在の興味の対象と合致できれば、少ない予算の動画でも思わぬ反響を招くことになります。それがネット動画マーケティングの醍醐味であり、目指すところでもあります。

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