新ビジネスチャンス!テレビの課金コンテンツ成功例に学ぶ

デジタルマーケティング

毎日の忙しい生活のなかで、「テレビで見たい番組もたくさんあるけれど、正直言って見ている時間がない!」と嘆いている人はかなり多いだろう。

だが、「テレビはリビングに座って、決まった時間に見るもの」という時代はすでに終わった。もちろん、録画しておいて、空いた時間に見るというのもひとつの手だ。しかし、モバイル端末がコレだけ普及した今、それを活用しない手はない。

移動時間や待ち時間。自分の好きな時間に好きな場所で、見たい番組を見る。それを可能とした、「NHKオンデマンド」や「Hulu(Huluは日本テレビが事業買収)」が大好評。民放各社でも、「もっとTV」で同様の取り組みを行っている。また、「Apple TV」や「Chromecast(クロームキャスト)」などのストリーミングデバイスの売り上げにもつながっている。

モバイルで見ることを前提としたサービスの普及とその成功例を基に、新しいビジネスチャンスの到来について考えてみよう。

無料のものをお金を払ってでも見たい、その心理

オンエアされているときに見れば、または自ら録画したものを見れば、お金を払う必要のないテレビ番組を、わざわざ見たい人がいるのはなぜだろうか?

やはり、「自分の生活に合わせて、見る時間や場所、見たい番組を選べる」という便利さゆえだろう。また、モバイル端末はどこにでも持って行けるので、テレビ環境のない場所で、友人や家族とそのコンテンツを共有することが可能だ。

今日はどうしても見たい番組があるから、家に帰らなきゃ……。

話題の番組を録画し忘れたから、明日のみんなの会話についていけない……。

そんなもどかしさを感じる必要は、もうないのである。

無料コンテンツと有料コンテンツの絶妙な組み合わせ

「NHKオンデマンド」と「Hulu」のいずれも、無料と有料のコンテンツがある。

NHKでは、オンデマンド限定の無料コンテンツを期間限定で配信。そして、「見逃し見放題パック」という、月に972円(2014年7月現在)支払えば見逃した番組やニュース番組を、配信期間中なら何度でも見られる有料サービスもある。

有料コンテンツは、単独で購入すると価格設定が108円からなので、例えば108円のコンテンツを月に10本以上見るならば、当然「見放題パック」を購入したほうがお得。972円ならば、映画1本より安いし、おやつやドリンクを数回我慢すればまかなえる、絶妙な金額設定といえるだろう。

「Hulu」は月額933円(2014年7月現在)で、コンテンツが見放題。最初に2週間の無料お試し期間が設定されている。国内だけでなく、海外のドラマや映画が見放題で、子供向けのコンテンツも豊富。もちろん、無料期間に見て「必要ないな……」と感じる人もいるだろうが、その便利さに「この値段ならば!」と感じる人は多いだろう。

民放5社の人気番組を提供するオンデマンドサービス「もっとTV」も人気だ。見放題パックが月額972円(2014年7月現在)。Android機種のモバイル端末ならば、公式サイトからアプリをダウンロードし、アイコンをクリックするだけで簡単に視聴ができる。

このアプリには検索機能があり、ジャンル・キーワード・出演者名から見たい番組を探すことが可能だ。また、各放送局のランキングから番組を選ぶこともできる。(一部のAndroid機種は対象外となっている。対応機種一覧については、「もっとTV」ホームページの「対応端末について」を参照のこと)

ストリーミングデバイスでさらに広がる可能性

「Apple TV」や、Googleの「Chromecast」「Amazon Fire TV」「Roku」などのストリーミングデバイスが、今、世界中で大人気である。モバイル端末に無料アプリをダウンロードすれば、とても簡単にモバイル上の画像・映像をテレビに転送・再生できる便利さがウケている。

ストリーミングデバイスは、小さくて接続も簡単。友達の家に持って行き、その家のテレビに接続して、一緒に映像を楽しむことも可能だ。

その便利さとフレキシビリティに目をつけたKDDIは、見放題月額562円(2014年7月現在)で提供している「ビデオパス」をChromecastに対応させた。コレにより、配信される映画やドラマ、アニメなどのさまざまな番組が、無料アプリをダウンロードするだけでモバイル端末からテレビ画面に転送でき、大画面で楽しむことができるようになった。

こういったストリーミングサービスと課金サービスを組み合わせれば、さらに利便性が高まり、利用者は増えていくだろう。

便利さをお金で買う時代の到来

もちろん、「無料」という響きは最強である。だが、生活をより便利に、自分のリズムに合わせることができるサービスを手に入れるためであれば、お金を払うことへの抵抗が薄れてきているのも事実だ。

みんなが望んでいるコンテンツは何か? 生活を便利にできるコンテンツは何か? そのポイントをクリアできれば、課金性のコンテンツでも高い需要がある(もちろんサービス内容に見合った、適切な値段設定は必要不可欠だが)。

よく考えてみよう。あなたの周りにも、そんなビジネスチャンスが転がっていないだろうか?

参考元:?広がるネット「定額見放題」 HuLu好調、NHKは初の黒字へ?Hulu Japan?NHKオンデマンド?もっとTV?Chromecast?KDDI、映像見放題サービス「ビデオパス」がGoogleのストリーミングデバイス「Chromecast」に対応

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