ローカルマーケティングは自転車屋さんに学べ!【オンライン/オフライン編】

コンテンツマーケティング
どこの国・地域でも、小さな個人のお店は、生き残るのが困難になってきていることは、皆さんもご存知のとおりだ。
しかし、コンテンツマーケティングを取り入れたり、マーケティングの工夫をしたりして、頑張っているお店もたくさん存在する。それは、「自転車屋さん」も同じことだ。
今回は、世界のローカルな「自転車屋さん」にスポットを当ててみたい。オンラインとオフライン、それぞれのマーケティング事例をご紹介するので、ぜひ参考にしていただきたいと思う。
目次
オンラインのマーケティング事例その1:The Edge Cycle Works
出典:The Edge Cycle Worksが提供するマウンテンバイクのルート例
1つ目の事例は、コンテンツマーケティングを上手く取り入れている、イギリスの「The Edge Cycle Works」。
この自転車屋さんのスタッフは、ヨーロッパのトライアスロン金メダリストからベテランのサイクリストまで、「自転車のプロ」が揃っている。その1人が、マウンテンバイクのガイドとインストラクターを務めるColin Down氏だ。
The Edge Cycle WorksのWebサイトでは、Colin Down氏が考え出し、実際に試してみたマウンテンバイクのルートを提供している。ノースウェールズとイギリス北西部をカバーした、75もの地元コースが紹介されているのだ。
各ルートのページには、難易度・距離・地図、それぞれのポイント地点の説明などが記されている。希望する難易度・距離・地域から検索することも可能だ。もちろん、すべて無料で利用できる。これは、地元の自転車屋さんに行って、スタッフから周辺のおすすめルートを教えてもらう感覚で利用できるコンテンツだ。
このような価値の高い情報をオンラインで提供することは、オーディエンスを一気に拡大することを可能にする。同時に、見込み客からの信頼も勝ち取れるだろう。
オンラインのマーケティング事例その2:Mission Bicycle
出典:Mission BicycleのInstagramページ
次にご紹介するのは、アメリカのサンフランシスコにあるカスタム自転車屋、「Mission Bicycle」だ。このお店がオンラインで提供しているコンテンツは、なかなかバラエティに富んでいる。
ブログでは、自転車にまつわるユニークな記事を公開している。自転車レーンで右折する際の正しい方法・間違った方法を、アニメーションを使って説明したコンテンツなどがあり、非常に興味深い。
他にも、自転車関連のヒントやコツ・ニュースなどを読めるメールマガジンを毎週配信している。
SNSでのコンテンツ提供も積極的に行っており、成果を上げている。Facebookページの「いいね!」の数は、約2万9000、Instagramのフォロワー数は、約4万3000人だ(2014年8月末現在)。
しかし、一番注目すべきなのは、美しい画像だろう。Webサイトにも、ブログにも、Facebookページにも、写真がふんだんに使われており、その全てがInstagramページにまとめられている。
特徴的なのは、どの写真にも必ず含まれている自転車が、日常生活の風景のなかに溶け込んでいることだ。そのスタイルは、サービス紹介ページに掲載されている画像にも反映されている。このようなコンテンツは、見込み客に、「商品を使用する自分の姿」を容易に想像させることができるだろう。
オフラインのマーケティング事例
最後に、オフラインの例を2つご紹介したい。
1つ目は、カリフォルニア州マウンテンビューにある自転車屋さんだ。
このお店は、週末だけ無料で空気入れを提供している。サイクリストたちが自由に使えるよう、チェーンでつないだ空気入れをお店の前に出しておくのだ。近くには、サイクリストたちが集まるカフェが2軒あるので、空気入れをありがたく利用する人も多いだろう。
この空気入れは、自転車の空気が抜けて、困っている人たちに手を差し伸べている。と同時に、「ここに自転車屋があるので、困ったときはいつでもどうぞ」というメッセージをも伝えているわけだ。
2つ目は、優れたカスタマーサービスで知られる、コネティカット州の自転車屋さんの例である。
このお店のオーナーは、料金が1ドル以下の場合は、お客さんから決してお金を受け取らなかった。例えば、チェーンをつなぐ部品であるマスターリンクなどは、無料で提供するのだ。
結果、お客さんは、継続して商品を購入してくれるロイヤルカスタマーになってくれる。小さな部品にかかる小さなコストが、後に何千ドルという利益をもたらしてくれるわけである。
最後に
「自転車」という業界だけでも、こんなにバラエティに富んだマーケティングを展開できることが、わかっていただけたのではないだろうか?
他にもタイヤの取り替え方・パンク修理の方法など、個人でできるハウツーガイドといった役立つコンテンツも考えられる。内容を「自転車関連」まで広げて、健康のための、フィットネスや栄養情報を提供するのもいいだろう。
また、今回はあえて、オンラインとオフラインのマーケティング事例2つをご紹介した。両方から攻めることには、最強のマーケティングとなる可能性が秘められているからだ。
特に、ローカルビジネスを経営する方に、何かヒントを学んでいただければ幸いである。
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