まだまだ秀逸なアイデア連発!コンテンツ作成はVolkswagenに学べ

コンテンツマーケティング

Volkswagenの勢いはまだまだ止まらない。

もちろん広告の話だ。

先日の記事に引き続き、今回もVolkswagenが展開するユニークなキャンペーンを紹介したい。

ネタに悩むマーケティング担当者の頭の中を、ぐにゃっと柔らかくしてくれるアイデアが満載だ。

ゲームの世界を現実に!ノルウェーで行われた駐車スペース争奪戦

輸送や配達などのドライバーにとって、切実な問題となるのが駐車スペースを確保すること。同社ではこうした仕事で車を運転する人に向けて、「PARK IT!」というゲームアプリを公開した。

このゲームの目的はズバリ、「駐車スペースを確保する」こと。「椅子取りゲーム」の要領で、音楽が止まったら、決められたスペースに車を移動させるといったものだ。ゲームはオンラインで、他のユーザーと共に楽しむことができる。

このキャンペーンが秀逸なのは、さらにこのゲームの内容を現実世界でも展開したことだ。

オンラインゲームの勝者をノルウェーの首都オスロに集め、実車を使用して「駐車スペース確保ゲーム」を行ったのだ。その様子は動画でも公開されているので、ぜひご覧いただきたい。

Volkswagen : Park it | Pubdujour.ma

この現実で行われた大会の勝者には、同社が販売するピックアップトラック「Amarok」の新車がプレゼントされ、大きな話題となった。

「駐車スペース確保」というターゲットの問題をゲームに落とし込み、イベントとして展開した秀逸な事例といえるだろう。

新しくリリースされた車は、わずか3cm!?

次にご紹介するのは、同社が新しくリリースしたコンパクトカー「up!」を訴求するための広告だ。この車の売りは何と言っても「小さく、小回りが利くこと」。交通量が多いうえに小さな路地ばかりの、パリの街に適した車といえるだろう。

同社は、この「up!」を街頭広告で訴求する手段をとった。とは言っても、屋上看板などを利用したわけではない。なんと「up!」の実車を建物の壁面に張り付け、その横に巨大な物差しを用意してしまったのである。

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出典:Volkswagen: “Up!” Outdoor Advert by Agence .v. Paris

地上から見上げることで、遠くにある車が小さく見えるという視覚効果もあるだろう。用意された物差しによると、「up!」の全長はわずか3cm。もちろん、これは実際の縮尺ではないが、「何やら小さそうな車だ」と印象づけるには十分なインパクトを持っている。

「え、あれ本物の車なの?」と通り行く人々が噂する姿が目に浮かぶようだ。

伝えたいメッセージは、車の下に配置された「C’est grand d’etre petit.(小さいことは素晴らしいことだ)」というキャッチコピーに凝縮されている。シンプルながら、大きなインパクトを残す街頭広告と言えるだろう。

言葉で伝えにくい情報は、実際に体験してもらおう!

最後に、雑誌とスマートフォンアプリを活用した広告事例をご紹介したい。

ここで同社が目的としたのは、ドライビングをより快適にする新技術をユーザーに伝えることである。具体的には以下の3つだ。

レーンアシストモード:走行するレーンを外れそうになったときに、ドライバーに警告してくれるアシスト機能。

アダプティブライト:コーナーを曲がる際に、まっすぐではなく進行方向に向けてライトを照らしてくれる機能。

アダプティブ・クルーズコントロール:前方の車との車間距離を、適正に保ってくれる制御機能。

どれも素晴らしい技術だが、言葉ではうまく伝えにくい内容でもある。実際にどのくらい役に立つのかイメージしにくく、よほどの車好きでなければ読み流されてしまう恐れもある。

この「伝えにくい情報」をどのように伝えるかという問いに対して、同社が導き出したのは「実際に体験してもらおう」というものだった。

雑誌のページを開くと、雪の中に道路が1本通っているというビジュアルがあるだけ。これだけでは何のことかわからないが、スマートフォンで専用アプリをダウンロードし、ページ上の道路にかざすことで、これらの機能を体感することができる。

Volkswagen: Print Ad Test Drive:動画より

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アプリを起動すると車が表示され、実際にレーンの上を走らせることができるという仕組みだ。例えば「レーンアシストモード」では、レーンを外れそうになるとスマートフォンが震えて、ユーザーに危険を知らせてくれる。

「アダプティブライト」では、実際にライトがコーナーに合わせて曲がる様子を確認できる。また、「アダプティブ・クルーズコントロール」では、車間距離が常に適正に保たれることをビジュアル的に理解できる仕組みになっている。

もしもこれらの説明でピンと来なければ、動画で「実際に体験」してもらえるとわかりやすいのではないだろうか。

Volkswagen: Print Ad Test Drive

言葉だけではわかりにくい機能も、実際に体験してもらうことでスムーズに理解できるようになる。この難しい課題を、雑誌広告とアプリをうまく連動させることで解決した好事例だ。

見る人を驚かせ、楽しませるための仕掛け

いくつの事例を紹介してきたが、同社のキャンペーンや広告に共通するのは「見る人を驚かせ、楽しませる」という点にある。

ユーザーに「これは面白い!」と思ってもらえれば、口コミで広まったり、話題になることでさらに注目されたりするという好循環も期待できるだろう。

「面白いキャンペーンのアイデアが出ない……」と悩んでいる場合は、まずはターゲットを楽しませる方法を探ってみてはいかがだろうか。

参考元:?Volkswagen: Park it!?Volkswagen’s New city car is only 3 centimeters long.?Volkswagen: Print Ad Test Drive

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