海外のEC市場規模(ATカーニー調査レポート)

EC(Eコマース)
新興国でのEコマース市場がホットである。先日、ATカーニーが発行した新興国でのEC市場動向に関する調査レポートをご紹介した。ATカーニーのレポートでは、新興市場のECトップ10ヵ国を評価していたのだが、その中に多数ランクインしていたのが、ブラジル、メキシコなどのラテンアメリカ諸国である。
今回は、米国の調査会社であるフォレスターがラテンアメリカのEC市場の市場動向、市場規模に関するレポートを発行し、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンの3ヵ国について市場規模を予測しているのでご紹介しよう。
目次
ラテンアメリカのEC市場動向、EC市場規模の予測
ブラジルのEC市場動向、EC市場規模の予測
・ブラジルのEC市場は年平均15%ずつ成長し、2017年には約2兆円(250億ドル)に達する見通し。 ・従来、インターネット通販を利用するのは主に富裕層のみであったが、富裕層以外にも広がり、ブラジルではネットショッピングが一般化している。 ・また商材に関しても、かつてはコンピュターや家電中心であったが、現在は、アパレルや宝飾品などにも対象が広がっている。 ・EC大手のB2Wが伸び悩む一方で、ECに新規参入した会社が業績を伸ばしている。 例:Magazine Luiza、Dafiti、Netshoes、Baby.com.brなど。
アルゼンチンのEC市場動向、EC市場規模の予測
・アルゼンチンのEC市場は年平均19%ずつ成長。2017年には約3600億円(45億ドル)に達する見込み。 ・商材は、コンピュータ製品や家電が中心。 ・インターネットショッピングが一般化しており、低所得層でも、約半数はネット通販で買い物をした経験がある。 ・一方、関税障壁が高く、輸入手続きが複雑である事から、海外のEC事業者にとっては魅力的ではない。
メキシコのEC市場動向、EC市場規模の予測
・メキシコのEC市場は年平均18%ずつ成長。2017年には約3200億円(39億ドル)に達する見込み。 ・メキシコはブロードバンド・インターネットが家庭に普及しておらず、Eコマースのインフラが整っていない。 ・ネット通販の利用者は富裕層が中心。 ・クレジットカードが普及していないため、現金決済が多い。
まとめ
どうだろうか?参考になっただろうか? ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、いずれも急速に成長しているが、個人的には市場規模の大きいブラジルに注目している。ブラジルはもともと日系の移民が多いし、日本というブランドに対して非常に良いイメージを持っているからだ。
以前にもご紹介した通り、欧米企業を中心にECを活用したグローバル展開が進みつつある。Eコマースを活用する事でリスクを抑えつつグローバル展開を図ろうとする考え方である。大いに見習うべき点があると考えている。
我々日本人にとっては、ラテンアメリカは、地球の反対側であり、ついついビジネスの対象外として考えがちであるが、普段から情報のアンテナを高くしてビジネスチャンスを探るべきだと思う。今後も、グローバルなEC市場の動向についてご紹介していくので、楽しみにして欲しい。 Photo Credit:andrewdp
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