フレキシブルでタイムリー!Converseのマーケティング戦略に学ぼう

コンテンツマーケティング
星のシンボルで有名な「Converse(コンバース)」は、世界中のスポーツ選手やアーティスト、そしてオシャレな若者たちに大人気なアメリカ生まれのシューズメーカーだ。
同社は2003年にNike(ナイキ)に買収されたが、独自のマーケティング手法を貫き、現在4000万人以上のFacebookファン(2014年10月時点)を獲得している。これは、親会社のNikeや、有名スポーツ用品ブランドAdidas(アディダス)の約2倍にあたる数である。
では、Converseは一体どのようにファンを増やしていったのだろう?
同社のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)である、ジェフ・コットリル(Geoff Cottrill)氏へのインタビュー記事を基に、その急成長の秘密を探っていこう。
自然体であること
Facebookでは、他のプラットフォームですでに告知されているキャンペーンや商品情報を再度載せたりせず、自社が面白いと思った最新のニュースや、商品に関連したトピック、クールなライブビデオなど、Converseの個性あふれる「声」を投稿している。
ここで重要なのは、さまざまなトピックを話題にできる柔軟性である。そして会話を主導するのは、それを閲覧しているユーザー/顧客であることを忘れてはならない。同社はあくまでもその会話への「参加者」という立場をとっている。
タイムリーなコンテンツ作成
Converseは2010年にYouTubeでバイラルを生んだ「ダブルレインボー・ガイ」(ヨセミテ国立公園でダブルレインボーを目のあたりにした男が、恍惚とし、我を忘れた状態で撮影したビデオ)から触発され、オリジナルシューズ・デザインコンテストを開催した(a design-your-own shoe contest)。
たくさんの色のセレクションから、自分だけのオリジナル・シューズをデザインするものだ。このような、タイムリーで、会話に花を咲かせるコンテンツは大人気となった。
現在コンテストは実施していないが、オリジナル・シューズは今でも作ることが可能だ(参考:Design Your Sneakers ページ)。
自社を知ること
消費者に商品やブランドの価値を説明するのはそれほど難しいことではない。ただマニュアルを覚え、それを正確に伝えればよいだけだ。
しかし、本当の意味で「自社を知る」ことは容易ではない。自社の市場での立ち位置、強み/弱み、ビジョン、そしてタスクなどを理解する必要がある。
同社は、それらをしっかり把握し、ブランド全体がひとつのチームであるという意識をそれぞれが認識している。
ターゲット層を熟知すること
Converseのターゲット層は、同社の商品をライフスタイルブランドとして取り入れている、ミュージシャン、スケートボーダー、そしてファッションに敏感な人々である。
とりわけConverseの「All Star」シリーズは、個性と独立心の象徴として多くのミュージシャンやアーティストに愛される商品となり、人気が広まった。
これに対して同社は感謝を示すべく、アマチュアミュージシャンが無料で曲をレコーディングできる、コンバース・ラバー・トラックス・レコーディングスタジオをニューヨークに設立した。
応募して選ばれたミュージシャンは、そこでプロフェッショナルなレコーディングを無料で行うことができる。そして、曲の著作権や原盤権はミュージシャン自身が保持することになる。
「このプロジェクトの趣旨は、アーティストに対するConverseからの感謝の気持ちの表明と、高いレコーディング料を払う余裕のない、才能あるバンドの支援、つまり、未来ある彼らへの投資である」。CMOのコットリル氏はそう述べている。
顧客こそがメディアである
ソーシャルメディアを使っての「口コミ」が、ブランドの未来を大きく変えることがある。同社は、顧客がブランドのファンとして発信してくれることを信じている。
よって商品を販売するのではなく、顧客を支援し、人間関係を大切にした「感情面でのつながり」を優先している。
まとめ
シューズメーカーとして揺るぎない地位を築いたConverseの成功の裏側には、このような確固たるマーケティング施策があったのだ。
ソーシャルメディア時代に移行し、コンテンツマーケティングが進化している今、このようなマーケティング戦略はどの業界のブランドにも応用できるだろう。
参考元: 5 Tips From the Top Fashion Brands on Social Media The Secret of Converse: People are Media How Converse Became the Biggest Little Sneaker Brand on Facebook
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