なぜオンラインコミュニティの声を聞くことが大切なのか?

コンテンツマーケティング
共通の興味や価値観、意見などを持つ人々が集まることによって形成されるオンラインコミュニティ。それは、企業がマーケティングを成功させるうえで重要な、「人々に関心を持ってもらう」という項目をクリアするために決して軽視してはならない存在である。
多くの人々が、気軽に情報や率直な意見の交換を行えるこの場こそが、企業が注目すべき「現場の声」なのだ。そこで、企業が常に意識しておきたい、オンラインコミュニティの声を聞くという習慣について、マーケティングにおけるコミュニティの重要性とともに考えてみよう。
内容が優れていてもしょうがない!?
コンテンツ作成の際にクリエイターの頭にあるのは、「優れた内容のコンテンツを作ろう」という思いであろう。しかし、残念なことに、どんなに内容が良くても、それが消費者の求めているものでなければ、その価値は果てしなくゼロに近づいてしまうのだ。
そこで大切になるのが、コミュニティの声だ。現在の市場が求めているのは何かを探るために、しっかりと耳を傾けていきたいものである。商品やサービスに対しての疑問や改善点をいち早く察知したり、新しいアイデアを考えたりするのにも役立つ、とても貴重な情報源である。
コミュニティとの関係作りのキーポイント
企業とコミュニティの間に良い関係を築くために必要なのは、信頼関係だ。ここでは、そのキーポイントとなる5つをContents Marketing Instituteの記事を参考に学んでみよう(出典:Why Listening Communities Belong in Your Marketing Strategy)。
オンラインコミュニティは社会的集団であることを忘れない:コミュニティの意見に耳を傾けることは重要だが、自社に対するクレームや自社にとってマイナスになるコメント・ディスカッションに圧力をかけたり、それらの強制削除を行ったりしてはならない。そういった意見の中に潜む重要なメッセージを読み取ることに努力を注ぎ、商品の質やサービスのさらなる向上に結びつけよう。
会話を促す:消費者の生の声が聞けるこの場。実際の商品使用体験談やケーススタディをアップしたり、活発に意見交換を行ったりできるようにしよう。そして、企業側からの的を射た質問や消費者にフィードバックを求めることで会話を盛り上げていくと良い。アイデアや洞察を得るために忘れてはならないのは「気長に取り組む」姿勢だ。石の上にも三年の気持ちでゆったりと構えるべし。
メンバーに権限を与える:コミュニティの中で盛んに活動しているメンバーを見つけ出し、その中から特定分野のエキスパートを生み出していこう。ただし、プライバシーの侵害や機密事項の漏洩などへの十分な注意を忘れずに。
貢献には報酬を:コミュニティから得た情報をどのように生かすかは、企業の自由。しかし、その情報を生み出すのに貢献してくれたメンバーへ敬意を表明したり、報酬を与えたりといったことを忘れずに行うのが、企業としての常識である。なにも賞金や大きな贈り物である必要はない。感謝の言葉を伝えたり、商品にメンバーの意見を取り入れたりなど、貢献に対する「価値」を認める姿勢を示すことが大切だ。
信頼は一日にして成らず:信頼関係を築き、それを維持するためには日々の努力が必要だ。築くのは大変でも、崩れるのにはほんの一瞬しかかからないこの関係。企業として真摯(しんし)な姿勢でコミュニティと向き合い、それぞれのインプットにどのような対応をしていくかのガイドラインをしっかり定めておくことがカギとなる。
コミュニティマネージャーを雇う
上記のように、コミュニティとの関係を保つにはさまざまな努力を必要とする。そこで、Get SatisfactionのWendy Leaは、コミュニティとのやりとりの細部にまで注意を払いつつ、コミュニティとのつきあいから得られる可能性のある全てのベネフィットを得るために、コミュニティ対応専門のマネージャーを雇うことを勧めている。
コミュニティマネージャーの仕事は大きく分けて二つ。一つ目は、数多くあるソーシャルメディア全てに目を配り、それぞれの消費者の動向をうかがいながら、彼らを適切なウェブサイトやコンテンツへと導いていくこと。二つ目は、コミュニティから得られたデータや情報をまとめ、それを企業内の関連部署や人物にタイムリーかつ的確に伝達していくことだ。
わざわざ、それ専門の役職を作るほどの価値はない……。ついそう考えてしまうのは当然だ。しかし、ここは視野を大きくし、将来への投資という考え方をしてほしい。すぐ目の前にある消費者の感想やアイデアの数々。それを、みすみす逃してしまう可能性を考えると、決して損する投資ではないはずだ。
一方通行はもうやめよう
マーケティングを成功させるために必要なのは、コミュニケーション能力であることは言うまでもない。
自分が良いと思ったコンテンツをただ発信し続けても、それは一方通行の道路をひたすら一人で突き進んでいるようなものだ。
一方通行にならないために大切なのは、「聞く」という姿勢を忘れないこと。オンラインコミュニティの声にきちんと耳を傾けることで、お互いの動きを確認し合いながら、秩序正しい道や交差点を一緒に作り上げていく。それこそが、企業を成功へと導く黄金のマーケティングの土台となってくれるだろう。
参考元:?Why Listening Communities Belong in Your Marketing Strategy?Engaged Communities Drive Business Growth – Six Success Factors
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