スウェーデンのファッションブランドUniforms for the Dedicatedに学ぶ、「説得力」のあるプロモーション活動

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増え続ける衣類をリユースやリサイクルに回したいけど、回収場所に持っていくのが面倒で……という人は多いだろう。「環境のためにも、そうしたほうがいいのはわかっている。けれど、時間もないし、どうしてもおっくうに感じてしまう」という声が聞こえてきそうだ。

その「おっくうな気持ち」を取り払ってくれるショッピングバッグを開発した、ファッションブランドがある。スウェーデン発、2007年創業の「Uniforms for the Dedicated」だ。

このショッピングバッグで、実に「説得力」のあるプロモーションを展開している。一体、どのように説得力があるのだろうか。

独自に開発したショッピングバッグで古着の寄付を促進

Uniforms for the Dedicatedは、ファッションのサステナビリティを意識し、独自のショッピングバッグ「The Rag Bag」を開発した。「Rag」は「古着」という意味である。

そのコンセプトは、「Donate something old every time you buy something new」。つまり、「ウチのショップで新しい服を購入されたときには、毎回、古着を寄付してくださいね」というわけだ。

このバッグはリバーシブルになっている。同店で新しい服を購入したときにこのバッグに商品を入れてくれるが、このとき、バッグの表面は白。そして、家にそれを持ち帰った後に、このバッグの裏表を逆にすると表面が黒になる。その黒いバッグに自分の古着を入れて、ポストに投函すると、リユースに回されるという仕組みになっているのだ。

その仕組みを動画で確認してみよう。この動画は、消費された衣類があふれ返る現状を憂えるシーンからスタートする。そして、その後にこのショッピングバッグのコンセプトを解説している。

「THE RAG_BAG」

https://www.youtube.com/watch?v=FrYDd3M7a7Q

古着をこのバッグに入れて送るときには、切手が要らず、住所も書かなくてOK。郵便料金を消費者が負担する必要がなく、送り先はバッグにプリントされているのだ。これならば、かなりの面倒くさがり屋でも、「あっ、それなら、ウチにある古着を送ってみようかなっ」という気になるのではないか。

送られた古着は最終的にチャリティーに寄付される。このとき、古着を提供する人自身が、どのチャリティーに寄付するかを選択できる。

「バッグそのものがリユース可能」という説得力の高さ

さて、このプロモーションの特徴をもう少し詳しく見てみよう。

まずは、衣類のリユースを推進するために使っているアイテム(=ここではショッピングバッグ)そのものがリユース可能というところが、説得力がある。

また、このバッグがbiodegradable(生物分解性)であることにも注目したい。これは、バッグの素材が、微生物の作用で無害な物質に分解できるということ。つまり、環境問題に配慮したアイテムなのだ。

例えば、日常生活の中で誰かに何かを勧められたとき、その勧めた人が同じことをしていなければ、「いまいち説得力がない……」と内心思うことがあるだろう。しかし、「Uniforms for the Dedicated」は自らリユースや環境問題対策を実践しているので、非常に説得力の高いプロモーション活動を行っていることになる。

「クリエイティブで、エコ意識も高い」というブランドイメージが浸透

ここでは、この企画のクリエイティビティーにも注目したい。

ショッピングバッグをリバーシブルにして、表と裏の色を変え、商品持ち帰りと古着提供という2つの用に供するものを作り出した。このクリエイティブな発想は、インパクト大だ。「Uniforms for the Dedicated」は、個性的なメンズファッションを生み出すブランドとして知られているが、服作り以外にもその創造力が発揮されている。

その発想の面白さから、消費者は使い終わったショッピングバッグを表裏ひっくり返してみたくなるだろう。そして、「古着提供用」の黒いバッグが出来上がったら、今度は何かを入れてみたくなる……そんな様子が想像できる。

そうこうするうちに、「Uniforms for the Dedicated」は、クリエイティブでエコ意識も高く、説得力のあるプロモーションを行うブランドであるというイメージが定着していくであろう。非常に効果的なブランディングである。

う~ん……それにしても、新しい服を買ったときと古着を出すときの区別をつけられるところが、やっぱりスゴい。

例えば、「Uniforms for the Dedicated」のファンが、街中で白いThe Rag Bagを持っている人を見たら、「あっ、何か新しい服が発売されたのかな? 店に行ってみよう!」と思うだろう。そして、黒いThe Rag Bagを見たら、「あっ、あの人、古着をリユースに回そうとしている! 自分も早くやらなくちゃ!」と考えるかもしれない。

まとめ

「Uniforms for the Dedicated」は、ショッピングバッグひとつで、ブランドイメージを向上させながら、購買促進もリユース促進も実現した。実に見事なマーケティングだ。

ブランディング、クリエイティブ、マーケティング……。どれをとっても、参考になることの多い今回のプロモーション。ぜひ、あなたの会社で企画のアイデアを練る際のヒントにしてほしい。

特に、その「説得力の高さ」は見習いたいものである。それは、人を動かす原動力となるからだ。

参考元: Shopping Bag Encourages Buyers To Donate Unwanted Clothes UNIFORMS FOR THE DEDICATED SHOPPING BAGS ENCOURAGE AND MAKE IT RIDICULOUSLY EASY TO DONATE OLD CLOTHES

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